みなさん、こんにちは。
連載も10回目なのですね。書いている自分もあっという間だと感じています。いつも読んでいただきありがとうございます。少しでもお役に立てたらうれしいです。
今日は「自分自身の心、体の健康をキープする」大事さを取り上げます。
自分の心と体の健康を意識していますか?
私たち看護師の仕事は「感情労働」といわれています。私は感情労働とは「自分の感情をある程度抑えて、コントロールして接する仕事」だと思っています。自分が悲しくても、利用者さんの前でははつらつとふるまう必要がある場面も多いですよね。私たちも人間なので、その日のコンディションによってはつらい日もあるはずです。
無理に笑ったり、無理に気分を上げて仕事を続けていると、それがストレスとなり、どこかで心や体が悲鳴を上げ兼ねません。
みなさんは、どのように気分転換や健康をキープしていますか? 自然ななりゆきに任せたり、休みはとにかく寝て過ごしたりする人も、意外といらっしゃるようです。しかし長くこの仕事を続けるためにも、自分の健康についてぜひ戦略的に担保してほしいと考えます。
人によってコーピング方法は違う
友人に誘われて飲み会に参加したとします。人によっては「あー楽しかった、すっきりした!」と明るく帰宅し満足されるでしょう。しかし、「あれ? よけいに疲れた……?」と感じる人もいると思います。これはなにが違うのでしょう? それは「動的なストレスコーピングを求めている」か「静的なストレスコーピング」を求めているかの違いです。
ストレスコーピングとは、「ストレス」を感じたときにどのように発散するのか、回避するのかといったストレス対処方法のことです。意識的に行ったりしますが、無意識に行っていることがあるといわれています。
あなたはどのような活動をしているときに、本心からほっとできて元気になるでしょうか?「温泉」「遊園地」「読書」「カフェ巡り」「友人と騒ぐ」「カラオケ」「ゴルフ」「マラソン」「寝る」「映画」「何もしない」……。人に本当によってさまざまです。
ストレスコーピングについてはこちらのサイトで詳しく図で見ることができます。
今、休みの日に行っている活動が、実は逆に疲れをためることだったりもするかもしれません。ぜひ自分に合う方法を見つけて、リセットをしていただきたいです。よい仕事をするためにも休日の過ごし方は本当に大切です。
見つけ方のコツは、少しでも興味があることをやってみることです。またほかの人がどのような方法でコーピングをしているのか、情報収集をすることも大切です。
あ、動的なものを求めている人は、山を登ってテントで寝るのも、外で調理をして食べるのもかなりおすすめですよ。登山が好きなことは前回も書きましたが、好きすぎてテントを3つも持っています。3つもいらないだろうと思われるでしょうが、テント泊をしてみたい友人に貸して、自然の真ん中でテントで寝ることのよさを実際に体験し、味わってもらっています。
稜線でテントを張って寝ると、星空に驚きます。すぐそこに星があり落ちてきそうです。また起きたときにテントのジッパーを開けてすぐに日の出を見ることもできます。とても素晴らしいひとときです。精神科訪問看護を楽しいと思える人も増やしたいし、テントでの登山に行くことが好きな人も増やしたいと思っています(笑)。
訪問看護の場での看護のテクニックも大事ですが、看護師である自分の心や体の健康をキープすることが、よい看護につながります。なるべくベストな状態で仕事に臨みたいものです。
今回はこのへんで、ではまた。
訪問看護ステーションふく・ふく代表・管理者/精神科認定看護師
精神科看護に長年魅了されています。地域で水が流れるように精神科看護を浸透させたい!そんな思いで2023年8月に訪問看護事業所を立ち上げました。
訪問看護につながる手前の方にも、よくお話をしに伺います。人生をどのように過ごしたいか、希望はなにか?そんなことを会話のなかから探り、ストレングスの視点でかかわることが大好きです。精神科看護に魅了され、わくわく働ける看護師を多く育成したいと思っています。
時間があると登山をしながら日本中を旅しています。四季折々の日本の山々に包まれて至福のときを過ごしています。