第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプター①をメディカLIBRARYだけで特別配信します。

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講師:大内紗也子
京都大学医学部附属病院 看護部/がん看護専門看護師


★こんな方にオススメです!
○これから看護研究を取り組む方(やりなさいと言われ、テーマさえ思い浮かばない…)
○いま実際に取り組まれている方(どこがよくないか、どう直せばいいか教えてくれる人がいない…)
○今後指導する立場になる方(どのようの教えるべきか、整理し直したい…)

配信|CHAPTER 1:イントロダクション|看護研究とは


私はふだん看護部管理室に勤務し、おもに外来にいらっしゃるがん患者さんの意思決定支援や院内の看護師のがん看護教育に携わっています。今回はそんな臨床現場の看護師さんにとって「看護研究がよくわかる」と思っていただけるようにお話ししたいと思います。

では、まずみなさん、臨床現場で仕事をしているなかで疑問に感じることはあるでしょうか?

例えば、声を失う患者さんはどんな体験をしているんだろうといった実際の入院患者さんにかかわるなかで感じる疑問や、患者さんが亡くなったことに看護師はどうやって折り合いをつけていけばいいのだろうというところで自問自答していたり、困っている患者さんのための解決策に悩んだり、使っているアセスメントシートは本当に役に立っているのだろうかなど、身近で感じている疑問はないでしょうか。

研究プロセスがよくわかる!看護研究はじめの一歩①

そうした疑問を書き出していって、看護研究につなげていけたらと考えていますが、ここでこの講座の目標についてご紹介します。

看護研究にはいろいろなものがありますが、まず「看護研究とはどういったものなのか」ということがわかることを目指したいと思います。

そして次に、看護研究にはプロセスがあるので、そのプロセスをいっしょに理解して、この講座すべてが終わった後に、みなさんが「よし、それだったら研究してみよう!」という意欲が湧くところを目指してお話ししていきたいと思います。

研究プロセスがよくわかる!看護研究はじめの一歩②

では、「実際の臨床現場で看護研究をするというのはどういうことなのか」についてお話します。

まず、看護研究は、その看護研究を通じて研究的な視点を養い、実践能力を向上させるために行われる継続教育の一環として取り組むといわれています。

いま、みなさんがこの動画を観てくださっている動機はなんでしょうか?

もしかしたら3年目になったから看護研究に取り組まなければならない人もいるでしょう。また、働いているなかで「これってどういうことなんだろう?」と考えて看護研究したいと自主的に思っている方もいるかもしれませんが、看護研究を通して、みなさんが実践能力を上げるためというのも目的の一つです。

しかし一方では、臨床現場で働きながらの研究では課題も多くなかなか質が担保できず、研究結果がそのまま臨床現場に反映されていないといった指摘もあります。

研究プロセスがよくわかる!看護研究はじめの一歩③

そこで、看護研究において臨床看護師が抱える困難を見てみましょう。

【研究テーマの設定が難しい】
まず一つ目に「研究テーマの設定が難しい」ということがあり、以下の点が挙げられます。
①研究テーマとなる事象が探せない
②臨床問題の課題研究への転換ができない
③臨床課題の焦点化が困難

【文献検索・文献検討の方法が不十分】
研究テーマの設定が難しいという課題があるときは文献検索、文献検索をしていくわけですが、ここでもまたその方法がわからないという課題が出てきます。
①文献検索の方法がわからない
②適切な文献を選定することが難しい
③文献検討ができない

研究テーマ・課題を焦点化していくためには【研究テーマの設定】と【文献検索・文献検討】の間を行ったり来たりしながら探していくのですが、それが難しいという状態もあります。

【研究計画書の立案が難しい】
また仮にここまでのプロセスをクリアしたとしても、次に研究計画書を立案する際、ここでも課題は出てきます。
①研究計画書作成につまづく
②研究方法の選択に迷う
③倫理的配慮の不足
④データ分析方法がイメージできない

【研究結果のまとめ方が難しい】
そして、いざデータを収集して研究を実施した後でも課題があります。
①データ分析につまづく
②研究結果の表現方法の乏しさ

研究プロセスがよくわかる!看護研究はじめの一歩④

こうした4つの段階すべては「研究のプロセス」ですが、これまでに研究のプロセスを学んでいないので研究のプロセスが踏めない、研究のプロセスすべてに指導が必要なのですが、そうした指導が臨床現場で受けられないといった困難もあります。

そのため、私がみなさんにお伝えしたいのは、研究を指導してもらえたり、相談できる存在が必要で、それは師長や副師長かもしれませんし、日ごろからよく研究をしている医師であったりするかもしれません。そうした身近にいる人をうまく活用しながら研究を続けていってもらえたらと考えています。

そこで、次に「看護研究とは何か?」ということをお話していきたいと思いますが、続きはぜひ動画でご覧ください。

研究プロセスがよくわかる!看護研究はじめの一歩⑤



プログラム


■CHAPTER 1:イントロダクション(12min)
・看護研究とは
■CHAPTER 2:看護研究のプロセス①(19min)
・研究したい疑問をもち、煮詰める
Q1)文献はどれくらいの数を読めばよいですか?
■CHAPTER 3:看護研究のプロセス②(10min)
・何を見つけたいのかを焦点化する
・どんな視点で研究するかを定める
・発見・発明したいものにどのようにアプローチするかを探す
Q2)「研究の筋を通す」とはどういうことですか? もう少し具体的に教えてください
■CHAPTER 4:看護研究のプロセス③(22min)
・どのような対象者からどんなデータをどのように収集するか方法を決める
Q3)倫理審査はどのように受けたらいいですか?
Q4)審査後の結果に対してどのように対応したらいいですか?
■CHAPTER 5:看護研究のプロセス④(17min)
・選択した対象者から実際にデータ収集し、分析する
・データを解釈し、考察を加える
Q5)研究にかかる実際の期間やどのようなスパンで研究を進めていくのがいいですか?
Q6)アンケート収集時にデータ欠損があった際に、どのように対処すればよいか?
■CHAPTER 6:看護研究のプロセス⑤(5min)
・論文にする
・目指すべき看護研究のゴールは?


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