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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。
本日のカタカナ英語:アウス
「今日はアウス2件あります」
看護師さんなら「アウス(Aus)=人工妊娠中絶」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
「アウス」はカタカナだし、英語由来でそのままでも通じるのではと、みなさんは思っていませんか?
「アウス」は、ドイツ語で「掻爬」を意味する「Auskratzung(アウスクラッツング)」が由来です。
英語で「人工妊娠中絶」は「abortion」です。
「ボ」にアクセントを置いて「アボーション(əbɔ́rʃən)」が英語に近い発音です。
医療現場では、「アウス」以外にも、中絶手術に「D&C」や「D&E」という略語が使われます。
「D&C」は、英語で「拡張と掻爬」という意味の「Dilatation and Curettage」の頭文字をとった略語です。妊娠14週未満の手術に用いられます。
「D&E」は、英語で「拡張と吸引」という意味の「Dilatation and Evacuation」の頭文字をとった略語です。妊娠14~22週の手術に用いられます。
ちなみに、日本の人工妊娠中絶を行う法定基準は妊娠22週未満ですが、アメリカは妊娠24週未満まで手術が可能です。ただし、アメリカでは州ごとに州法が定められており、妊娠週にかかわらず中絶を認めないアラバマ州から出産直前まで手術を認めるバージニア州まで州ごとに中絶規制法が大きく異なります。日本ではあまり報道されませんが、アメリカの「abortion」を巡る論争は、政治的にも非常に大きなテーマとして常に注目されています。
ヨーロッパでは、宗教的な理由から人工妊娠中絶を厳しく規制する国が多く存在します。特に、カトリック教徒が大多数を占めるアイルランドでは、最近まで中絶禁止令が存在していました。しかし、強姦による妊娠や母体の命を守るために必要な中絶手術すら認めなかったため大きな論争となり、住民投票で2018年に中絶禁止法が廃止されました。
人工妊娠中絶は、日本でほとんど話題に上がることはありませんが、「abortion」をキーワードに世界の国を見てみると、宗教や文化、法律、女性の権利などが複雑に絡み合い、その国の意外な一面が見えてきます。
Have you ever has any abortion or miscarriage?
(今まで中絶や流産をしたことはありますか)
「miscarriage」は、妊娠週にかかわらず「流産」という意味です。
30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。
ノーベル平和賞にノミネートされたアメリカの実業家クレメント・ストーンの言葉です。
「moon」と「star」の入ったきれいでロマンチックな名言ですよね。
一見すると日本のことわざ「下手な鉄砲も数撃てば当たる」に相当しそうですが、ちょっと意味が異なります。
「aim for the moon」は「月を狙え」と直訳しましたが、「高望みをする」「ない物ねだりをする」「大望を抱く」といった別の意味があります。
志を高く持って挑戦すれば、たとえ上手くいかなかったとしても、貴重な経験を得ることになる。もしかすると、後の成功につながるかもしれないのだから、がっかりしたり恥ずかしがる必要なんてない、というメッセージが込められています。
私がこの言葉に出会ったのは、まさに仕事が見つからず志半ばで帰国した後でした。心的ストレスから自律神経のバランスが乱れ、1カ月ほどまともに眠ることができませんでした。“アメリカ留学に費やした時間やお金がすべて無駄になってしまった……”とかなり落ち込んでいたので、「今日の言葉」がジーンと心にしみました。
私の場合、この経験が夫との出会いや夢の実現につながり、まさに「Aim for the moon. If you miss, you may hit a star」のとおりになったのですが、当時はかなり心がやさぐれており、自分の人生のどん底期と認定しています。
大きな目標や夢を持って行動していいのです。たとえ成功しなくても得られた経験・思い出・優しい言葉や人との出会いは、すべてがのちの人生においてプライスレスに変わるはずです。
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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。