# 心カテ中、何に気をつければいいかわからない
# 心カテ前の患者さまを安心させたい
# 患者さまからの心カテについての質問に答えられない
# この患者さまはカテ室でどのようなことをされてきたのか?
# カテ終わり 術後合併症?!


こんにちは!
今回からいよいよ(?!)カテーテルが入っていきます。
カテ中の起こりうることをお話ししていきますね。

カテーテルの挿入は枝をかき分け、かき分け

カテーテルは、ガイドワイヤー(0.035インチ)をカテーテルに入れて、ガイドワイヤーを先行させながら冠動脈の入口まで挿入していきます。険しい(?!)道のりが待っています。

橈骨動脈からカテーテルを挿入していくことが多いと思いますが、上腕の血管には所々に枝が存在します。施行医は、その枝に入らないように、慎重にガイドワイヤーを操作しながらカテーテルを進めていきます。もし、この枝にガイドワイヤーが迷入し、押し込むと、血管穿孔(けっかんせんこう)を起こす可能性があります。

#私たちのチェックポイント図1
(1)ガイドワイヤーがスムーズに進んでいくことを確認しましょう。

(2)透視を見ていて、こんなときは枝にガイドワイヤーが入って血管を突き破った可能性があります。
①グイッと入ったガイドワイヤーがピタッと止まったような動きをしたとき。
②上腕付近でカテーテル挿入に難渋している(時間がかかっている)とき。
 ➡声をかけましょう=「腕痛くないですか?」
 ➡腕を触って腫れがないかを確認しましょう(ガイドワイヤが止まったところ付近を確認)

(3)もし、血管穿孔を疑うときには?
①造影剤を入れて血管造影をします。
②造影によって血管穿孔が認められたときは止血します。
 ➡出血している部分を透視で確認
  ・腕を外から握り圧迫止血
  ・止血バンドを使って圧迫止血
③術者の状況的判断により以下のいずれかになります。
 ➡カテーテルの中止
 ➡抗凝固薬(ヘパリン)の中和(プロタミン)
 ➡穿刺部位の変更
 ➡反対側または下肢へ穿刺部位を変更する

(4)カテーテルを続行する場合には、カテーテル中に圧迫止血部位の確認をしましょう(※ 抗凝固薬が効いている状態です)。また、ドレープに隠れた状態です。慎重に観察しましょう!
 ➡腫れが大きくなっていないか?
 ➡痺れなどが出ていないか?(神経圧迫による神経障害の防止)

カテーテルを入れるのは先生ですが、カテーテル検査をやっているのはカテ室スタッフのみんなです。私たちも安全にカテーテル検査が行えるよう、さまざまな視点から検査・治療を支えましょう!


今回はここまで。
ありがとうございました。

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プロフィール:野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
臨床工学科 MEセンター
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。