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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。
本日のカタカナ英語:CF
「105号室の患者さん、11時からCF予定です」
前回の「GF/GIF」に続き、内視鏡つながりで今回は「CF」です。
看護師さんなら「CF=下部消化管内視鏡(大腸カメラ)」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
「GF/GIF」同様に、医師もよく使い、カルテや検査用紙にも記載されています。
「CF」はアルファベットだし、英語由来でそのままでも通じるのではと、みなさんは思っていませんか?
「CF」は、「colon fiberscopy」の頭文字をとった略語です。
はじめて曲げられる内視鏡が開発されたときに「ファイバースコープ」と呼んで区別していた時代がありました。
現在は、どの内視鏡も曲がるのであえて区別する必要はなくなりましたが、「ファイバースコープ」が内視鏡の代名詞としていまだに残っており、「CF」という略語が使われている経緯があります。
国際的に通用する下部消化管内視鏡の略語は、「CS」です。
「CS」は「Colonoscopy」の略語です。
「colono-」は「大腸」、「-scopy」は「鏡を使った検査」を意味します。
患者さんに下部消化管内視鏡について説明するときも「colonoscopy」で大丈夫です。
「ノ」にアクセントを置いて「コロノスコピィー(kɔ̀lənɔ́skəpi)」が英語に近い発音です。
アメリカで内視鏡検査を行う場合、基本は鎮静下で行います。
「EGD」「CS」には必ず麻酔科医または麻酔専門看護師(CRNA)が検査に同行します。
1人の検査に担当医、麻酔科医(またはCRNA)、Endoscopy Technicianとよばれる内視鏡専門技師、看護師の最低4人がかかわります。
日本の医療現場では終始、鎮静なしの患者1人に担当医と看護師の2人だけで検査を行うというのが少なくないでしょう。
アメリカの医療者からすると、患者さんが鎮静なしで内視鏡検査を受けることやたった2人で内視鏡検査を実施することはありえない光景に映るようです。
You are having a colonoscopy today in the afternoon.
(今日の午後に大腸検査があります)
30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。
世界ランキング1位の最年少記録を持つ天才ゴルフプレーヤー、タイガー・ウッズの言葉です。
不倫・事故・故障などで苦しみながらも再度ツアー優勝し復活を遂げた彼の功績は、記憶に新しいのではないでしょうか?
栄光を手にした彼が、すべてを失い、2019年のマスターズで奇跡の完全復活を遂げたときの言葉が、今日の言葉です。
タイガーのスキャンダルがメディアを賑わせていたころ、私はアメリカでいわゆるエンタメ番組をよく観ていました。
スラングだらけであまりよく意味がわからなくても、辛辣な言葉が並んでいることは容易に想像がつきました。
「タイガーはこのまま終わってしまうのかな……」とだれもが想像したことでしょう。
世界中から好奇の目に晒されながら、何年もかけて困難を克服し、決してあきらめず結果を残した彼の言葉は、いま名言として語られています。
メディアを通して彼の激動の半生を見てきたので、「他人の期待に耳を傾けるな」「自分の人生を生きろ」という強いメッセージが、不思議と色鮮やかに自分の心に残りました。
「認められたい」「評価されたい」と、他人の期待に精を出し、思い悩むことはありませんか?
自分は何がしたいのか、自分に期待していることは何なのか、わからなくなることはありませんか?
そんなとき、タイガーの半生と今日の言葉は、自分の生き方を取り戻すヒントをくれるかもしれません。
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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。