ここには12枚の『問い』が書かれたカードがあります。
ゲストが、それぞれ選んだカードに書かれた『問い』について、インタビューを通じてゆっくり考えていきます。
カードには何が書かれているか、ゲストにはわかりません。
ここでの『問い』とは、唯一の正しい答えがあるものではなく、思考を深め、さらなる問いを生んだり、生涯にわたって何度も問い直したりするような本質的なもの。
そして、ゲストの考えや価値観、人柄に触れるようなものが含まれています。
簡単に答えは出なくても、こうした考える時間自体に意味があるのかもしれません。
いま、少しだけ立ち止まって、あなたも自分や周りの人に問いかけ、想いを馳せてみませんか。
1990年前半に看護短大を卒業後、系列の病院の手術室に配属されるが、2年経たずに大学病院の救命救急センターに転職。数年後に地元に戻り、短大系列の病院に再就職。呼吸器病棟や救命救急センターなど経験し、10年経つ前に一度退職。通信の大学で建築のデザインを専攻し学位を取り、人間工学分野の大学院の修士課程に進む。その後、看護教員を2年経験し、病院に出戻り、15年ほど経ち現在に至る。2010年代に呼吸器疾患看護認定看護師となる。
小児科4年、整形外科・泌尿器科・内科系の混合病棟3年、その後、派遣で1年ほどクリニックや施設、ツアーナース、保育園などさまざまなフィールドで勤務。現在は整形外科病棟で非常勤をしながらライターとして活動して5年以上経つ。最近の楽しみは、仕事終わりのお酒と推しとまんが、それと美味しいごはんを食べること。
33年の看護師キャリア、変化と成長の軌跡
白石:
Puniさん、こうして直接お話しするのははじめてですね。Puniさんは超ベテラン看護師さんという印象があるんですが、看護師歴はどのくらいになるんでしょうか。
Puni:
看護師歴ですか……33年、今年で34年目くらいになるんじゃないでしょうか。あ、今日は履歴書を持って来たんですよ。
白石:
え、すごい!履歴書ですか(笑)。
Puni:
そうそう、なかなか自分の経歴を振り返ることがないですからね。
白石:
Puniさんは一度看護師の仕事を離れて大学や大学院に通われて、また看護師として戻ってきているキャリアがありますけども、最初のほうで手術室を辞めて、救命救急センターのある病院に転職したのはどのような理由からだったんでしょうか。
Puni:
いやぁ、これも時代だとは思うんですけど、当時1990年代というと、今でこそパワハラになるんじゃないかということもかなり横行していた時代だったんですね。特に手術室は特殊な部署でそれが厳しかった。元々自分は救命救急の分野で働きたいと思っていたのもあって、「やりたかったのはこれじゃない」と思い切って辞めました。救命救急センターを希望したのは、学生のときに救急外来のアルバイトをしていて、すごい現場だなと思っていたんですよ。自分もこういうところで働きたいと思って、転職しました。
白石:
そうだったんですね。そもそも1990年代だと、今よりもさらに男性看護師が少ない時代だと思うんですけど、周りからなにか言われたとか、悩まれたこととかあったんですか。
Puni:
言われましたよ、女性がやる仕事だって。ただ、自分は小さいときから喘息持ちで何度か入院したことがあって、そのときに男性の看護師さんが対応してくれていたこともあったので、男性看護師の存在は中学か高校生のころには知っていました。しかも、高校のときの担任の妹さんが看護師・助産師・保健師の資格を持っている方で。先生からもテストの成績だとか自分の性格をみて、看護短大を勧めてくれたのもありました。それに、高校ではブラスバンド部に入っていて、わりと女性の世界には慣れていたのも大きかったかもしれませんね。そこまで思い悩むことはなかったと思います。
白石:
なるほど。身近に男性看護師の存在があって、後押ししてくれる先生がいたんですね。
呼吸器ケアのスペシャリストへの道のり
白石:
Puniさんは呼吸器疾患看護認定看護師でもありますが、それはどのようなきっかけで取られたんですか。
Puni:
これも強い思いがあったわけではないんです。当時、いろんな病院や部署で経験を積んできていて、手術室や呼吸器病棟や救命救急センターなど、今までの看護師人生で“呼吸”に関する看護が一番身近にあったんですよね。自分も勉強していくうちに、だんだんと院内で「呼吸に関することだったらPuniさん」と言われるようになってきて、看護部長からもそう言われるようになって、自分でも「得意なのかな」と引っ張られるような感覚でした。
ただ、当時は慢性呼吸器疾患看護認定看護師(現在の呼吸器疾患看護認定看護師)はまだなくて、そうしたら集中ケアとか救急看護の認定になるんだけど、そっちは違うよなと思っていろいろ流れていったんですよね。一時期は整形外科病棟にいたこともあって、呼吸器ケアから少し離れていた時期もあったし。認定看護師の課程に進むのも院内選考に通らなければいけないし、ほぼ自費でハードが高いこともあってちょっと尻込みしていました。それからしばらく経ったあるとき、WOCの看護師と話しているなかで、「認定行けばいいじゃん、呼吸器分野もできたし、大丈夫大丈夫」って軽く言われたんです。それで「じゃあやってみるかな」となって、院内選考や試験もギリギリで滑り込んで、学校に通ったという経緯ですね。
白石:
ちなみに、呼吸器ケアの勉強の面白さってどんなところなんでしょうかね。
Puni:
なんでしょう。看護の世界って概論とかあるように抽象的なことが多くて教科書にある文章も長くて、そういうのを理解できない、苦手な人間だと思うんです、自分は。だけど、呼吸ってメカニズムがわかれば、流れがはっきりしているというか、そういうのが明確だからとっつきやすかったという気持ちはありますね。
白石:
呼吸器疾患看護認定看護師としては、実際にどのような活動をされているんですか。
Puni:
主に院内RST(呼吸ケアサポートチーム)ですね。積極的に活動ができているわけではありませんが、週に1回メンバーが集まって、NPPVやネーザルハイフロー、人工呼吸器の装着中・離脱する患者さんのラウンドや、他にも呼吸ケアで困ったことがあればその相談や対応をしています。コロナ禍ではコロナ病棟ができたので、感染症管理認定看護師と連携しながら矢面に立っていましたね。
看護の世界を少し離れ、新たな学びと気づき
白石:
Puniさんは今でこそ看護師33年と続けられていますけど、途中で大学や大学院に通った時期もあったんですよね。このときは看護師の仕事からは離れていたんでしょうか。
Puni:
ちょっとだけ闇バイトというか(笑)、美容外科の単発バイトとか訪問看護師も週1でやっていたかな。でも、一旦臨床からは離れていましたね。元々絵を描くことが好きでデザインや建築に興味があって、なんとなく「家を建ててみたい、設計してみたい」っていう軽い気持ちからだったんですよ。大学院では人間工学っていうバリアフリーやユニバーサルデザインなども含む福祉人間工学を専攻していました。
白石:
福祉人間工学、具体的にはどのようなことを研究、勉強されていたんですか。
Puni:
インシュリンのペン型注射器ってありますよね。自分がやっていたのは、あの自己注射時の操作性について、手の動きや身体の動かし方について研究していました。物をつくるという点において、それを使う人間がどういう風に使うのか、その人に合うとはどういうことなのか、使いやすさ、見やすさなどを追及していく学問といえばわかりやすいでしょうか。デザインといっても、意外に基礎医学に近い分野かもしれませんね。最近有名なところでいえば、腰に負担がかからない椅子の設計とか手が疲れにくいボールペンとか、そういうことを研究している分野です。
当時同じ研究室では、中国出身の看護師さんもいました。彼女は高齢者の転倒について、物をまたぐときに後ろ足がどういう風に引っかかって転ぶのか、そのまたぎ動作についての研究をしていました。また、別の研究室で博士課程にいた看護師さんは、入浴時のヒートショックについて浴槽の環境や熱環境、人間の循環動態について研究していましたね。
白石:
いろいろと面白そうな研究ばかりですね。そうした分野だと看護師以外にも作業療法士さんや理学療法士さんもいそうです。
Puni:
いましたね。総合大学だったので、作業療法の院生もいました。だから、看護師の仕事から離れてはいたけど、医療介護福祉の領域から完全に離れたわけではなかったんですよね。
白石:
そうした勉強をするなかで別の仕事、たとえばメーカーに就職しようとかそういう選択肢の広がりはなかったんですか。
Puni:
当時30代後半だったので、新しい業種に挑戦するのは難しいかなと思っていたんですよね。当時はそれよりも、教員になろうという気持ちのほうが強くあって。でも博士課程はなかなか厳しい……。大学教員も倍率が高いし空きがない状態で、自分が学んだことは趣味の範囲じゃないですけど、臨床のなかでできることをやっていこうかなと思うようになりました。
白石:
なるほど。教員としては2年働いて、その後に病院に戻ってくることになったわけですが、それはどういった考えの変化があったんでしょうか。
Puni:
正直に話すと、一番のきっかけは人間関係ですね。あとは、教員って臨床にいたときの知識や経験が活きる場所ではあるんですけど、その経験には賞味期限があるなと痛感するようになったからでしょうか。当時、とある教授が「私が臨床にいたときは」と自身の経験を熱心に語ることが多かったのですが、臨床経験も数年で20年以上前の古い話をしていたこともあって。「臨床ではこうだから」と説明している自分にもやもやしていたんです。
臨床を離れていても、文献などで最新の看護のエビデンスは収集できるけど、臨床ではエビデンスに基づいてすべて行われているとは限らないわけですよね。良くも悪くも。それが病院の体制や環境によるものであったり、看護師の人手不足や個人のスキルの問題であったりさまざまですが……。そういう意味では教育現場で臨床経験を語るには賞味期限があり、それは数年だと自分のなかで考えるようになって、週に1回でも月に数回でも臨床にいることが大事だと。それで、自分は結局戻ることにしましたね。
看護を足場に広がるさまざまな可能性
白石:
それでは、本題の質問カードをこちらから選んでください。
Puni:
じゃあ思いつきで、右から2番目で。
白石:
「看護師を続ける理由」ですね。Puniさんは30年以上続けていますもんね。
Puni:
そうなんですよ。今年で34年目か、やばい(笑)。
白石:
そうしたら私の倍ですね、今私が16、17年目とかになるので。もう想像できない域に達している(笑)。
Puni:
本当に、同級生の子たちが入職してくるとかありますからね。「え?○○さん(同級生)、お母さんなの!?」ってことがたまにある。看護師を続ける理由かぁ……簡単なようで難しい。でも答えとしては、食べていくためですよね。なんやかんや好きでやっているという感覚よりも、結局食べていくためになにを選択するか、どの仕事を選択するかという感覚が強いです。それが看護で看護師の仕事だった、看護師の資格や経験を活かしていくことが自分にとっては一番いい選択肢だったってわけですね。
これが30代くらいのときだったら、ちょっと考えは変わっているかもしれない。現に、自分が大学や大学院に行ったころがそうですよね。でも、今はまったく別の世界に行くよりは、ある程度ここまで来ちゃったんだからって気持ちです。あとは昔から男性看護師で管理職の人が身近にいたので、なんとなく自分もこうなるって将来を想像できたのも大きいかもしれないですね。
白石:
看護師の資格や経験を活かしてって、若手の看護師さんや私くらいの年齢の看護師さんが思う話と、Puniさんが思う話はちょっと見ている景色が違うんじゃないかなって思うんですけど。30年の年齢と経験を重ねていくごとにその看護師の資格や経験の恩恵ってどんなことが増えていくイメージなんでしょうか。
Puni:
なんだろう。若い看護師さんだと、看護師の資格を持ちながら、別の仕事をメインでやったり、看護師という付加価値をもとに別の活動をやったりしていることが多いように感じますね。たとえば、看護師で旅行とか車が趣味で、YouTubeやSNSで発信していたらかなり注目されるとかそういうことがありますよね。
だけど、自分みたいに長いこと続けていることの恩恵というと、たぶん横のつながりだと思いますね。それは、別の病院や施設に転職をしたいというときに、知人が紹介してくれるとかはけっこうあるし、大学院で研究もしていたので、臨床研究者みたいなこともできるし。企業やメーカーさんと看護用具の開発に関するアイデア出しとかもやっていますし、看護を足場にして横にいろいろと選択肢が増えたっていう実感はありますね。自分がそういったアンテナを張っているということもありますけど。まあ、あとは同じところで続けていたら退職金とかその辺の恩恵もあるだろうし……。
白石:
看護を足場に、いいですね。そういえば、この企画で看護師のキャリアの話をいろいろ聞いていますけど、退職金の話が出たのはじめてかもしれないです(笑)。
Puni:
いやぁ、大事ですからね。特に40代後半や50代に入るとね、老後のことも考えて。
相談スキルの重要性と、困難を乗り越える方法
白石:
最後の質問にいきたいと思います。「あなたが後輩の看護師に伝えたいことはなんですか」です。
Puni:
仕事がしんどくなって、苦しくなってやばいとなったときに、対処法はいろいろとあると思うんですよ、今の若い人たち。パワハラとかも労働環境に関していえば極端な話、労基や組合に相談したり、いろんな相談ルートがあるし、他に異動したり転職することもできるわけで。看護師の仕事が合わないかもとなったときに、その人自身の特性とか性格的なものもあるかもしれないけど、その職場が合わなかっただけということももちろんあるから。そういうときに直属の上司だけじゃなくて、いろんなところに話ができるような機会があればいいと思いますよね。
その職場が合わないだけなのに、看護師を辞めちゃうのは損だし、別の病院に転職するよりも異動して再チャレンジするという方法もあると後輩には伝えていますね。だって長く務めたらそれだけ退職金が高くなりますから(笑)。あと1年で辞めるよりも、同じ施設で異動していてもそこで2、3年働いたって、大きいと思います。若い看護師さんにひとこと言うのであれば、やばいと思ったら、必ずいろいろ逃げ口があるはずだから、まずはそこを探そうって言いたいですね。
白石:
33年看護師を続けているPuniさんの説得力がすごいですね。
Puni:
でもこれ、本当にしんどいときに言うと追い詰めてしまう可能性もあるので、あまり事が深刻ではないときに、平常時によく後輩たちに話しています。本当に辞めたいというときは、もう特になにかアドバイスはしないで、ゆっくりと話を聴くのみ、傾聴ですね。「こうするといいよ」「こうしたらいいんじゃない」っていうのを相手は求めていないので。とにかく聴く。それで、自分が聴いたことを返してあげる、相手が私の話を聴いてくれたと実感してくれるように。これは認定看護師の教育課程で学んだテクニックですね。
うん、だから相談スキルってやっぱり大事で、相談スキルを磨いてほしいと思います。誰にこのことを相談したらいいのかってまず考えること、たとえばなんでもかんでも上司に相談じゃなくてもいいと思うんですよね。仕事がしんどいということを、自分が出た学校の一番優しそうな先生とか、別の病棟の同期とか、そういう人を何人か思い出して、考えておくことですね。
白石:
若い看護師さんって、相談ごとがわりとトラウマになっている人もいるんじゃないかと思うんですよね。先輩に仕事のことで相談したら「なんでこんなこと聞いてくるの」「自分で考えて」とぴしゃりと言われたとか。相談しようという気持ちはあっても、こんなことで相談しちゃいけないという状況が積み重なって結局自分だけで抱えちゃうみたいな。そこも看護師特有な感じはありますね。
Puni:
そうですよね。しかも最近の学生さん、若手の看護師さんはコロナ禍で実習ができなかったとか、集合研修の機会が少なくて、コミュニケーションスキルが未発達な状況かもしれません。そういう状況を踏まえて自分の病院では新人を含めて若手看護師への教育を充実させています。教育する先輩たちにも、こういう風に声かけしましょうと対応の仕方は変わってきているとは思うんですけど、それもすべての病院じゃないでしょうからね。あまりこちらからあれこれやりすぎると、相手が引いてしまうということもわかっているので、どうやって距離をはかるかというのは、先輩看護師としても課題ではあります。
白石:
コロナ禍前は、コミュニケーションや距離感をはかるところを職場の飲み会とかで補っていたかもしれませんよね。いつもはちょっと怖い先輩だけど、飲み会では話しやすくてちょっと打ち解けられたとか、そういうことがあったなぁと思いました。
Puni:
そうそう。でも今はそういう機会も減っているし、まずは挨拶をきちんとするとか、そういう小さなことでいいのかもしれません。「おはようございます」「ありがとうございます」「お疲れさまでした」って繰り返していく。そうすることで、相手の反応が少しずつわかってくるし、相手もきちんと挨拶できる子をそこまで邪険にはしないと思うので。
白石:
たしかに、そうですね。今日のインタビューの前半では臨床経験には賞味期限があるっていう話が個人的にはすごくぐっと来て。現役で長く続けられているPuniさんだからこその話の重みを感じました。ありがとうございました!
Puni:
そうか、自分でもそう言われて気づきました。ありがとうございました!
インタビュアー・白石弓夏さんの著書
私もエールをもらった10人のストーリー
今悩んでいるあなたが元気になりますように
デジタルアートや3Dプリンタを看護に活用したり、看護をとおして一生の出会いをつかみ取ったり、在宅のほうが担い手が少ないから訪問看護に従事したり、苦しかった1年目のときの自分を手助けできるようにズルカンを刊行したり、医療と企業の橋渡しをするためにスタートアップに就職したり、悩みながらも新生児集中ケア認定看護師の道をまっすぐ進んだり、ロリータファッションモデルとして第一線で活躍しながら看護師を続けたり、目的に応じて疫学研究者・保健師・看護師のカードをきったり、社会人になってから「あっ、精神科の看護師になろう」と思い立ったり……。
さまざまな形・場所で働く看護師に「看護観」についてインタビューしようと思ったら、もっと大事なことを話してくれた。看護への向き合い方は十人十色。これだけの仲間がいるんだから、きっと未来は良くなる。「このままでいいのかな?」と悩んだときこそ、本書を開いてほしい。
目次
◆1章 クリエイティブな選択肢を持つこと 吉岡純希
◆2章 大きな出会いをつかみ取ること 小浜さつき
◆3章 現実的な選択肢をいくつも持つこと 落合実
◆4章 普通の看護師であること 中山有香里
◆5章 ものごとの本質をとらえる努力をすること 中村実穂
◆6章 この道でいくと決めること 小堤恵梨
◆7章 好きなことも続けていくこと 青木美沙子
◆8章 フラットに看護をとらえること 岡田悠偉人
◆9章 自分自身を、人生や仕事を見つめ直すこと 芝山友実
◆10章 すこしでも前を向くきっかけを作ること 白石弓夏
発行:2020年12月
サイズ:A5判 192頁
価格:1,980円(税込)
ISBN:978-4-8404-7271-5
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