入浴介助や食事介助などをこなしながら、看護師として働けている喜びを感じていたところでの腰痛の発症。このまま看護師を続けていけるのかという不安を感じながら整形外科クリニックを受診しましたが、より詳細に検査するため、大きな病院でMRI検査を受けることになりました。腰痛の原因は明らかにしたい。でも、聴覚過敏でMRIの大きな音に耐えられるのだろうか。そんな不安を抱えながら、MRI検査当日を迎えました……

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久しぶりのMRI

MRIは小学生のとき以来です。当時、恐怖心があったかすら覚えていません。小児だったので、鎮静薬を使って眠りながら撮影したのかもしれません。

私は、昔からいい子にしていないといけない、じっとしていなきゃいけないというプレッシャーがあるとパニック発作を起こしてしまうので、MRI撮影中に耐えられるか不安でした。

看護学生時代、他学年合同の集会の際には、座っていなければいけないプレッシャーから過呼吸になり、集会を抜け出したこともありました。みんなができる当たり前のことができない。頭はふがいなさと悔しさにあふれ、身体は怖さで泣いていました。

今回も、このときのような発作が出るかもしれない。
でも、腰痛の原因を知りたい。

日常生活に支障が出るほどの腰の痛み、下肢のしびれ、尿失禁があるのに、腰痛の原因を明らかにしなければさらに悪化して、最悪の場合は入院になってしまうんじゃないかという怖さと、MRIの撮影中にパニック発作が出てトラウマになってしまったらどうしよう、という2つの気持ちでずっと揺れていました。

この2つは、種類の異なる怖さでした。

MRI撮影当日

当日になっても、2つの気持ちが同居しているのは変わりませんでした。ですが、腰痛の原因を明らかにしたいという気持ちが少し勝っていたからか「MRI撮影室まで行ってダメだったら帰ってこよう」と思い、病院に向かいました。

検査受付に声をかけ担当者を待ちます。

検査担当者「MRI撮影予定のまめこさんですかね?」
私「そうです。よろしくお願いします」
検査担当者「MRI撮影は地下で行うので、エレベーター乗りましょう」

地下という言葉に緊張が走ります。閉鎖感が苦手な私にとって、地下は息苦しさを感じる場所です。

私「すみません。私、大きな音と狭いところが苦手で、MRIは大丈夫かなと思ってて」
検査担当者「撮影中はけっこう大きい音が出るので、もしかしたらしんどいかもしれないですね。なので、撮影中にもう無理だと思ったら、中断する呼び出しボタンを押してください」

撮影中でも中断できることを知りほっとします。ダメだったらボタンを押そうと。

検査担当者「こちらの更衣室で検査着に着替えをお願いします」
私「わかりました」

患者さんが着ているのは見慣れていましたが、自分が着ると不思議な感覚です。

検査担当者「この台の上で寝てください。緊急用のコールを持ってもらうので、何かあったら押してください」
私「わかりました」
検査担当者「時間は40分ほどかかるので、眠れるのであれば眠っちゃってください。そのほうがストレスが少ないと思いますのでね」

MRI撮影に耐えるための戦略をインターネットでいろいろと調べて、寝不足の状態で来ました。ドーム状の装置の中に入ったらすぐに寝るつもりでした。

機械音が大きくなっていきます。それに合わせて私の心拍の音も大きくなっていきます。

(大丈夫かな、耐えられるかな)

音が大きくで怖いです。どうか寝てくれと身体に言い聞かせます。
そして、気づいたときには「終わりましたよ」と声をかけられていました。

音のストレス回避方法

音が大きいなか、なぜ寝れたのかが不思議です。ですが、私の音へのストレス回避の一つに「寝てしまう、意識を失ってしまう」というのがあります。

日常のなかで音の大きい場面といえば、電車の中が挙げられます。アナウンス音、人の喋り声、電車の動く音など沢山の音があり、かつ音量は大きいです。

いままで電車の中はストレスが多いため、寝てしまおうと思って寝ることが多かったです。しかし最近、寝ようとしているのではなく、意識を失っている感覚のほうが強いのではないかと思うようになりました。

朝や夕方に乗っているときに眠くなるのは理解できますが、昼間に乗っていて眠くなるのはおかしいのではないかということです。電車に乗っていると、頭がぼんやりしてきて、気づいたら駅が進んでいる感じです。寝不足でもない日の日中でも起こるので、不思議なことだと思っています。

ストレスを回避しようとする反応なのかもしれません。
この記事を読んでくださっているみなさんにも、このような経験があるでしょうか?

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プロフィール:まめこ
5年一貫の看護高校卒業後、林業学校に進学。現在は、病院と皮膚科クリニック のダブルワークをしながら、発達障害を持っていても負担なく働ける方法を模索中。ひなたぼっこが大好きで、天気がいい日はベランダでご飯を食べる。ちょっとした自慢はメリル・ストリープと握手したことがあること。最果タヒ著『君の言い訳は、最高の芸術』が好きな人はソウルメイトだと思ってる。ゴッホとモネが好き。夜中に食べる納豆ごはんは最強。