ここには12枚の『問い』が書かれたカードがあります。
ゲストが、それぞれ選んだカードに書かれた『問い』について、インタビューを通じてゆっくり考えていきます。
カードには何が書かれているか、ゲストにはわかりません。

ここでの『問い』とは、唯一の正しい答えがあるものではなく、思考を深め、さらなる問いを生んだり、生涯にわたって何度も問い直したりするような本質的なもの。
そして、ゲストの考えや価値観、人柄に触れるようなものが含まれています。
簡単に答えは出なくても、こうした考える時間自体に意味があるのかもしれません。
いま、少しだけ立ち止まって、あなたも自分や周りの人に問いかけ、想いを馳せてみませんか。



ゲスト:ありさ
看護師8年目。看護学校卒業後は、100床規模の病院で3年間勤務。最初は療養病棟で気管切開・人工呼吸器装着患者をメインに担当し、その後急性期病棟へ異動。御礼奉公を終えた後、3次救急を持つ600~700床規模の総合病院へ転職。現在は呼吸器内科と腫瘍内科の病棟で勤務しながら、クリニックでもアルバイトをしている。

インタビュアー:白石弓夏
小児科4年、整形外科・泌尿器科・内科系の混合病棟3年、その後、派遣で1年ほどクリニックや施設、ツアーナース、保育園などさまざまなフィールドで勤務。現在は整形外科病棟で非常勤をしながらライターとして活動して5年以上経つ。最近の楽しみは、仕事終わりのお酒と推しとまんが、それと美味しいごはんを食べること。

療養病棟から急性期病棟への兼任で学んだこと

白石:
ありさちゃん、ご無沙汰です!たしかありさちゃんが看護師1~2年目のころに、看護師のイベントで出会ったのがきっかけで……気づいたら何度もプリセプターをやるようになっていて時の流れにびっくりしました(笑)。まずは、これまで看護師としてどんなところで働いていたのか教えてもらえますか。

ありさ:
本当ですね、あっという間に看護師8年目になってしまいました(笑)。卒業して最初に入った病院は、専門学校のグループ病院で、御礼奉公という形で3年間働くことになりました。100床ぐらいの小さな病院で、おもに呼吸器疾患、ときどき消化器と整形外科が入っているような療養病棟でした。気管切開があって、人工呼吸器をつけている患者さんがメインの病棟にいて、1年目の2~3月ごろから「急性期も学ぼう」ということで、急性期病棟とも兼任をすることになりました。日勤が急性期病棟、夜勤が療養病棟という形で働いていました。

白石:
なかなかイレギュラーな働き方をしていたんですね。これって病院の制度としてそういうのがあったんですか。ありさちゃんの希望?

ありさ:
病院の方針というか、所属長の方針ですね。1年目から療養病棟に入った看護師がそもそも私以外いなくて。急性期病棟の希望者が私も含めて多かったんです。私も今後看護師として働くうえで、きっと一度は急性期に行くだろうと思って希望はしていたんですけど、通らなかったというか。

でも私の場合は療養病棟も経験したかったから、一旦先に療養病棟でゆっくり学ぶのも自分には合っているかなと思っての配属だったのかな。療養病棟は基本的に入院が来ないんです。急性期の病棟に入った気管切開がある人、人工呼吸器をつけている人が、病床の空き待ちをしていて、そこから移動になってくる形だったから入院も取れないという状況でした。

そこで1年目、ある程度の技術も一通りできるようになった2~3月ごろから「急性期もちょっと慣らしてこうよ」ということになりました。一気に異動するとおそらくメンタル的にもつらくなるし、体力的にもきつくなるので、まずは日勤だけ急性期で学んで、合間にメンタルケア目的で元々の病棟に夜勤に行って、仲の良い先輩たちに話を聞いてもらいながら、「こうしたほうがいいね」というアドバイスも受けながら進めていきました。2~5月と3~4カ月くらいは兼任をして、急性期病棟にも新人さんが入ってきて病棟に慣れたくらいの5~6月ごろからはもう完全に急性期病棟に異動して、そこからずっと急性期の領域ですね。

白石:
1年看護師で働いていたら、もう受け持ち持てるでしょみたいなこと言われて、バンバン即戦力として入っていくのかなと思ったけど……かなり手厚い感じだったんですね。

ありさ:
そうですね。いきなり受け持ちがついて入院を取ってということはなく、最初は外回りや洗髪、トイレ介助とかいろいろなケアをやらせてもらって、療養病棟ではできなかった処置やケアを中心に、まず技術を自立させることから始まっていました。1年目の末だったので、2~3月の段階で、先輩についていって「これを学んで」みたいな感じでやって、4月から新人さんが来たらある程度動けるようにしたいという目的だったんですね。だから手厚かったんだと思います。

怖がってなにもしないよりは、話してみて間違えてもいい

白石:
急性期病棟に日勤で入るようになって、最初に衝撃的だったこととか、全然慣れないギャップみたいなものはありました?

ありさ:
以前いた病棟では寝たきりで気管切開があって、人工呼吸器をつけている患者さんが多かったので、最初は移動介助とかコール対応、患者さんやその家族とのかかわりが、本当に難しかったです。以前いたところはずっと長く入院している方々だったので、その病棟の看護師さんとの信頼関係もできていたうえで私が入っていく形だったので、私にとってもゼロからのスタートではなかったんです。でも急性期は突然入院で入ってきて、なにもわからない患者さんと家族とゼロから対話をしていくんだって。

まず患者さんが話せるので、その気持ちを汲み取って、どうやって会話していこうとか、看護をどう提供していったらいいのかというところが、少し難しかったですね。技術面では療養病棟でやっていたこともあったし、最初慣れないのは一部の新しい処置やケアくらいだったので、実習である程度は経験していました。でも家族とのかかわり方が本当になにもわからない、それぞれの背景がある方々にかかわっていくのが、全員が同じではないので、そこが難しかったように思います。5~6年前のことなので記憶が曖昧ですが(笑)。

白石:
患者さんや家族とのコミュニケーションの取り方の難しさって、自分なりにどういうふうに先輩に相談したとか、克服したきっかけってなんかあるんですか。

ありさ:
ちょうど悩むタイミングくらいで、前の病棟の夜勤に入るんです。1週間に1回くらいは夜勤が入るから、前の病棟の先輩は、もう10年目以上の先輩たちばかりなので、そこで話して「こうしたらいいんじゃない、ああしたらいいんじゃない」と話を聞きつつ、また日勤でひたすら患者さんや家族に話しかけていました。たぶん、怖がってなにもしないよりは、話してみて間違えてもいいと思いながら、「当たって砕けろ」じゃないですけど。

病院では1年目は新人マークが名札のところについているんですよ。だから、私自身も患者さんも、「まだそんなにうまくできなくても」という気持ちがあったかもしれないです。それもあってか、大きな失敗はあまりなかったですけど、「さっき別の看護師さんにも話したよ(私は知らなかったこと)、また聞くの?」と言われることもありながら、徐々に慣らしていきました。

白石:
なるほど。間違ってもいいと思える環境があったんですね。

「呼吸器の知識をさらに強めてこうかな」3次救急病院へ飛び込んだ理由

白石:
それでプリセプターとかもやって、そこから今の3次救急の病院に行ったんですね。小さい病院から2次を飛び越えて、3次救急行ったってことですよね。この転職、なかなか勇気いるなと思ったんですけど、当時はどんなこと考えていたんですか。

ありさ:
そもそも3年目で一度最初の病院は辞めようと思っていたんです。そんなときに救急救命士である父の知り合いが今勤めている病院のERの管理職だった人で、父も搬送先としてよく病院に行っていたのもあって。父が「うちの娘もそろそろ」と話をしたらしくて、その紹介で「入らない?」って。「呼吸器内科もコロナ病棟もあるし、看護師も募集しているから」と声をかけてもらいました。最初はコロナ病棟に入る予定だったんですけど、病院のシステムでカルテとかも変わるから、まずはそこに慣れてほしいということで、入職して数カ月は一般病棟にいて、そこから異動して、コロナが落ち着くまでコロナ病棟にいました。

自分から3次救急の病院に行きたいって思っていたわけじゃなくて、どうしようかなって悩んでいるときにそういう声がけをいただいて、「じゃあ3年である程度知識がついて、呼吸器も強いところだったから、呼吸器の知識をさらに強めてこうかな」と思って。それで思い切って飛び込んでみました。3次に行くのはちょっと飛んでいるとは思いましたが、一度大きなところを経験して、今後また小さなところに行くときにも、経験としてはいいのかなと考えましたね。

白石:
面白い理由ですね。そのきっかけがお父さんのつながりから来ているんですね。お父さんとは普段から仲良しなんですか。

ありさ:
仲いいです。家族は5人なんですけど、誕生日の近い時期に家族で集まってケーキを囲んで写真を撮ったり、家族旅行も年に1回行ったりして仲良くしています。父とも医療ドラマの話で盛り上がることもあるし、兄も作業療法士なので、仕事の話もよくします。たとえば「この移乗の仕方が難しいんだけど、リハビリの視点からみてどう?」とか聞いたりします。

白石:
羨ましいですね、家族の誰かに仕事の相談ができるって。最初の病院から今の病院に移るときって、病院のシステムとか働き方など、いろいろ慣れるのが大変だったのではないかと思うんですけど、具体的にどんなことがありました?

ありさ:
まず最大の違いは紙カルテから電子カルテに変わったことです。今までのやり方がまったく通用しなくなって、なにをどうしたらいいかわからない状態でした。でも良かった点として、先生のふにゃふにゃした字を読まなくて済むようになったのは助かりました(笑)。

それから病院の規模や業務の流れもかなり違いました。前の病院では受け持つ患者さんが10人以上と多かったのに対して、今の病院では半分程度に減りました。でも入院期間が短縮され、早いケースだと2泊3日、平均で1週間、長くても1カ月という状況です。患者さんの回転が速いので、かかわりが追いつかないと感じることもあって、慣れるまでは大変でしたね。

疾患と機械と今までの知識がつながった瞬間

白石:
ところで、何度か「呼吸器を学べるからいいな」みたいな話が出ていましたが、看護師になりたいと思ったきっかけとか、学生のころから呼吸器に興味関心が強かったとか、そういうことはあったんですか。

ありさ:
いやぁ、全然。学生のときはずっと褥瘡の患者さんとかを実習で受け持ったりしていました。呼吸器についてはとくに意識していなかったですね。ただ、4月に入職してみたら、病床20床ほどのうち9割が人工呼吸器をつけている状況で。もうずっと呼吸器と一緒に過ごす日々で、自然と呼吸器を好きになってしまったんです。

白石:
好きになってしまったきっかけ、なんかあるんですかね。勉強せざるを得ない環境だったのはわかるんですけど、好きになるまでにはいろいろステップがあるんじゃないかなと思うんですけど。

ありさ:
なんだろう……いろいろ勉強していって疾患も学んでいくなかで、ある瞬間に全部が「つながった」と感じたんです。たとえばALSの患者さんで、呼吸器を使っていて文字板も使う方がいたんですけど、その患者さんのケアも含めて、それまでバラバラだった「疾患の知識」と「機械の操作技術」と「患者さんへのケア」がひとつになった瞬間があって。

最初は「この人に対してなにかしたい」と思って勉強して、実際にケアをするなかで「これって昨日学んだことがこういう風に使えるんだ」と思いながら実践していました。そして数日後に患者さんや家族から「あのときはありがとう」と言われたとき、すべてがつながったように感じたんです。そういう経験を通じて、「やってよかった」「楽しい」と思えるようになりました。

今の病院では、呼吸器を装着する前から装着後、そして外すところまで一連のプロセスをみることができるので、それも大きいですね。呼吸器をつけることで話せなくなる患者さんを取り巻く環境にどうかかわっていくかという難しさもありますが、だからこそやりがいがあります。

病棟は好きだから、病棟にはいます

白石:
ありさちゃんは今30歳手前くらいですよね。3~4年目のキャリア迷子の時期を過ぎても、また新たな悩みが出てくる時期かなと思うんですけど。今バイトでクリニックもやっていて、めっちゃタフだなぁと思いながら、今後のキャリアについてはどう考えていますか。

ありさ:
今のところで5年目になったので、次のステップは視野に入れつつあります。ただ、すぐにクリニックとか施設に行くというよりは、今よりもちょっと規模を小さくして2次救急の病院も経験してみたいと思っています。でも病棟は好きなので、病棟にはいると思います。

クリニックでのバイトは、今働いている病院の呼吸器内科の先生がクリニックを立ち上げる際に、「人手が足りない」と声をかけてもらったのがきっかけです。休みの日にたまに入っています。そこから私たちの病院に紹介で患者さんが入院することもあるので、クリニックの外来と入院、そして退院後というつながりをみられるのは面白いと感じています。今まで病院だけだと紹介されて検査して帰すだけで、その後どうなったかわからなかったので。

白石:
一連の流れがみられるんですね。結局病棟がいいんですね。病棟のどんなところが好きなんですか。

ありさ:
たぶん私、暇なところとかダメなんだと思います(笑)。ずっと動いている感じが好きで、休みの日も出かけたりなにかしたりしていて、だらだら過ごすのが苦手なんです。クリニックも今バイトしているからこそできていて、毎日だったら途中で飽きてしまうと思います。ちょっと忙しいくらいがちょうどいいんですよね。

それから、急性期に移ってから患者さんや家族と話す機会が増えたのも大きいです。話すのも好きなので、クリニックよりも病棟で患者さんと家族とかかわり、介入していくほうが楽しいと感じています。クリニックだと先生が主に会話して、私はその補足や吸入指導くらいしかなくて。病棟のほうが患者さんや家族とのかかわりが深くなるので、そこにやりがいを感じます。

白石:
患者さんや家族とのかかわりとなると、もしかして施設や訪問看護も選択肢としてはあると思うんですけど、そういうのはあまり考えていないんですか。

ありさ:
一度お手伝いで施設にも行ったことがあるんですけど、施設はメインが介護士さんになるので、看護師としてかかわる場面があまり多くなかったんです。薬を渡すとか処置するタイミングくらいで。やっぱり病院のほうが看護師としての仕事がしっかりあるので、それも病院がいいと思う理由のひとつですね。

ボールがつながる瞬間を観るのが楽しくて

白石:
それでは質問のカードを用意したので、何番目かを選んでください。

ありさ:
右から4番目。

白石:
「なにをしているときに楽しさを感じますか」ですね。

ありさ:
なんだろう……最近はバレーボールを観に行くのが趣味で。観戦して友だちとあれこれしゃべっているときが一番楽しかもしれないですね。

白石:
へぇ、いいですね!バレーボールは経験者なんですか?

ありさ:
いや、全然違うんですけど(笑)。きっかけは漫画『ハイキュー!!』なんです。漫画を読んでアニメも観て、実際に試合も観てみたいと思ったんです。ちょうどオリンピックの予選とかやっていて、好きなアーティストがそのオリンピック大会のテーマソングを歌っていたこともあって「じゃあ観に行ってみよう」と思ったのがきっかけでした。

白石:
バレーボールのどんなところに魅力を感じるんですか。

ありさ:
勝負自体も面白いですけど、私がとくに好きなのはリベロです。リベロは直接点を取るポジションではないけど、ボールがつながる瞬間を観るのが楽しくて。ボールをつないで、つないで、最後に点になるまでの流れが素晴らしいんです。これって呼吸器の学びと似ているかもしれません。知識がつながって、技術がつながって、患者さんのケアにつながるという感覚に近いものを感じます。名古屋のチームが好きで、特に市川健太選手を応援しています。夜勤明けでも名古屋まで観戦に行っちゃうくらい(笑)。

白石:
すごいバイタリティですね。私もポジションでいうとリベロが好きなんですけど、自分は主役として目立つわけではないけど、縁の下の力持ち的な感じとか、看護師の役割とか立ち位置みたいなところと通じるんですかね。ちなみに『ハイキュー!!』だと誰が好きなんですか。

ありさ:
音駒の夜久さんです(笑)。主人公のチームではなく、ライバルチームのリベロなんですよ。バレーボールの試合を観るときは写真も撮ります。仕事の疲れやメンタル的に疲れていても、バレーボールを観に行って、仕事仲間ではない友達と話して、違う視点からの話を聞くことでリフレッシュできるんです。そうして元気をもらって、また仕事に戻れる感じです。

今はつらくても、追々違う場面でつながっていくことがある

白石:
最後に、みなさんに共通して聞いている質問があります。「後輩の看護師に伝えたいことはなんですか?」です。読者は20代・30代の看護師さんや学生さんが多いので、そういう方々へのメッセージをお願いします。

ありさ:
自分の実体験も含めると、今はつらくても、追々違う場面でつながっていくことがあります。私は療養病棟と急性期病棟の兼任時代が一番つらくて、同期にも兼任している人がいなくて、兼任していた先輩もおらず、誰に相談していいかもわからない状況でした。元々いた療養病棟の先輩に聞いても「大変だよね」と共感してくれるけど「いいアドバイスができなくてごめんね」と毎回言われるような状況で、辞めたいと思っていた時期もありました。でも、その前に呼吸器の楽しさを知っていたから、挫折して辞める選択をしなくて良かったなと今は思えます。

その場だけであきらめずに、休むとか、そういう選択肢も大事だと思うけど、辞めてしまわないでほしいです。きっかけひとつで辞めてしまうのはもったいないと思っています。自分の病棟の後輩たちにも言っているんですが、一度間違えたところでなにも変わらないから、その間違えたところをきっかけにして、自分がそこからなにができるかを考えていったら、また新しく学びにもなるし、自分が楽しいと思えることができるようになっていくから。あきらめないで、ちょっと休んでもいいし、遠回りしてもいいから、その道を進んでいってほしいというのは伝えています。

遠回りもひとつの正解だよって伝えてあげたいですね。看護師だけじゃないし、ジャンルとしても病院、施設、訪問看護などいろいろあるから。私は病棟が好きだけど、クリニックのほうが合っている人もいるでしょうし。だったら、クリニックに行くのも間違いじゃありません。ひとつの挫折するきっかけがあったとしても、一度休んで、遠回りをして、また戻ってこられたらいいなと思っています。

白石:
1年目や2年目くらいのときって、ひとつ間違えちゃったとか、なにか失敗しちゃったとか、うまくいかないことが少しでもあったとすると、それが自分のなかで100%占めちゃうみたいなことが全然あるんじゃないかなと思うんですけど。ありさちゃんは、どうやって乗り越えられましたか。

ありさ:
とにかく抱え込まないのが一番です。同期にも話をして、わかってもらえないかもしれないけど、とにかく話をして、「自分はこうなんだよ」って、とにかく聞いてもらいました。先輩とかも、他の人たち、かかわりのない、仕事仲間じゃない人たちでも、「自分が今こんな気持ちでこう思ってる、ただちょっと話だけでも聞いてほしいんだ」っていうのを聞いてもらって。

相談しない、自分だけで抱え込んでしまうことがたぶん辞めてしまおう思うきっかけとして最も大きいと思うんです。誰か1人でも話ができる人がいるなら、全然話してもいいと思います。職場が違う人でもいいし、それこそ私のバレーボールの友だちみたいな感じで。

白石:
たしかに、私とありさちゃんが出会ったのもそのタイミングですね。でも、人に相談するのがあまり得意ではない人っていると思うんですよね。

ありさ:
私自身も相談は苦手でした。だから「ただただ聞いてほしいんだ」と言って、思いっきり話して「ごめん、これだけ。じゃあご飯食べに行こう」みたいな感じで切り替えたり。アドバイスがほしいわけじゃなくて、ただ聞いてほしいと伝えれば、相手にとっても「ただ聞くだけでいいんだ」とハードルが下がるかもしれません。その他の工夫としては、LINEで1人だけのグループを作って、思ったことや先輩の悪口(笑)でもなんでも、思っていることをそこに書き出して、吐き出して消すということもしていました。抱え込むとパンクするので、吐き出すこと。自分の感情をどこかに出すことが大切だと思います。

白石:
なるほど。ありがとうございます。なんだか今日は親戚のおばちゃんのような気持ちで話し込んでしまいました(笑)。いろんな経験を積んで成長してきたんですね。これからも頑張ってください!

インタビュアー・白石弓夏さんの著書



Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~

Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~
私もエールをもらった10人のストーリー


今悩んでいるあなたが元気になりますように
デジタルアートや3Dプリンタを看護に活用したり、看護をとおして一生の出会いをつかみ取ったり、在宅のほうが担い手が少ないから訪問看護に従事したり、苦しかった1年目のときの自分を手助けできるようにズルカンを刊行したり、医療と企業の橋渡しをするためにスタートアップに就職したり、悩みながらも新生児集中ケア認定看護師の道をまっすぐ進んだり、ロリータファッションモデルとして第一線で活躍しながら看護師を続けたり、目的に応じて疫学研究者・保健師・看護師のカードをきったり、社会人になってから「あっ、精神科の看護師になろう」と思い立ったり……。 さまざまな形・場所で働く看護師に「看護観」についてインタビューしようと思ったら、もっと大事なことを話してくれた。看護への向き合い方は十人十色。これだけの仲間がいるんだから、きっと未来は良くなる。「このままでいいのかな?」と悩んだときこそ、本書を開いてほしい。

目次


◆1章 クリエイティブな選択肢を持つこと 吉岡純希
◆2章 大きな出会いをつかみ取ること 小浜さつき
◆3章 現実的な選択肢をいくつも持つこと 落合実
◆4章 普通の看護師であること 中山有香里
◆5章 ものごとの本質をとらえる努力をすること 中村実穂
◆6章 この道でいくと決めること 小堤恵梨
◆7章 好きなことも続けていくこと 青木美沙子
◆8章 フラットに看護をとらえること 岡田悠偉人
◆9章 自分自身を、人生や仕事を見つめ直すこと 芝山友実
◆10章 すこしでも前を向くきっかけを作ること 白石弓夏

発行:2020年12月
サイズ:A5判 192頁
価格:1,980円(税込)
ISBN:978-4-8404-7271-5
▼詳しくはこちらから