書籍『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』は、心臓の解剖や心電図の基礎をさらっとおさらいし、「心電図を読み解くルール」を示して、それをどんなふうに使って実際に心電図を読み解いていくのかを解説、さらに実践問題50問にも取りくめる充実の一冊です。
本連載は、本書に収載されている「心電図ひよこの会からの挑戦状:問題演習」の一部を取り上げつつ、本連載のために新たな問題を追加していく「出張版」です。
さて、今回の挑戦状は……




〈挑戦の前に〉
※各級の出題基準は心電図検定の要項をご確認ください。
※波形に記録条件が記載されていない場合は、標準感度10mm/mV、標準記録速度25mm/s として考えてください。


Q08

70歳代女性。過去に手根管症候群を発症している。
手術前に実施した12誘導心電図である。
心電図より最も考えられる疾患はどれか1つ選べ。
【推定難易度:1級レベル】


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①急性心膜炎
②急性前壁心筋梗塞
③心アミロイドーシス
④心サルコイドーシス
⑤たこつぼ症候群


正解はこちら











[ ③心アミロイドーシス ]



主要所見:心アミロイドーシスとは、心筋細胞間質にアミロイド蛋白が沈着し、形態的、機能的異常をきたす病態。
心電図の特徴
・四肢誘導低電位(45~70%)
 ⇒心筋へのアミロイド沈着による起電力低下

・V1~V3誘導のQSパターン(40~50%)
 ⇒心室筋の起電力低下によりR波、S波が減高

・伝導ブロック(15~25%)
 ⇒洞結節や房室結節へのアミロイド沈着による伝導障害

・不整脈⇒アミロイド沈着による心筋障害



鑑別として
心筋炎、陳旧性前壁心筋梗塞、肥満体型などが挙げられる。
これらは12誘導心電図のみで鑑別することは難しい。

アミロイドーシスは全身の疾患であるためさまざまな症状を呈する。
例として手根管症候群などが挙げられる。
患者の他疾患の有無などを確認し、総合的に診断する必要がある。

急性心膜炎は書籍『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』の
step4㉛(p.124)、たこつぼ症候群は㉙(p.118)、
心サルコイドーシスはstep5のQA33(p.204)に少しですが記載しています。
ご興味のある方はぜひ書籍をご確認ください!

心電図ひよこの会メンバー


開拓する救急検査技師
横山健輔(京都桂病院 検査科)

講師力抜群、健診検査技師
多田淳史(一般財団法人京都工場保健会 技術部 検査課)

知識の宝庫、超音波検査技師
三宅穂岳(滋賀県立総合病院 臨床検査部)

X:(@ShindenzuHiyoko

書籍のご案内


『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』


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心電図読み方ルールマスター
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心電図の基本的な読みかたのルールを学びなおすとともに、それをどう使って実際に読みといていくのかという考え方まで納得!特に重要な不整脈についてはフカボリして理解できるように、会話形式の解説で勉強会を疑似体験。最後は実践問題に挑戦!理解度を確認できる。

発行:2025年7月
サイズ:B5判 224頁
価格:3,080円(税込)
ISBN:978-4-8404-8822-8
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『2級3級合格!心電図読み方ルールマスター』



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