書籍『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』は、心臓の解剖や心電図の基礎をさらっとおさらいし、「心電図を読み解くルール」を示して、それをどんなふうに使って実際に心電図を読み解いていくのかを解説、さらに実践問題50問にも取りくめる充実の一冊です。
本連載は、本書に収載されている「心電図ひよこの会からの挑戦状:問題演習」の一部を取り上げつつ、本連載のために新たな問題を追加していく「出張版」です。
さて、今回の挑戦状は……




〈挑戦の前に〉
※各級の出題基準は心電図検定の要項をご確認ください。
※波形に記録条件が記載されていない場合は、標準感度10mm/mV、標準記録速度25mm/s として考えてください。


Q06

70歳代男性。胸痛を主訴に救急車で来院時の心電図。
選択肢より正しいものを2つ選べ。
【推定難易度:1級レベル】


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①左冠動脈前下行枝の急性心筋梗塞
②右冠動脈の急性心筋梗塞
③洞性徐脈
④2:1房室ブロック
⑤3度房室ブロック


正解はこちら











[ ②右冠動脈の急性心筋梗塞、⑤3度房室ブロック ]



主要所見:当症例は右冠動脈近位部(#1)の急性心筋梗塞症例。 3度(完全)房室ブロックを合併している。
下壁誘導であるⅡ、Ⅲ、aVFでST上昇を認める(赤丸)。
また、対側側である前壁誘導のV1〜V3誘導でミラーイメージと思われるST低下を認める(青丸)。
ST上昇がⅡ<Ⅲであることから右冠動脈による下壁の急性心筋梗塞が最も考えられる。





V1誘導を見てみるとP波とR波の関係はバラバラであることがわかる。また、それぞれの調律はほぼ一定である。このことにより、3度(完全)房室ブロックと考える。
右冠動脈は房室接合部を栄養している血管であるため、右冠動脈による心筋梗塞の際には3度(完全)房室ブロックを合併することがしばしば起こる。

心電図ひよこの会メンバー


開拓する救急検査技師
横山健輔(京都桂病院 検査科)

講師力抜群、健診検査技師
多田淳史(一般財団法人京都工場保健会 技術部 検査課)

知識の宝庫、超音波検査技師
三宅穂岳(滋賀県立総合病院 臨床検査部)

X:(@ShindenzuHiyoko

書籍のご案内


『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』


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心電図読み方ルールマスター
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発行:2025年7月
サイズ:B5判 224頁
価格:3,080円(税込)
ISBN:978-4-8404-8822-8
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