書籍『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』は、心臓の解剖や心電図の基礎をさらっとおさらいし、「心電図を読み解くルール」を示して、それをどんなふうに使って実際に心電図を読み解いていくのかを解説、さらに実践問題50問にも取りくめる充実の一冊です。
本連載は、本書に収載されている「心電図ひよこの会からの挑戦状:問題演習」の一部を取り上げつつ、本連載のために新たな問題を追加していく「出張版」です。
さて、今回の挑戦状は……
〈挑戦の前に〉
※各級の出題基準は心電図検定の要項をご確認ください。
※波形に記録条件が記載されていない場合は、標準感度10mm/mV、標準記録速度25mm/s として考えてください。
Q04
80歳代女性。高血圧、脂質異常症で通院中であった。
100m程度の歩行で息切れを認め、緊急受診した。
来院時心電図所見から最も考えられる疾患を1つ選べ。
【推定難易度:2級レベル】
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①大動脈弁狭窄症
②大動脈弁閉鎖不全症
③僧帽弁狭窄症
④僧帽弁閉鎖不全症
⑤肺動脈弁狭窄症
正解はこちら
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[ ①大動脈弁狭窄症 ]
主要所見:左室肥大(圧負荷)
左室肥大(圧負荷)の心電図所見であり、選択肢の中だと大動脈弁狭窄症が最も疑われる。
左室肥大(圧負荷)の主な原因は、高血圧や大動脈弁狭窄症などによる左室内圧の上昇である。
圧負荷による左室肥大では、
①左室高電位(V5のR波高+V1のS波高≧3.5mV)、
②心室興奮時間(ventricular activation time:VAT)の延長、
③ストレイン型ST-T 低下が見られる。
QRS波、VATの延長
QRS波の立ち上がりからR波頂点までQRS波は軽度延長し、VATが0.04~0.06秒ほどに延長
ポイント
他の選択肢では下記の心電図所見を認めることが多い。大動脈弁閉鎖不全症:左室高電位(容量負荷)
僧帽弁狭窄症 :左房負荷
僧帽弁閉鎖不全症 :
左房負荷、左室高電位(容量負荷)
肺動脈弁狭窄症 :右心系の負荷所見
なぜこのような波形になるか(発生メカニズム)は書籍『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』に記載しているので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください!
心電図ひよこの会メンバー



X:(@ShindenzuHiyoko)
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発行:2025年7月
サイズ:B5判 224頁
価格:3,080円(税込)
ISBN:978-4-8404-8822-8
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