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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:ステルベン/ステる

「昨日ステルベンが1件ありました」「あの患者さん昨日ステッたんだって」
看護師さんなら「ステルベン/ステる=死ぬ・亡くなる」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。

「ステルベン」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「ステルベン」は、ドイツ語で「死ぬ」を意味する「Sterben」が由来です。
「ステる」はステルベンの一部を使って動詞化したものです。「グーグル」から派生した「ググる」をイメージするとわかりやすいかもしれません。

「ステルベン/ステる」は、英語で「Decease」です。
「スィー」と伸ばすところにアクセントを置いて「ディスィース(disíːs)」が英語に近い発音です。
「decease」は、医療や法律で使われる専門用語で「死」を婉曲した表現です。
「亡くなる」「他界する」などといった日本語が相当します。
英語で「死」に相当するのは「death」、「死ぬ」に相当するのは「die」です。しかし、患者さんの心的ストレスに配慮して、医療現場で「死」に関する直接的な表現を避けるのは、日本も英語圏も変わりません。
日常会話で「死ぬ」というときは「pass away」が一般的に使われます。

さて、「decease」をみて非常に似ている単語を思い出しませんか?
そう「病気」を意味する「disease」です。
どちらも暗い印象の言葉なのですが、単語を分解してみると違いがみえてきます。

「disease」は、否定を意味する「dis-」と「安楽」を意味する「-ease」がくっついて、安楽じゃない=病気という構造です。
一方、「decease」は、低下や完全などを意味する「de-」と「止まる」を意味する「-cease」がくっついて、完全に止まる=死亡するという構造です。

「disease」と「decease」は紛らわしいですが、意味を間違えると患者さんが生きているのか亡くなっているのかわからなくなります。
私は「decease」を見逃して、文献で迷子状態になったことがあります。
みなさまは、どうぞご注意ください。

•How old was your father pass away from lung cancer?
(お父様が肺がんで亡くなられたのはおいくつのときですか?)





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


前回同様、rejectionつながりで印象に残った言葉を紹介します。
今日の言葉は、全米1位にも輝いたことのあるクリスチャン系ラッパー「レクレー・ムーア(Lecrae Moore)」の言葉です。
正直、私は彼の歌を知らないのですが、今日の言葉はダイレクトにグサッとくる言葉です。

だれもが多かれ少なかれ「人に認められたい」「価値ある人間だと思われたい」という欲求がありますよね。一時期、「承認欲求」という言葉も流行りました。

今日の言葉「people's acceptance」は、「他人からの承認」に相当します。
直訳すると「他人からの承認を大事にして生きていたら他人からの拒絶は死を意味する」くらいの訳になると思うのですが、彼のメッセージをダイレクトに表現したかったので「他人の評価を気にせず生きろ」とさせていただきました。

「○○ちゃんは○○ちゃんのままでいいんだよ」
私は、この言葉を意識的に子どもにかけています。
自分で自分を認めて生きるって大事なことだと思うんです。
そして、自信をもって行動できる女性ってカッコいいですからね。

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。