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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。
本日のカタカナ英語:マーゲン
「入院さんどこのカルチ?」「マーゲンカルチだって」
前回の「カルチ」つながりで、今回は「マーゲン」を紹介します。
「マーゲン=胃」という意味で「マーゲンカルチ」や「マーゲンチューブ」と言ったことがある、聞いたことがあるという看護師さんは多いのではないでしょうか?
「マーゲン」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?
「マーゲン」は、ドイツ語の「Magen(マーゲン)」が由来です。
英語で「胃」は「stomach」です。
「ト」にアクセントを置いて「ストマック(stˈʌmək)」が英語に近い発音です。
最後の「ch」は破裂音です。
果物の種を飛ばすように「ックゥ」と意識して発音すると英語らしくなりますよ。
医療現場で使われる「マーゲンカルチ(胃がん)」はドイツ語とギリシア語、「マーゲンチューブ(胃管)」はドイツ語と英語を混ぜて作った日本の臨床でしか通じない多言語化した造語です。
みなさんお気づきでしたか?
英語で伝える場合、「胃がん」は「stomach cancer」です。
「胃管」に関してはすこし細かくなります。
鼻から胃に挿入する経鼻胃管は「nasogastric(NG) tube」です。
日本の医療現場でもよく耳にする「NG tube(エヌ ジー チューブ)」で通じます。
胃ろう用の管は「gastrostomy(G) tube」です。
「G tube(ジーチューブ)」で通じます。
これらの管を経管栄養として使う場合は、「feeding tube(フィーディング チューブ)」といってもいいでしょう。
「feeding」は「食べ物をあげる」という意味があります。
ちなみに、お母さんが赤ちゃんにあげる母乳は「breast feeding」です。
When did your stomach pain start ?
(いつからおなかが痛くなりましたか?)
※症状の発症を尋ねるときは「when did your(症状)start ?」のフレーズが使えます。
※「start」は「begin」に置き換えてもいいでしょう。
Does your stomach hurt after eating ?
(ごはんを食べたあとにおなかが痛くなりますか?)
30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。
オリンピック個人種目4連覇を果たし華麗なる結果を残したカール・ルイスの言葉です。
「journey」とは「過程」や「道のり」のこと。勝ち負けの世界は結果がすべてと言われがちですが、準備と練習というそこに至るまでの過程がすべてであり、結果は自然についてくることを伝えています。
「大事なのは結果ではない」という解釈をたまにみかけますが、カール・ルイスは「結果は二の次」とは言っていません。
理由があって勝ち、理由があって負けると言っているのです。
とはいっても、時間とお金を費やしたものには少なからず結果を求めてしまいがちですよね。
とくに、入学試験や資格試験を控えているときは、結果にフォーカスしすぎて不安と焦りが募ります。
努力の末に必ず結果が得られるとは限りませんが、小さな努力を積み重ねる過程でしか結果はついてこないので、今できることを精いっぱいやるしかないときがあります。
苦しいときは、結果は自然についてくると信じて今日できる準備を積み重ねていきたいですね。
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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。