看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「メモについて」です。

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私は自分の字が嫌いだ。

あと、自分の絵にも自信がない。
ついでにノートをまとめるセンスもない。
しかしポケットにメモ帳は忍ばせておきたい。

病棟の器材庫にある物品の位置や何に使うものなのか、救急カートの物品の薬品の種類やどんな薬剤なのか、処置の必要物品や手順などなど……。すぐにわかるようにしておきたいものやことは、たくさんある。

どうしたものかと思いながら本屋さんをウロウロしていると、ポケットマニュアルやポケットブック、看護カードなるものがたくさん売っていることに気が付いた。

指標、スケールなどが載っている。
心電図の見方や、酸素流量とFiO2の相関関係など自分の知識以上のことも書いてある。

これに大きめのふせんで必要なことを書き足して貼っていったほうが便利だし、それよりなにより美しいし、イチからメモに書いていくよりも効率的な気がする!

そうして私は全科の内容に対応しているポケットマニュアルに書き足していく形で、ノートを作っていった。

しかし年末年始くらいだったか、そのころになると、剥がれかけたふせんがべろべろになったり、マニュアルに書いてあることだけでは不足するようになってきた。

◯◯先生はCV挿入のときにイソジン®のスワブスティックを使うけど、△△先生は滅菌綿球と瓶のイソジン®を使う。××先生は清潔野をつくるときに鉗子を使うので準備しないといけない。こういう細かい医師のこだわりとかをメモしておくと、処置の介助がすこし楽になることがわかって、メモにメモを重ねていった結果だった。

マニュアルは付箋の貼りすぎでポケットに入らなくなっていた。
「メモ、作り直そうかなぁ……」

このころになってようやく、病棟の1日の流れにもついていけるようになり、やったことのない処置なども少なくなってきたことで、勤務後の振り返りや予習復習をする時間も短くなり勤務のあとに自分のために使える時間が長くなってきていた。

メモを作り直すのには絶好のタイミングだったように思う。
教科書で手順を確認しながら、ワードで流れを打ち出していく。

それを印刷して、先輩からアドバイスしてもらったこと、医師のこだわりなどを書き足していく。図や絵はコピーして貼ることにした。

あらためて確認することで頭の整理にもなるし、自分だけのメモを作っているという達成感があった。

マニュアルには使わない項目も多々あったけど、ルーズリーフに印刷して使う頻度が高い順に並べていく。ひょっとしたら汚くなってきたマニュアルよりも、ずっと良いかもしれない。

「もっと早くやっておけば良かったかも……」

あなたはマニュアル派? それとも自分だけのメモ派?
どっちもやるのも、ひょっとしたら良いかも。

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看護師クリエイティブプロジェクトFractaleのエモ担当。なぜか気が付いたら在宅沼に片足突っ込んでいた7年目看護師。外科・脳外科病棟→救命救急センター→集中治療室→2020年2月から在宅。新米訪問看護師。輸液ポンプ、シリンジポンプのコード整理の特技が活かせなくなってしまった。元葬儀屋、病院栄養科勤務経験のある社会人から看護師パターンのやつ。ケアの原点を在宅に感じて、改めて生と死を見つめ直そうとしている。趣味は筋トレと読書とロードバイクと音楽鑑賞。B'zに対する並々ならぬ執着心がチャームポイント。 好きなトレーニングはレッグエクステンション。


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