著者:川下貴士(松蔭大学看護学部精神看護学助教)
t-kawashimo@shoin-u.ac.jp



皆さんどうも。
僕たちが書いた本も発売されて約2週間が経ちました!
読んだ方からの感想を聞くと、意外にも「看護師じゃなくても使える!」と言われます。

ぜひ下記の『この書籍の購入・詳細はこちら』のリンクから立ち読みしていただき、気に入ったらぜひ購入を検討してみてください。

前回は、学生時代の実習のときの話でしたが、今回は看護学校入学時の失敗談です。
僕は高校卒業後に一度、社会人を経験し、看護学校へ入学しました。
入学当時、若さもあったのか、看護学校へ入学しただけなのに、同級生に舐められてはいけないという勝手な思い込みをして日々を過ごしていました。
今、思うと本当に恥ずかしいのですが、コミュニケーションが不器用な僕の唯一の表現方法だったのかもしれません。
そんな態度で学生生活を送っていたものですから、当然、友だちなんてほとんどいません。そんななか、入学する前からなぜか仲良しの男3人組みのグループがクラスにいました。小中高と背景はそれぞれ違うはずなのに、なぜかいつも一緒にいる。
そんな3人組を見て、僕は何を思ったか信じられない思い込みをします。
「あの3人……全員……敵!!!」
何もされてなければ、その3人組の誰とも話をしたことすらないのに……。
いや……書いてて自分が情けない。悲しい。
入学してから半年間、その思い込みは続きました。
しかし、事態は急転します。夏休みが明けて9月。
一番よく話してた友だちが学校を休むようになって、1人になることが増え、僕は焦ります。
このままでは学校生活楽しくないと。
勇気を出して……その3人組に声をかけにいきます。
「こ……こんにちは……。」
「おー!川下くん!どうした?」
(あれ!?優しい!僕のこと敵と思ってたんじゃなかったの?)
ここからは時間を要しませんでした。
男3人組は4人組となり、勉強の合間に、僕の夢だったバンドも結成することができました。
バンド名はリッチケア。
感染症の授業で僕が、リケッチアのことを間違えてリッチケアと覚えてしまったことからの由来です。
ライブハウスでライブもできたし、学生時代は苦しい思い出もありましたが、最高に楽しかったです。

あのときのことを考えると、自分の思い込みほど信用してはならないと今は、思います。

勝手に他者のことを思い込まず、まずは話してみる。
このバンド仲間とは、今でも連絡を取り合っています。
しかし、あの日、僕が勇気を出さなければ、こんな世界線はなかったでしょう。
僕は、今でもこういった思い込みをする傾向があるので、できる限りまずは、飛び込んでみよう!と思うようにしています。
何も話さず判断するのはもったいない!
勇気を出して、コミュニケーションを図った後には、素敵な未来が待ち受けている場合もあるかもしれません。
コミュニケーションは相手を知ることからが始まりです。
あのときの3人組!ハッシー!ばくさん!リュウ・ランカン!
あのときは本当にありがとう!
夢に向かって。

少しだけ宣伝!
日本看護協会出版会『コミュニティケア』誌9月号から「精神科訪問看護へようこそ」の1話が連載されています。現在、10月号の2話が発売されたばかりです。全12話の予定ですので、興味のある方はこちらの雑誌も読んでいただけるとうれしいです!

※本記事に登場するスタッフや患者さんなどは、著者の体験に基づくフィクションです。実在するスタッフ、患者さんなどとは関係はありません。
※感想や質問などございましたら、メールアドレスまで連絡していただけるとうれしいです!

著者の書籍の案内




100日ドリル

1分で劇的に変わる!
対人関係がうまい看護師があたりまえにやっている50のこと
ストレングス、リカバリー、ポジティブフィードバック……コミュニケーションに自信をもつにはちょっとだけ理由(コツ)がある!


コミュニケーションに自信が持てるコツ満載
患者さんだけでなく、職場の上司や先輩、同僚とのコミュニケーション場面で必要な心構えからテクニックまでを、精神科看護で使用しているコミュニケーション技術をもとに解説。エッセンスをコンパクトに解説しているので、1項目1分で理解できる!