自分を置き去りにしない
マーゴット・サンダーランド/著
ニッキー・アームストロング/絵
森さち子/訳
誠信書房 2011 年刊
定価 1,400 円+税
何かが起こるたびに「へっちゃらへっちゃら」と言ってやり過ごすへっちゃら君くんが、「へっちゃらじゃない!」と素直に言えるようになるお話です。
へっちゃら君は、悲しい気持ちを半ズボンに、嫌な気持ちをポケットに入れ、ムカッとした気持ちは飲み込んでしまいます。自分の中にしまい込む場所を見つけてはため込み、とうとう身動きがとれなくなってしまいました。そこに、かしこどりがやってきて、へっちゃら君と話し始めます。
* * * * *
かしこどりは、つづけていいました。「それにさあ、へっちゃら君、きみのきもちをぜんぶ自分でやりくりしようとしても、ものすごくひとりぼっちで、ものすごくむずかしいことだよね。だれかにたすけてもらうことだよ!」
かしこどりにそういわれて、すごくほっとしたへっちゃら君は、たまらず泣き出してしまいました。
* * * * *
誰にも頼ることなく、自分で何とかしようとしていたへっちゃら君でしたが、かしこどりに言われた言葉で、ようやく自分の状態に気づくことができ、自分を大事にするようになりました。
自分を癒す時間をつくる
私は苦手なことや不安なことにチャレンジするとき、仕事に忙殺されそうなときに体調を崩すことがあります。自分自身のことを顧みず、置き去りにし、身体・心・魂を無視して日々振り回されることが原因です。
だからこそ、自分を置き去りにしそうになったら、「自分が大事」「自分を一番に考える」こんな言葉をつぶやくようにしています。自分と向き合う時間、自分を大切にする時間、身体と心を観察する時間をつくり、自分を癒すことを忘れないようにします。まずは自分を優先順位一番に考え、他者に支援を求めることが大切です。
考えてみましょう
【問1】自分より他者を優先してしまったり、自分を置き去りにしてしまったときのことを教えてください。
【問2】他者よりも自分の優先順位を上げるために、どのようなことができるでしょうか?
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オフィスJOC(Japan Okan Consultant)代表
心といのちの専門家(オカン)
看護師40 年、看護部長を17 年務めた後、人材育成・相談業務を中心に活動。自殺防止の電話相談では10 年間で約1,800 人の悩みを聞いてきた。またワークショップデザイナーとして対話の場づくりを約3,000 人に実践。2019 年にはオフィスJOC を起業し、「ケアする人をケアする」「がんばリーダーを応援する」「対話の場をつくる」をコンセプトに、日本を元気にするための活動を行っている。現在は全国の医療・介護系の研修をオンラインとリアルの両方で開催。2020 年からはオカプロ(オカン力プロフェッショナル)養成塾のほか、塾生たちとの「オカン対話Café」「がんばリーダー育成講座」をスタート。主な著書に『リーダーのための育み合う人間力』(医学書院)、『ケアする人をケアする本 医療スタッフのための人間関係力』(gene)などがある。