臨床でひと通りの経験を積んでこれからのキャリアプランについて考えている看護師のみなさんに向けて、これまで臨床11年の経験に加えて、YouTubeでの性教育の発信、企業研修講師などフリーランスとしてもさまざまな活動を展開されているマッキーさんの「ヒントになるお話」をお届けします。




こんにちは看護師マッキーです。

「私に合った職場はほかにあるんじゃないかな……」「認定看護師の資格を取ったほうがいいのかわからない」など、ふと迷うことはありませんか?

私はいまも含め現在進行形で「これはやったほうがいいのか? 自分に合っているのか?」と迷うことはありますが、あるコツを覚えてから悶々とする時間が減りました。今回は、自分に向いているか迷っているときにヒントになるお話をしていきます。

あなたが信頼している人の言葉はだいたい当たってる

私は看護師現役時代に転職を4回しました。転職先は病院、クリニック、訪問看護、看護師国家試験対策予備校などさまざまです。独立後はどの人と手を組むか、どの依頼を受けるかなど幾度となくキャリア選択をしてきました。

独立して間もないときは、来る仕事をすべて引き受けなければ!と思っていましたが、いまは断ることのほうが多いです。これは自慢ではなく、周りの信頼している人の言葉を信じた結果です。そのことについて深掘りしていきましょう。

自分のことは自分が一番知らない

まず大前提として、自分のことは自分がいちばんわかっていないものです。なので転職するときにもついつい視野が狭くなってしまいます。

服を買いに行ったときに、服を試着すると、ほとんどの方は鏡に映った自分の姿を見て主観的に判断します。脚が太い、お腹周りが気になる、二の腕が気になるなど、ごく小さな部分に焦点を当てています。しかし、その姿を客観的に見た友人はもっと視野を広げた状態で判断をします。それは、雰囲気やシルエットなどです。

これをキャリアに落としてみると、例えば、みなさんが認定看護師の資格を取るかどうか迷っているとします。試着と同様、いま現在の自分のことを中心に考えます。勉強する時間がない、職場に迷惑をかけるなど、ごく狭い部分で悩みます。

ところが、みなさんのことをよく知っている同僚や先輩はそれとは別のアドバイスをくれます。「昔、認定看護師になりたいって言ってたじゃん」「認定看護師は転職に有利だよ」といったように、忘れていたことや考えてもいない視点をプレゼントしてくれるのです。

キャリアに関して狭い視野だけで物事を判断するのは非常に危険です。4,000円のTシャツの買い物に失敗するのと、キャリア選択の失敗は失うものの量が違いすぎます。できる限り自分の選択を成功させるためにも、試着室で一人で悶々とすることは危険です。

相談する人を選ぶ

残念ながら、みなさんのキャリアについて必ずしも誰もが応援してくれるわけではありません。妬みや嫉みを間接的にぶつけられることあります。その言葉をそのまま受け止めてしまい、そこで自分には向いていないのではと、可能性の芽を摘み取ってしまうことは避けたいです。そうならないためにも相談する人を選びましょう。今回は相談する人を3つに分類してみましょう。

1つ目は、家族や親族です。良い癖も悪い癖もお見通しの人からは、気を付けたほうがいいコトを教えてもらえるでしょう。ちなみに私は以前、収入面だけで美容系クリニックへの転職を選ぼうとしましたが、家族から「ゴリゴリの営業は向いていないから絶対に続かない」と言われました。向いていないことをしっかりと教えてくれます。

2つ目は、3年以上の付き合いがある人です。比較的長い付き合いの人からは、これまでの実績やがんばりを教えてもらえるでしょう。看護研究や、急なシフト変更、リーダーなどさまざまなアクシデントに対応してきたあなたのことを知っており、そのことを踏まえてアドバイスをくれます。

3つ目は、1年未満の付き合いの人です。付き合いが浅いので、あなたの第一印象や雰囲気を教えてくれます。深い話や付き合いをしていない人から、「認定看護師さんぽいと思っていました」なんて言われたら嬉しくなりますよね。

このように、付き合ってきた年数によって得られる情報は変わります。1人の人から心無いことを言われたとしても、いろいろな方に相談することをおすすめします。

最近「すごいね」と言われたことは何か、書き出してみましょう

最後に、なかなか相談できる人がいない場合は次の方法を試してみてください。

それは、最近褒められたことを書き出すことです。悲しいことですが、看護師は仕事中に褒められることが少ないため、プライベートも含めて思い出してみてください。例えば、イラストが上手い、自分で調べてから質問をするなど、自分にとっては当たり前だと思っていることもキャリア選択の後押しになります

そして、よく言われる褒め言葉は自分の長所だと受け入れてください。これがさまざまな挑戦をするときの自信になります。

「主観的な判断」と「客観的な判断」と「誉め言葉」をかけ合わせて、自分に向いていそうかどうかを判断してください。きっと、これまでとは違った視点でキャリアを選択することができるでしょう。迷っているときこそ時間をとって相談したり自分自身のことを振り返ってみてください。




看護師マッキー

1985年生まれ、看護師。日本メンズヘルス医学会所属。約11年間看護師として勤務(小児科10年、泌尿器科6年)し、独立。看護師国家試験対策予備校や都内看護学校で教鞭をとる傍らYouTuber、性教育講師としても活動。自らが運営する「看護師マッキー【メンズヘルス専門チャンネル】」は登録者数10.2万人、5000万再生を超える(2024年1月現在)。主な著書として「メンズヘルスナースがこっそり教える教養としての射精」(ライフサイエンス出版)。産経新聞をはじめメディア多数出演。
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