はじめまして。心電図セミナーや執筆活動をしています白石です。
心電図以外はポンコツの白石です。

心電図が苦手で、セミナーに通う日々、その結果…

心電図って超むずくないですか?

僕は今でこそ心電図の連載やセミナーをしていますが、ぶっちゃけ心電図がめちゃくちゃ苦手でした。当時は苦手というかさっぱりわかりませんでした。

でも克服したくて月に1、2回は心電図のセミナーに参加し、当時は関東ならどこでも足を運びました。

でもどれだけセミナーに参加してもわからなくて、日勤の日は毎朝5時からマクドナルドで心電図の勉強をしてから行っていました。

循環器病棟は忙しく、毎日20時~21時まで残業し、帰ったら泥のように眠っていました。そして次の日も5時にはマクドナルドで自習をしてから日勤に行く生活です。

その結果どうなったかわかりますか?

もちろん心電図を理解できず、秋ごろに病みました。江ノ島の海を、体育座りで眺めていたんです。

そのときの自分の写真を見るとクマがひどく、目は死んだ魚のようでした。まあ酷かった。

難しいことを難しく説明するセミナーばかりだったことに気付く

そして、あるセミナーに参加したときに思ったんです。

「あっこの内容、前にも聴いたことがある……」

そして、気付いちゃったんです。

「どのセミナーでも説明している表現や言い回しが、そこまで変わらない」ことに。

いろいろなセミナーに参加してもわからなかった。難しいことをそのまま難しく説明するセミナーばかりだったんです。

医師に聞いてインプット、それを後輩に説明してアウトプットする

そこで…何かが舞い降りてきました。

「僕みたいにわからない人にわかるセミナーをやらなければ」という熱い思いができました。

ということで、まずはわからないなりに自分で心電図を説明していくようにしました。

わからないことは医師に聞き、それをインプットして後輩に説明することでアウトプットをしていく作戦です。

そうしていくうちに、後輩だけでなく先輩からも心電図について相談を受けたりしました。

そして、Twitterでも発信をし続け、半年で2000人以上のフォロワーがついたんです。

臨床に役立つ心電図のスキルを身に付ける

そんな僕がみなさんにお伝えしたいのは、心電図は難しくないよ(ルルル〜 ※アルプスの少女ハイジ風)ということです。

難しいけど、難しく考えるのはガチ勢にお任せして、まずは臨床で役立つスキルを身につけましょうよ。ね?

試しに1回心電図を読んでみませんか?何がいいかな…右脚ブロックがいいかな。

右脚ブロックだけでは治療の対象ではないんですけど、ただ単に読めたら嬉しいじゃないですか。

ってことで、まずは症例1をドン。

症例1



上図を見てみましょう。

どこを見るかというと、脚ブロックの場合は、右脚と左脚どっちもV1とV5とV6です。

この3カ所だけみます。 ここで右脚ブロックの定義を押さえておきましょう。

右脚ブロックの定義

①V1のQRSのR波は2つ山で、 1つ目の山より2つ目の山の方が高い
②V5、V6のQRSのS波が深い





上図の赤色丸部分がV1のQRSのR波の1つ目の山で、青色丸部分がV5とV6とQRSのS波です。

ポイント!

1つ目の山のサイズはさまざまです。めちゃくちゃ小さいノッチみたいな、ちょこっと出てる山もあります。
このちょこっとでも上向きに出ていれば1つ目の山と数えます。

右脚ブロックの定義を覚えました?覚えましたね?覚えてなかったら見ながらいきましょう。

では、症例2を見てください。

症例2





まずV1を見ていきましょう。



1つ目の山が小さいけど、ありますよね。1つ目の山が見えました?

上図の赤矢印部分がQRSのR波の1つ目の山です。2つ目の山より小さいことがわかりますね。

次はV5、V6です。



上図の青矢印部分がV5、V6のS波です。深いですよね?いうことは?右脚ブロックですねぇ。

読めたでしょ?さすが。あなた天才。

完全右脚ブロックと不完全右脚ブロック



ちなみに、上図を見てみてください。症例1のQRS幅と比べて症例2のQRS幅は広いでしょ?

QRS幅が3mm以上広い右脚ブロックを完全右脚ブロックといいます。

QRS幅が3mmもない右脚ブロックを不完全右脚ブロックといいます。

O Kでしょうか。

みなさんのお力になれることを願って、連載スタートです。

本日のまとめ

・右脚ブロックはV1、V5、V6を見る。
・V1のQRSのR波は2つ山で、 1つ目の山より2つ目の山の方が高い。
・V5、V6のQRSのS波が深い。
・QRS幅が3mm以上広い右脚ブロックを完全右脚ブロック、QRS幅が3mmもない右脚ブロックを不完全右脚ブロックという。



著者紹介 白石拓人 しらいし・たくと
血圧を測りに行ったのに血圧計を忘れるとんこつ...いやポンコツナース。『わからないことを馬鹿にするのは間違ってる精神』で密かに若手ナースを応援している。
「僕なんかできない…」より「僕でもやってみよう…」と考えたい超マブなお年頃。心電図を通してあなたが自信が持てたり、何かに挑戦するスピリッツを持ってもらえるように頑張るんば←黙っ
この心電図の勉強も挑戦でしょう。とにかくなんでもいいから挑戦するあなたの背中押します。ドンっ!!!