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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。
本日のカタカナ英語:アナムネ
「入院さんのアナムネとってきます」
看護師さんなら「アナムネ=入院時に既往歴や家族歴、薬歴、嗜好歴などの問診を行うこと」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
小児科だと予防接種歴などもアナムネに入っていきますね。
「アナムネ」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?
「アナムネ」は、ギリシャ語を起源とするドイツ語の「Anamnese(アナムネーゼ)」が由来です。
英語で「アナムネ」に相当する入院時の問診は「medical questionnaire」です。
「メディカル クエッショネア」が英語に近い発音です。
「health questionnaire(ヘルス クエッショネア)」も同じ意味で使えます。
アメリカで病院にかかると、まず驚くのが記入する書類の多さです。
日本では初診時の申請書と問診票くらいですよね。
アメリカでは、住所などを記載するregistration form、問診票、保険情報の書類、個人情報の書類、お金をちゃんと支払うという誓約書、病院のルールに従うという誓約書などなど、ざっと20~30枚の書類に署名をするのが当たり前です。
入院して4~5枚の書類で「書くものが多い」と文句を言っている患者さんを見かけると、「日本はまだまだ恵まれているほうですよ」と、思わず声をかけてしまうことがあります。
比較する情報がないと、恵まれている環境は見えてこないものですよね。
Please fill out this questionnaire.
(こちらの問診票にご記入ください)
※実際の臨床場面では問診票を見せて「こちらにご記入ください(please fill this out)」を使うといいでしょう。
30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。
2005年スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がスタンフォード大学の卒業式で行った伝説のスピーチに使われたフレーズです。
彼はすい臓がんで余命数カ月と宣告されたからこそ、時間の大切さを20代の若者に説いたのだと思います。
そして、他人の人生を生きるなというメッセージは、自分を貫いた彼らしい言葉です。
私たちは、叩き込まれた協調性を重視するあまり、あまりにも他人の意見に従い、他人にどう思われるかを考えすぎる傾向にないでしょうか?
けっして、他人に迷惑をかけてまで自分を貫くことがいいことではありませんが、他人の意見に流されて自分を見失うことは、自分の人生を生きていないと言えるくらい残念なことなのです。
やりたいことがあるのなら、他人の声を気にせず自信と責任を持って動いていいのです。
自分の人生を大切にしたいと思っているあなたへ
「Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life」
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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。