第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。
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講師
國島美穂
昭和大学江東豊洲病院NICU係長、新生児集中ケア認定看護師
豊島万希子
神奈川県立こども医療センターNICU病棟主任、新生児集中ケア認定看護師
<セミナーはこんな内容>
■新人教育で「こんな時、どうすればいい?」と悩むポイントを解決するヒントがここに!
■来年度からの新人教育・育成で活用できる内容です。
■「新人の受け持ち体制は?」「メンタル面のサポートって?」「NICUラダーやチェックリストは、どう活用しているの?」など、臨床現場で遭遇する新人看護師教育でのお悩みや、「ほかの施設ではどうしているの?」と気になることがたくさんあるのではないでしょうか?
■本セミナーでは、昭和大学江東豊洲病院NICUでの新人教育の実際について、工夫していることやNICUラダー(チェックリスト)活用の実際、新人サポート体制のポイントなどについて講演いたします。
配信|CHAPTER 5:ラダーを自施設で活用するために
ここからは昭和大学のクリニカルラダーについてお話しします。
昭和大学は院内のクリニカルラダーがしっかりしています。いくつもの病院がありますが、そのすべてでまったく同じラダーをつけているため部署異動や転勤などがあってもそのラダーをそのまま持っていけます。部署異動のときにはラダーを1段階下げるなど細かい調整はありますが、つけるラダーはすべて一緒です。
ここでお気づきかもしれませんが、日本看護協会のラダー、日本新生児看護学会のラダー、病院のラダーと3つのラダーが存在してしまうことになるんですね。みなさんも何をどうしたらいいのかわからないということもあると思います。基本的には病院のラダーをつけるのですが、これをどうにかNICUの実践に則したものにして実践能力を上げていきたいというのが私の切なる思いでした。
次のスライドは日本看護協会の看護師のクリニカルラダーですが、「看護の核となる実践能力」は「ケアの受け手のニーズに応じた看護を臨地で実践する能力」と書かれています。どうにか自施設のラダーと融合させらないかなと悩んだ末に、ちょっとひらめきました。
各レベルの到達目標を明確にして、これを取ったらラダーⅠになれるというのではなくて、ラダーⅠになってください、そのためには何か必要ですか? というように反対側から考えていくことにしました。
そしてこれをどう具体的にしていくかということで、NICUのラダーを院内のラダー別のOJT計画のなかに織り込んでいけばよいのではないかと思ったのです。
どういうことかというと、どのようにOJT計画を立てて新人を育てていくか、1年後にはラダーⅠを取ってほしいのですが、どういうラダーⅠになってほしいかということを次のスライドのように事細かに詳しく書き出しました。この「OJT計画書」は『with NEO』2023年5号に掲載していますのでご興味があったら見ていただければと思います。
難点を言えば、作るのがすごくたいへんだったのですが(笑)、4月にはこうなってほしい、5月にはこうなってほしい、6月にはこうなってほしいということを、期待される結果として年間計画を挙げました。
本当はいまスライドでお見せしているOJT計画書には下にもう1段あって、担当者もすべて決めて記載しています。つまり1年生をプリセプターがすべて指導するのではなく、担当者に対して「ここの項目はあなたたちが今月クリアさせてあげてくださいね」ということを明示することにしたのです。
そしてこのOJT計画書を大きく引き伸ばして印刷して休憩室のドアのところとかに貼ります。するといつも目につくんですね。それによって無言の圧力をかけます(笑)。
これらの細かい項目を作った方法ですが、日本看護協会のものを基に日本新生児看護学会が作った「意思決定を支える力」や「協働する力」から抽出してきた小さい項目を網羅できるように取り込んでいます。
そのため、院内NICUのラダーⅠを目指す人がこのOJT計画書にそって順調に日々を過ごしていれば自然と日本新生児看護学会のラダーⅠもクリアしているということになります。同様にラダーⅡもラダーⅢもすべて作成して、毎年更新して運用しています。
次のスライドはラダーⅡのOJT計画書ですが、例えば日本新生児看護学会のラダーに「ハイリスク新生児の示すサイン(Cue)を踏まえて看護を実践できる」という項目ありますので、それを取ってきて、あなたたちの目指いしていること、やっていることというのはこういうことなんだよ、ということを文にして明記しています。
最後にOJT計画書を作成した利点と課題についてお話しします。
ログインして動画でご覧いただくとOJT計画書を作成した利点と課題、そしてtake home messageまで視聴することができます。また、ご購入いただくと新人看護師のメンタルサポートやラダーの仕組みなどすべてのプログラムがご覧いただけますのでぜひご検討ください。
プログラム
①講義
1)一般的な新人教育
・新人看護師の特徴やメンタルヘルス …など
2)NICUでの新人教育
・新生児看護、NICU看護の特徴、特殊性 …など
3)昭和大学江東豊洲病院での新人教育の実際
・新人・異動者(既卒者)への対応・教育・育成で気を付けていること、大事にしていること、工夫していること …など
→新人が安心して学ぶ働く職場・風土作りへの工夫(心理的安全性を高めるための工夫)、メンタル面のサポート、リアリティショックへの対応、技術面の指導方法 …など
・NICUラダー(チェックリスト)活用の実際、院内ラダーとの使い分けや併用・活用の実際
・withコロナ、アフターコロナでの新人教育の実際
・勉強会・受け持ち体制の工夫ポイント、新人サポート体制のポイント
②質疑応答
本セミナーと連動している専門誌の紹介
【第1特集 “with NEO” Update】
母体疾患別
新生児の病態生理とケアQ&A
申し送りのポイントが分かる&連携できる
■総論 母体合併疾患がある場合の
産科と新生児科との間での情報共有
■1 妊娠高血圧症候群(HDP)
■2 糖代謝異常(糖尿病合併妊娠/妊娠糖尿病)
■3 血液型不適合/遺伝性球状赤血球症
■4 甲状腺疾患
■5 自己免疫疾患
■6 精神疾患、てんかん
■7 トピック
母子感染(梅毒、CMV、トキソプラズマ)
【第2特集 NEO Speciality】
よりよいチーム医療のために再考する
NICU看護における新人の教育・育成方法Q&A
■総論 NICUでの人材育成の仕組みの構築に向けて
■1 看護基礎教育におけるNICU看護の位置づけ
■2 メンタルヘルスのポイント
■3 神奈川県立こども医療センターの場合
■4 旭川医科大学病院の場合
■5 昭和大学江東豊洲病院の場合
■6 長野県立こども病院の場合
■7 愛仁会高槻病院の場合
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