著者:川下貴士(松蔭大学看護学部精神看護学助教)
t-kawashimo@shoin-u.ac.jp



皆さんどうも。
先日、「ナース100人のストーリー」で取材を受けた記事がアップされましたので、お時間ある方はそちらも一緒に読んでいただけると嬉しいです。私たちの著書の方も読んでない方は下記の『この書籍の購入・詳細はこちら』のリンクから立ち読みしていただき、気に入ったらぜひ購入を検討してみてください。

今回は看護大学へ編入したときの失敗談です。
あらためて思い出してみると、友だち付き合いが不器用だなと悲しくなります。
「ナース100人のストーリー」でも少しだけ話してますが、僕は編入生だったため、同級生たちよりも少しだけ年齢が上でした。
そのうえで編入した大学は僕の学力よりもはるかに上だったんですね。
今でも僕がどうして入学できたのかは川下七不思議の1つで、本当に奇跡的になぜか合格したんです。
素敵なキャンパスライフを夢見てましたが、僕の場違い感ばかりで素敵なキャンパスライフとはほど遠いものでした。
みんな地元の名だたる進学校出身で、(編入なんてしなければよかった、こんな頭の良い人たちばかりいる看護学部なんて絶対、無理すぎる)とお得意の思い込みでネガティブなことばかり考え、何度も何度も退学することを考えてました。
そんな僕は同級生たちとは距離を置き、いや、みんな頭が良すぎるので近づくのが怖くて、1年間、1人で車の中で昼休みを過ごしました。
あの時間は本当に苦しくて、僕は何のために大学へ来たのだろうと毎日思ってましたね。

それから1年が過ぎ、毎年恒例の新入生歓迎会。
そこで僕はあることに気付くのです。
同級生は普通に漫画を読んでいたり、ゲームをしたり、飲み会で騒いだり、カラオケしたりと普通の遊びをしていたんです。
恥ずかしながら頭の良い人たちって、普通の遊びをしないって勝手に思い込んでいたのです。
新入生歓迎会を通して、同級生たちの趣味をたくさん知ることができて、共通の漫画やゲームなど話をすることができるようになりました。
あのころの僕は相手を知ろうとすることもなければ、自分を知ってもらうこともしていませんでした。
それじゃ相互理解も深まりませんよね……。

相手を知ろうとすることがコミュニケーションのはじまりです。
社会に出るといろんな場面で、人とコミュニケーションを図る機会があると思います。
緊張もするだろうし、勇気もいるでしょう。
それでも昔の僕みたいな行動をしてはもったいないです!
まずは相手を知る!
そして、少しずつ自分を知ってもらう!
そうすることで、相互理解が深まり信頼関係も少しずつ生まれてくるのではないかと思います。

最後に大学入学時の学長の言葉を添えて終わりにします!
「大学生活4年間は勉学に励むと同時に一生の友だちを作る場でもある」
その言葉はたしかにそのとおりになりました!

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日本看護協会出版会『コミュニティケア』誌9月号から「精神科訪問看護へようこそ」の1話が連載されています。現在、10月号の2話が発売されたばかりです。全12話の予定ですので、興味のある方はこちらの雑誌も読んでいただけるとうれしいです!

※本記事に登場するスタッフや患者さんなどは、著者の体験に基づくフィクションです。実在するスタッフ、患者さんなどとは関係はありません。
※感想や質問などございましたら、メールアドレスまで連絡していただけるとうれしいです!

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