さんけつ
看護学校から国立大学へ編入し、大学病院に就職。療養病院、精神科病院、地方の総合病院、デイサービス、訪問入浴、介護付き有料老人ホームなど学生時代から含めて9年の経験がある看護師。現在は指定難病限定の住宅型有料老人ホームで働きながら看護師向けの「さんけつブログ」を運営中。




こんにちは、さんけつです。

さて、今回は私が看護専門学校から看護大学へ編入学した後、在学中に働いていた訪問入浴サービスについて「働いてみなければわからなかったこと」を紹介していきます。

なぜ訪問入浴サービスで働いてみようと思ったのか

私が訪問入浴サービスで働こうと思った理由は大きく3つありました。

給料が高かった


私が訪問入浴サービスで働いた理由のまず1つ目は、給料が高かったということがあります。

通常の営業日であれば時給1600円と看護師として働く場合の他の職場と変わりませんが、お盆・正月など大型連休になると時給2500円とガッと上がり、1日で2万円稼げることもありました。

当時の私は大学生でお金もなかったので「1日に2万円も稼げるならどんな仕事だってします!」という気持ちだったので、訪問入浴サービスの仕事を知ってからすぐに働き始めました。

都合の良い日だけ働けた


訪問入浴サービスで働いた2つ目の理由は、都合の良い日だけ働けたからです。

私は派遣の単発として訪問入浴サービスで働いていました。派遣の単発とは、1日だけの契約で看護師として働くもので、給料は派遣会社から支払われます。

夏休みや他のバイトが休みのときなど都合の良い日だけ働けるというのは、大学生として遊ぶ時間もお金も欲しかった私にとってはピッタリでした。

臨床経験がなくても働けた


訪問入浴サービスで働こうと思った3つ目の理由は、看護師としての臨床経験がなくても働かせてもらえたからです。

前回の「#002|学生時代に働いたデイサービス」(詳しくはこちらでもお話ししたように、私は看護専門学校卒業時に国試に合格して看護師免許はあったものの、卒業後すぐに看護大学に編入学したため、当然ながら臨床経験はまったくありませんでした。

看護師免許があっても臨床経験がないと働ける職場は限られてしまうのですが、そんななか登録した派遣会社からデイサービスの他に訪問入浴サービスも臨床経験に関係なく働けると教えていただき、派遣看護師として働いてみることにしました。

訪問入浴サービスでは難しい看護業務はなく、臨床経験がなくても問題なく働くことができました。

「看護師としての経験が浅いから自信がない、ブランクがあるけど看護師として稼ぎたい!」と悩んでいる方がいれば、まずは訪問入浴サービスでの仕事を検討してみてもいいかもしれません。

訪問入浴サービスで担当した業務内容

訪問入浴サービスで担当した業務は以下の通りです。

・入浴前後のバイタルサイン測定
・入浴前後の更衣
・浴槽とベッドへの移乗
・浴槽内での姿勢保持の介助
・軟膏塗布
・記録

私が働いていた訪問入浴サービスでは、1件あたりかかる時間は40分程度でした。一人ひとりに予定よりも時間がかかってしまうと次に訪問する時間が遅くなってしまうため、介助量が多く時間がかかりそうな場合は時間を気にしながらケアをしていました。

1日の訪問件数は4〜5件程度で、私が働いていた訪問入浴サービスでは次の利用者のお宅への移動中も時給がもらえましたが、事業所によっては訪問件数に応じて給料が決まっていることもあります。その場合、移動時間が長いと、拘束時間の長さに比べて稼げないこともあるため、訪問入浴サービスで働く際は時給なのかどうかの確認をしましょう。

また、私が働いていた訪問入浴サービスでは、体を洗うときは看護師も介護士も基本的に手袋をしませんでした。訪問入浴サービスは病院とは違い、使える物品が限られていることもあるため、私も排便があったとき、感染症のある利用者さんの入浴介助のとき以外は手袋はしていませんでした。

病院での入浴介助の経験しかなかった私にとっては、手袋をしないことに抵抗がありました。ただ実際には、訪問入浴で利用者さんの体を洗うのは介護士がメインで担当し、看護師は姿勢の保持など補助の役割が多く、体を洗う機会は少なかったです。

私は派遣の単発バイトとして他の訪問入浴サービスでも働きましたが、どの職場も同じく、入浴介助は介護士がメインで担当していました。

訪問入浴サービスで働いてみてはじめてわかったこと

私が訪問入浴サービスで働いてみてはじめてわかったことは「訪問入浴サービスの看護師は医療処置ができない」ということです。

「自宅で医療処置をする」と聞くとイメージされるのが訪問看護ですが、訪問看護は医師から指示書をもらうため医療処置ができます。それに比べて、訪問入浴サービスには医師からの指示書は出てこないため、看護師は吸引、摘便などの医療処置は行えません。

臨床経験のなかった私にとっては「医療行為ができない」ことは過度に緊張することもなく楽な気持ちで働けました。

訪問入浴サービスで働いたことで得られたもの

訪問入浴サービスで働いたことで気づかされたことは、「自宅での生活はコンプライアンスが悪くても幸せに過ごせれば良い」ということです。

訪問に行ったなかで、COPDで在宅酸素をしている利用者さんがいました。その方は入浴前に必ずたばこを吸っていました。当時の私は病院での実習しか経験がなかったためか治療にばかり注目していて、たばこを吸っている姿を見て「酸素を吸っているのにたばこを吸うって、なんて矛盾したことをしているんだ!」とびっくりしました。ただ矛盾したことをしているのに、その利用者さまは「満足している」という表情でした。

病院実習の経験しかなかった当時の私は、患者さんは治療を受けている=治したい・現状を維持したいという思いをみなさん持っていて、それは自宅に戻ってからも変わらないと思っていました。

でも訪問入浴サービスで働いてからは、患者さん全員がそういうわけではなく、自宅に戻ってからはたとえ治療のコンプライアンスが悪くても、その人が幸せに生活できていれば良いという場合もあるのだと気づかされました。

上記の経験から大学卒業後に就職した病院で、指導しても生活習慣が改善されないコンプライアンスの悪い患者さんに対しても「我慢しないことで幸福度が高いならいいか」と他の看護師よりもイライラすることが少なく対応できたのではないかと思います。



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