第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。

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講師
宇都 由美子
鹿児島大学病院医療情報部 特任教授・部長/副病院長

<どんなセミナー?>
看護部主導の病床運用が経営改善のカギ!
鹿児島大学病院の成功例をもとに、データの使い方、業務・システムの改善方法、DPC/PDPSの活用、看護DXによる将来像まで、医療情報活用のエキスパート宇都先生が丁寧に解説しています。
自施設の経営改善のヒントが見つかります。あなたの施設でも、まずは1つから手をつけてみませんか?


配信|DPC/PDPSは急性期病院経営の羅針盤


看護トップマネージャーの皆様に、DPC制度に関する正しい知識をお伝えしたいと思います。

アフターコロナ時代の病院経営_看護部が病院経営を立て直す


DPCについては、支払方式としての側面が強調されることが多いですが、少子高齢化が進む我が国においては「医療情報の標準化をはかり、医療の透明化を目指すこと」が真の目的といえます。

それでは「医療の標準化」とは何を意味するのでしょうか。

それは、疾患ごとに診療内容の均てん化を図ること、つまり「同じ病気であれば、日本中どこの病院でも同じような診療が受けられる」状態を指します。

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DPCは平たく言うと「急性期医療における医療資源の投入量」を示す物差しです。この物差しができたことによって、「医療資源投入が多いか少ないか」、「入院期間が長いか短いか」といった比較ができるようになりました。

また、比較が可能になったことで評価が行えるようになり、この物差しを用いて説明することで、説明責任を果たすことも可能となりました。

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DPCはDiagnosis Procedure Combinationの頭文字をとった略称です。医療資源を最も多く投入した傷病名と、手術や処置等の診療行為を組み合わせた診断群分類のことです。
本来、DPCは「患者分類としての診断群分類」を意味する略称であり、「支払制度としてのDPC制度」の略称についてはPDPS(Per-Diem Payment System)という別の略称が使われています。

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DPCは我が国で開発された診断群分類ですが、元々は米国で開発されたDRG方式を手本としています。DRGはDiagnosis Related Group(診断関連群)の略称です。
国際疾病分類では1万以上の病名が存在しますが、これらをマンパワー、医薬品、医療材料などの医療資源の必要度に基づき、統計学的に意味のある500~1,500程度の病名グループに整理・分類する方法のことを言います。

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医療費の適正化を目的として、65歳以上を対象とする「メディケア パート1」において、診断群別に定額で支払うことを目的として導入されたため、包括支払方式であるPPS(Prospective Payment System)と合わせてDRG/PPSとして使われています。

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医療費の高騰が社会問題となっていた米国では、1970年代に「医療費亡国論」という論文が発表されるほどの状況にありました。そのためDRGが開発された本来の目的は、高騰する医療費を「適正化」することにありました。
DRG開発の過程では、原価計算の手法が大きく取り入れられました。さまざまな疾病に対して、平均的な人件費や材料費、在院日数を割り出し、そこからかかるコストや疾病種別の似通ったものを1つのグループ(DRG)とみなし、これを包括支払方式(PPS)の基本単位とする仕組みとしました。

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DRG導入に伴い、医療費の伸びや平均在院日数、病床利用率、その他の診療内容において変化が見られるようになりました。制度を適切に利用することで、医療内容の質を担保しつつ、医療財政上のメリットも得られるとされています。

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DRG/PPS導入以前は、いわゆる「ついでに治療」が行われており、同一入院中に複数の疾患を治療していたため、コストの内訳を分析しづらく、実質的なコスト管理ができていませんでした。しかし、DRG/PPS以降は疾患別に分類されることにより、コストの分析や管理が容易となりました。

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その結果、病院マネジメントは以下のように大きく変化しました。
①疾患別に患者の医療費(マンパワー、医薬品、医療材料、入院日数、入院費用などのデータ)を多くの病院から集めることができるようになった
②各病院のデータを、診断名グループごとに比較・検討することができるようになった
③各病院内で、診断名グループごとの分析が可能になった
④リスクや問題点を明確に把握し、それに対する解決策の検討が可能になった
⑤これらを実行することによって、病院の運営がより効率的に行えるようになった

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ログインすると動画でも解説が聴けてより理解が深まります。また、ご購入いただくとすべてのプログラムがご覧いただけますのでぜひご検討ください。










プログラム

(1)“With コロナ”から“After コロナ”へ
・病院経営の危機的状況:エネルギー価格・物価高騰等に伴う影響
・鹿児島大学病院の診療実績の経年推移
ほか

(2)DPC/PDPSは急性期病院経営の羅針盤
・2003年 急性期入院医療にDPCが導入された
・DPC/PDPSとは
ほか

(3)制度理解を深め看護部門がDPC/PDPSを使いこなす
・診療情報管理士と退院支援看護師の連携によるDPCの精緻化
・1病床当りの診療単価とDPCⅡ期間内退院の推移
ほか

(4)看護DXが実現する看護現場のイノベーション
・インスリンの自動計算による医療安全の向上
・通信機能付バイタルサイン測定機器の導入
ほか

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