こんにちは、さんけつです。
さて、今回は私が前回でお話しした精神科病院に勤務した後、急性期病院でもう一度働きたいと思い転職した地方の総合病院について「働いてみなければわからなかったこと」を紹介していきます。
なぜその総合病院で働こうと思ったか
私がその総合病院で働こうと思った理由は大きく2つです。
附属の看護学校に通っていたから
私がその総合病院で働くことを選んだ1つ目の理由は、その病院の附属看護学校に通っていたからです。そのため病院内には知っている先輩や後輩もたくさんいましたし、看護実習でもお世話になっていたので、まったく知らない病院で働くよりも働きやすいと思い入職を決めました。
地域で唯一の3次救急病院だったから
2つ目の理由は、地域で唯一の3次救急病院だったからです。私が住む地域では2次救急病院はたくさんありますが、3次救急はその総合病院だけでした。「急性期で働くならいちばん重症な患者さんが入院している病院で働きたい」と考えていました。
総合病院で担当していた業務
総合病院に入職後は循環器病棟で働きました。担当していた業務は、以下の通りです。
・バイタル測定
・術前準備
・術後の観察
・検査の準備、検査後の観察
・内服管理
・入院対応
・退院支援
大学卒業後に就職した都市部の大学病院（＃005参照）では心臓血管外科・CCUで働きましたが、業務を比較すると地方の総合病院のほうが大変でした。いちばん大変さを感じたのは入院対応です。
都市部の大学病院では、予定の入院患者さんに対する病棟での説明や病衣の準備など看護師でなくてもできる業務は看護助手さんにお願いしていました。しかし、その総合病院ではすべて看護師が担当していました。
そのため看護師の業務が多く、忙しいときは日勤なのに23時頃まで残業することもありました。それも私だけが残業しているわけではなく、周りの看護師、時短勤務の看護師まで残業しているような状況でした。
もし都市部から地方の総合病院への転職を検討しているのであれば、看護師の業務内容や業務の範囲にギャップがある場合もあることを覚えておいてください。
地方の総合病院で働いてはじめてわかったこと
その総合病院で働いてみてはじめてわかったことは、地方の規模が大きい病院は業務改善されにくいということです。
私は附属の専門学校を卒業した後、約5年ぶりにその総合病院に戻りました。専門学校で看護実習をしていたときと比べると、看護師の業務内容はほとんど変わっていませんでした。他の看護師に聞いても「10年間ほとんど変わっていないよ」と言い、日勤なのに23時頃まで残業する状況は10年前にもよくあったそうです。
私が新卒で働いていた都市部の大学病院は業務改善が盛んに行われていて、できる限り残業を減らすことに注力していました。都市部には大きな病院がたくさんあり、スタッフにとって働きやすい環境でないと看護師が減ってしまいます。
一方で地方の大規模な病院はスタッフの働きやすさを追求しなくても看護師は自然と集まり、周りに同様の規模の病院がないこともあって転職していく人も少ないため、業務改善がなかなかされにくいのではないかと思います。もし、あなたがいま働いている病院が地方の大規模病院だとしたら、残業が多くても管理職が変わらない限りは業務改善がなかなかされないかもしれません。
地方の総合病院で働いたことで得られたもの
私がその総合病院で働きながらわかったのは、家族との時間の大切さです。とにかく残業が多く、仕事ばかりで家族との時間が少ないことはとても寂しいことだと実感しました。
それは、私が残業がなく他科よりもゆっくり働ける精神科病院から、忙しい急性期病院に転職したからかもしれません。転職したことでいままであった子どもとのお風呂の時間、食事の時間、妻と話す時間など、家族と過ごす時間はほとんどなくなり、妻と子どもが寝た後に帰宅することがほとんどでした。
私の帰宅時間が遅くなったことで妻は一人で子どもを見ている時間が多くなり、負担が増えてイライラすることも増えました。昭和のように男は元気で留守が良いというわけにはいきません。できるだけ家にいる時間や子どもと関わる時間を確保できる仕事をしていたほうが、妻のイライラが減り、子どもにも寂しい思いをさせず、私も寂しい思いをせずに前向きに仕事ができるということを感じました。
家族との時間が減ったことについて妻とも相談し、「もっと家にいられる仕事のほうがよい」という結論になりました。総合病院での仕事自体にやりがいはありましたが、仕事よりも家族を優先することを選び、10カ月でその総合病院を退職してしまいました。
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