高橋慶行(たかはし・よしゆき)
株式会社ファイナンシャルインテリジェンス代表取締役
投資の学校プレミアム代表

宮城県仙台市出身、成蹊大学経済学部卒業。教師一家の長男。学生時代に広告代理業を創業し、アルバイトで稼ぐ以外の体験をすることで、将来は会社員ではない起業家・投資家などのライフスタイルで生きていく選択肢を考えるようになる。2008年に起業し、さまざまなビジネスに取り組む中で「いくら稼いでも利益に対して約2割の納税で済む投資」に関心を持ち、研究をする。その後、「学校では教わらないけれども、日本人にとって必要となる教養を啓蒙する社会貢献度の高いビジネス」の一環として、2013年に投資の学校事業を開始する。金融業界出身ではない立場から、一般の人々の立場に立った投資教育のスタイルが評判となり、累計15万人が学ぶ投資の学校に育ち、自らも投資で実績を出し、書籍やメディアなどを多数執筆する。



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馴染みがある株式セクター

株式にはセクターというものがあります。看護師のみなさんに馴染みのあるセクターは「ヘルスケア」ではないでしょうか。そして、世界で高齢社会が加速している今、ヘルスケア関連の銘柄はとても注目されています。日常的なお仕事と馴染みが深い分野だからこそ、“その企業の真の魅力や独自性、成長性”を感じ取ることができ、さらに、“この企業はもっと、世の中に知れわたり活躍するべきだ”という企業があれば、応援する意味でも株を買うという選択はできると思います。

注目するべき企業や特長

米国の医療市場、薬局市場などのヘルスケア市場は年々拡大しています。市場規模が拡大するということは、そこに属する企業の株価も全体的に伸びる傾向があるということです。とくに注目するべき企業や特徴を紹介しますので、お仕事に関する「病棟・領域別」で参考にしてみてください。なお、「ヘルスケア・米国株・オススメ」「ヘルスケア・日本株・オススメ」などで、注目のヘルスケア企業をリストアップして、企業を分析したり、チャートの形を見ながら、買うべき銘柄を絞る方法が一般的です。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)

まず「ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)」は、米国のヘルスケア関連企業の時価総額トップに君臨します。世界60カ国にグループ企業を持ち、ドラッグストアにもたくさんの商品が並びます。一般的には知られていませんが、医師向けの教育プログラムには、“遠隔手術指導プログラム”などもあります。2021年までに延べ14万人が受講しており、海外で豊富な執刀経験を持つ医師と大学病院の手術室をオンラインでつなぎ、遠隔指導を受けながら手術を行うといったプログラムも提供しています。

アッヴィ(ABBV)

バイオ医薬品企業で「アッヴィ(ABBV)」という会社も米国時価総額トップクラスです。腫瘍学、ウイルス学、ホルモン学、麻薬学などに基づいた独自製品を出していたり、潰瘍性大腸炎に対する治療薬『リサンキズマブ』なども2023年9月28日にプレスリリースしています。このような最新情報の価値を正しく受け取れるのは、医療業界に属する人ならではではないかと思います。

日本株のおススメ

日本企業においても、ヘルスケア市場は成長する見込みが高いです。経済産業省が推計しているデータでも、2013年16兆円、2020年26兆円、2030年37兆円と右肩上がりの市場成長が予想されています。

例えば、オリンパスの内視鏡は既製品にはない高度精密加工技術があると言われていて、世界一のシェアを獲得しています。独自の商品があり、市場に本当に必要とされている代替えが聞かないサービスを提供している企業には強みがあるので、長期的な視点に立つと安定的な株価上昇が期待できます。

ほかにも、武田薬品工業がアイルランドの製薬会社大手のシャイアーを買収するなどして、事業拡大を目指しました。買収額がとても大きく、一時は財務の悪化が懸念され、株価が落ち込みました。買収のための資金調達を外部からしたために、負債が膨れ上がり、健全な企業を示す指標の1つである「自己資本比率が30%台」になりました。現在はすでに40%以上に回復していて、株価も復活しています。

ヘルスケア業界の特徴

ヘルスケア業界に属する企業の多くは研究開発費を費やしています。新たな開発が成功したときや、新薬や治療技術が市場に流通することが確定したとき、独占ライセンスなどが認められたときに「大化けするお宝銘柄」も、このセクターの魅力の1つです。もちろん、研究開発に失敗する場合や、提供している治療技術や薬品に欠陥が見つかった場合には株価が急落するおそれもありますが、市場の成長性は間違いない部分ですので、リスク管理をしながら、余裕資金で投資をすることは有効な選択だと思います。




※本連載記事の内容は投資勧誘・売買の推奨を目的としたものではありません。銘柄の選択・投資の最終決定はご自身の判断でお願いいたします。
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※本記事に記載された情報は、2023年10月時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の数値、運用結果等を保証もしくは示唆するものではありません。

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