さんけつ
看護学校から国立大学へ編入し、大学病院に就職。療養病院、精神科病院、地方の総合病院、デイサービス、訪問入浴、介護付き有料老人ホームなど学生時代から含めて9年の経験がある看護師。現在は指定難病限定の住宅型有料老人ホームで働きながら看護師向けの「さんけつブログ」を運営中。




こんにちは、さんけつです。

さて、今回は私が給料の高さにひかれて働いた精神科病院について「働いてみなければわからなかったこと」を紹介していきます。

なぜその精神科病院で働いてみようと思ったのか

私が精神科病院で働こうと思った理由は大きく2つです。

給料が高い


まず私が精神科病院で働くことを選んだ理由の1つ目は、前職よりも給料が高かったことです。前職の療養病院は月30万円程度でしたが、精神科病院は日勤のみで月32万円程度でした。

「高かったといっても2万円しか変わらないの?」と思うかもしれませんが、当時の私にとっては2万円は大きな金額でした。妻が出産を機に退職していたので、稼ぎは私の分だけで貯金もありませんでした。なので少しでも稼ぎたいと思っていました。

通いやすい距離にあった


私がその精神科病院を選んだ2つ目の理由は、前職よりも通いやすい距離にあったことです。

前職の療養病院までの通勤では途中で渋滞があり車で50分程度かかっていました。それに比べて精神科病院までは渋滞にもはまらずに20分程度で通勤することができました。

通勤時間が30分も短くなるというのは、生まれたばかりの子どもがいた私にとっては、家事や子どもと関わるための時間が増え、生活に充実感がありました。

精神科病院で担当していた業務

私が精神科病院で担当していた業務は次の通りです。

・バイタル
・入浴介助
・内服管理
・生活指導

業務のなかでいちばん大変だったのは入浴介助です。私が働いていた職場ではお風呂が階段を上がった2階にありました。しかし、エレベーターなどがないため、筋力的に階段を登れなかったり、入浴拒否があり階段を登ろうとしない患者さんは、男性スタッフ2名で2階まで担いでいました。

また、お風呂も介助がしやすいように作られているわけではなかったため、脱衣所と洗い場の行き来も担いでの移動でした。

そのような介助が必要な患者さんは2〜3名ではありましたが、スタッフにとっては筋肉痛になったり腰を痛めたり大変な業務でした。

一昔前に作られた精神科病院は、ADLの自立度が高い患者さんが入院する想定で作られていることが多いため、階段のみでエレベーターがないという病院もあります。もし精神科病院で働くことに興味がある場合は、そうした視点でも職場環境を調べておきましょう。

精神科病院で働いてみてはじめてわかったこと

精神科病院で働いてみてはじめてわかったことが2つあります。

一般病棟よりも拘束の使用には厳しい


精神科病院は一般病棟よりも身体拘束について厳しく定められています。一般病棟では看護師の判断で行ってしまうことも、精神科病院では医師の指示が必要です。例えば次のような場合です。

・車いすをロックのかかるオーバーテーブルで動かなくする
・車いすベルトをつける

一般病棟でも医師に指示をお願いする場合があると思いますが、上記のケースの場合、私が働いていた都市部の大学病院では看護師の判断で行っていました。そのため精神科病院で働きはじめた当初、ロックのかかるオーバーテーブルでご飯を提供しようとしたら注意され驚きました。

精神科病院で働く場合は、患者さんの動きを抑制してしまうことに対して十分な配慮が必要であることを理解しておかなければなりません。

年齢的に若い入院患者さんが多い


精神科は一般病棟よりも年齢の若い入院患者さんが多いです。私が働いていた精神科病院には、最年少で14歳の患者さんも入院していました。

また、精神科はストレスが多くかかってしまう「働き盛り世代」の方も多く入院しています。そのため看護ケアの内容も、下記の例のように一般病棟とは大きく違っていることもあります。

・オムツ交換や体位変換はほとんどない
・話を聞いて薬の調整を医師に依頼する
・病状によって渡す荷物を制限する

高齢者の患者さんとは提供する看護ケアの内容が大きく違うため、いままでとは考え方や必要となる知識が違い、新しいことを学べて良い刺激になりました。

精神科病院で働いたことで得られたもの

精神科病院で働いたことで、患者さんとのコミュニケーションがとても大切だという気づきが得られました。

精神科病院では周りの人の話が理解しづらい患者さんや、身辺自立など日常生活力の低い患者さんも多く入院しています。そのため他の患者さんとトラブルになってしまうことも少なくありません。こうした環境のなかでどのようにこちらの話を理解してもらうか、指導するかといったことが大切になり、看護師とっては話し方などのコミュニケーションスキルが重要です。

私が精神科病院で学んだ患者さんとのコミュニケーションにおける大切なことは次の通りです。

・患者さんの話は鵜呑みにしない
・患者さんがわかる言葉で、理解度を確認しながら話す
・何回伝えても理解できない患者さんが一定数いることを意識する
・入院生活や治療に支障のないこだわりは矯正しないほうがよい
・話をまとめられない患者さんもいるため、時間を決めて、決めた時間が過ぎれば退室したほうがよい

精神科病院で学んだコミュニケーションで大切なことは、その後に携わった高齢者看護でも応用できる部分が多くあり、いまでも私の看護ケアに役立っています。



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