第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。

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講師
六車龍介
兵庫県立がんセンター薬剤部/薬剤師

大東敏和
広島大学病院薬剤部/薬剤師

阿部真也
つなぐ薬局足立/薬剤師

<どんなセミナー?>
糖尿病をもつ患者が不安・負担に感じる投薬・服薬方法やその注意点を伝えるとき、あるいは質問されたとき、どんな知識を伝えて、どう行動すれば患者が理解し、実践できるでしょうか?
・患者があなたに求めているのは「正しい答え」と「納得感(安心感)」です
・患者が納得するためには根拠と真摯な姿勢、患者の気持ちを考えた言葉が必要です
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配信|Q.知っておきたい知識「検査時の糖尿病治療薬の対応は?(絶食時、造影剤を使う検査、PET検査)」


今回は知っておきたい知識として「検査値の糖尿病治療薬の対応は?」をテーマに、絶食時、造影剤を使う検査の時、PET検査時の対応をわかりやすく解説します。

糖尿病のくすりQ&A③01


手術当日の絶食に伴う中止は、みなさん納得ですよね。内服薬・GLP-1受容体作動薬もスキップしますし、インスリン製剤も、基本スキップします。ただし、1型糖尿病のある人の場合や2型糖尿病のある人であっても、インスリン分泌能が著しく低下している場合、「基礎インスリン製剤」は食事摂取量に関わらず、継続することになります。

また、午前中に検査があり、朝、薬をスキップしても昼から食事が再開される場合、昼に薬を服用する場合もあります。医師に確認するようにしましょう。

糖尿病のくすりQ&A③02


次に、造影剤を使う検査時です。糖尿病治療薬の対応として、メトホルミン(ビグアナイド薬)に注意する必要があります。

糖尿病のくすりQ&A③03


配合剤にも注意が必要です。イニシンク®配合錠、エクメット®配合錠、メタクト®配合錠、メトアナ®配合錠には、メトホルミンが含まれております。そのポイントとして、eGFRが30~60mL/min1.73m2の患者では、ヨード造影剤検査の前、あるいは造影時に中止する必要があります。また、ヨード造影剤投与後48時間は再開しない。

腎機能の悪化が懸念される場合には、eGFRを測定し腎機能を評価した後に再開することになります。

糖尿病のくすりQ&A③04


その理由は、ビグアナイド系糖尿病治療薬服用患者において、ヨード造影剤の投与により一過性に腎機能が低下した場合、ビグアナイド系糖尿病治療薬の腎排泄が減少します。場合によっては、乳酸の血中濃度が上昇し、乳酸アシドーシスを引き起こす危険性があるために中止します。

併せて造影剤に対する中等度もしくは重度のアレルギー症状の既往、薬物治療が必要な気管支喘息のある人では、施設によっては前投薬を投与することがあるかもしれません。

腎機能低下患者さんでは造影剤腎症の予防に整理食塩液もしくは炭酸水素静注1.26%によるハイドレーションが行われる場合がありますので、造影剤投与時には薬物療法に注意しておきましょう。

糖尿病のくすりQ&A③05


PET検査時の注意事項です。PET検査は放射線同位元素を含む薬剤を体内に注射し、そこから出る放射線を検出して画像化する検査です。主に使用される放射線性医薬品は、フルデオキシグルコースでFDGと呼ばれます。FDGは正常細胞よりがん細胞に多く取り込まれるため、がんの検査に用いられます。

FDG-PET検査では通常、4~6時間前に絶食するよう指示されます。糖分を含む輸液も中止する必要があります。その理由は食事により血糖値が高まるとFDGが正常な筋肉や脂肪に集積しやすくなり、ブドウ糖との競合でFDGががん組織に取り込まれにくくなり検査の精度が落ちるためです。先ほど説明した絶食時の対応が必要になるということになります。

また、糖尿病治療薬は、組織のグルコーストランスポーターの活性を上昇させ、組織にFDGを集積させるため、検査精度の低下を招く可能性があるため中止します。

少し難しい理由を説明しましたが、このあたりのことをご理解いただければと思います。

糖尿病のくすりQ&A③06


X線、MRI、CT検査はインスリンポンプの対応が必要になります。インスリンポンプは磁気の影響を受ける可能性があるため、検査前に取り外す必要が出てきます。機器ごとに注入セットはそのままでよい場合もありますので、日本糖尿病協会が作成しているリーフレット等を参考にして対応しましょう。原則、ポンプ本体は取り外す必要があります。

糖尿病のくすりQ&A③07


同じく、持続グルコース測定器(CGM/isCGM)も磁気の影響を受ける可能性があるため、検査前に取り外す必要があります。取り外した場合、センサーの再利用や処方はできないということが生じます。つまり、次の処方日までの期間は測定できないため、交換の時期に合わせて日程を調整することが好ましいとされます。

糖尿病のくすりQ&A③08


まとめです。 絶食時は基礎インスリン製剤を継続することがあることに留意しましょう。 造影剤投与時はビグアナイド薬の中止がポイントです。 PET検査時は検査精度を低下させる可能性に注意し、糖分の摂取を控える、糖尿病薬の中止がポイントです。 最後に、X線、MRI、CT検査時、インスリンポンプ、持続グルコース測定器の取り外しに注意しましょう。

糖尿病のくすりQ&A③09



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プログラム

Q 高齢者糖尿病の注意点とは?
Q 在宅医療に移行する患者さん、何に気をつけたらいいですか?
Q 知っておきたい知識「検査時の糖尿病治療薬の対応は?(絶食時、造影剤を使う検査、PET検査)」
Q 検査で朝の飲み薬はスキップ。検査は午前中に終了。スキップした薬はどうする?
Q 知っておきたい知識「絶食は手術当日からなのに糖尿病治療薬を手術2日前から中止しているのはなぜ?」
Q がん患者さんの血糖マネジメントどう考えたらいい?
Q 糖尿病のある人ががん治療中に注意することは?①主に血糖値が上がる状況について
Q 糖尿病のある人ががん治療中に注意することは?②主に血糖値が下がる状況について
Q 糖尿病のある人ががん治療中に注意することは?③がん治療を継続するために注意したいことは?

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『糖尿病のくすりQ&A①』では、インスリン製剤、教育入院、患者からのギモンを、『糖尿病のくすりQ&A②』では、経口血糖降下薬/シックデイ/服薬管理にまつわるギモンを取り上げています。詳しくは下記をご覧ください! 

糖尿病のくすりQ&A①

糖尿病のくすりQ&A① インスリン製剤/教育入院/患者からのギモン編

プログラム

Q たくさんのインスリンが売られていて違いがよくわかりません! インスリンの種類について教えてください!
Q クイズ「患者さんが持参した自己注射製剤の中でどれがインスリン製剤かわかりますか?」
Q スキルアップ編「経験豊富な薬剤師がインスリン初回手技指導する際のポイントは何ですか?」
Q インスリンの空打ち、本当に必要ですか?
Q 気温が高い場合も使用中のインスリンは室温保管ですか?
Q 薬を投与した後の血糖値の予測がつきません…→責任インスリンやターゲットとなる血糖値などを解説します
Q 患者からの質問「食前の血糖値が低いけど いつもどおりの単位をインスリン注射しても大丈夫?」
Q 患者からの質問「インスリン製剤って一度はじめるとやめられないんですか?」
Q 患者からの質問「退院後、お酒を飲んでもいいですか?」
Q 退院後、インスリンを自分で打つことが難しそう… 家族が打ってもいいの?
Q 素朴な疑問「ヒューマリンR注バイアル製剤を使用する際 インスリン専用注射器じゃないとダメですか?」
Q 素朴な疑問「血糖値が高い。医師から輸液内にヒューマリンR注の混注指示あり。点滴中の輸液に追加しようとしたら先輩看護師に怒られた。なぜ?」
Q インスリンのインシデントを起こしたくない!! どこに注意したらいい?
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糖尿病のくすりQ&A② 糖尿病のくすりQ&A② 経口血糖降下薬/シックデイ/服薬管理編

プログラム

Q 経口血糖降下薬の種類が多すぎます!ポイントを教えてください
Q 日本で最も使われている経口血糖降下薬って?
Q 糖尿病治療薬の中には血糖値を下げる以外に付加的効果があるって聞きます。どんな効果があるのですか?
Q これだけは知ってほしいSGLT2阻害薬とは?
Q これだけは押さえておきたい糖尿病治療薬の副作用とは?
Q 素朴な疑問「低血糖リスクの高い薬と低い薬について教えてください!」
Q なぜ低血糖は起こしちゃいけないの?
Q シックデイのときに特に気を付ける必要がある薬は?
Q 患者さんの食事量がいつもより少ない。いつも通り薬は飲んでもいい?
Q 食直前服用の薬を食事前に飲み忘れた!どうしたらいい?
Q 知っておきたい知識「糖尿病治療薬を安易に一包化するとダメなのはなぜですか?」
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