みなさんこんにちは。
今回からはPCIの特殊なデバイスについてお話ししていきたいと思います。
プラークは、さまざまな組織やカタチがあります。現在はそのさまざまなプラークに応じた特殊なデバイス=デバルキングデバイスを使い、PCIが行われています。
デバルキングとは、動脈硬化を取り除くということ。デバルキングデバイスはさまざまなものがありますので、それぞれ紹介していきます。
今回取り上げるのはDCAです!
DCAとはdirectional coronary atherectomyの略で、日本語では方向性冠動脈粥腫切除術といいます。DCAは、比較的大きな血管の柔らかい偏心性の病変に使われます。
大きい?!柔らかい?!偏心性?!?!
大きい?!
DCAはハウジングといって金属の太い部品からできています。硬くて太い先端のDCAを病変部まで持っていくのはたいへんです。そのため、カーブが比較的緩やかな大きな血管に対して治療が行われます(図1)。
DCAのサイズはS・M・Lとあり、MとLが多く使われているようです。Mは血管径が3.5~3.9mm用、Lは血管径4.0~4.4mm用になっています。
冠動脈のうち前下行枝の#6は多く行われている治療部位で、回旋枝はLMTから#11のカーブがネックとなります。
柔らかい?!
DCAで石灰化を削ることはできません。そのためDCAのターゲットは柔らかい動脈硬化(プラーク)になります。
偏心性?!?!
偏心性の病変であることは、DCAのイチバンの特徴になるかと思います。DCAの対象となる動脈硬化は血管内腔の全周性ではなく、一部分のみに動脈硬化が存在する病変がもっとも合った適応となります。
DCA Q&A
DCAするには何がいる?
まずDCAのカテーテルが要ります。サイズの違いとハウジングの開口部長が6mmと9mmがあるので注意が必要です。あと、カッターを回転させるモーターMDUとインデフレーターが必要です。
DCAはどうやって削る?
DCAの構造は、片方にカッター、反対側にはバルーンが付いています。動脈硬化の方にカッターを当てて反対側のバルーンを膨らませ、動脈硬化にググッとカッターを押し付けて削っていきます。
どこまで削る?
動脈硬化が血管内腔の40~50%くらいになるまで削っていきます。
今回はDCAを紹介しました。
次回はこのDCAのときのスタッフの見るべき注意点などをお話ししていきたいと思います。
次回もよろしくお願いいたします。
新生会総合病院 高の原中央病院
臨床工学科 MEセンター
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。