外国人患者さんには通じない医療用語|カテ/カテーテル|#033|佐藤まりこ

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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。


本日のカタカナ英語:カテ/カテーテル

「9時から心カテあります」「カテ先確認おねがいします」
看護師さんなら「心カテ=心臓カテーテル検査」「カテ=カテーテル」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
「カテーテル」とは医療用に用いられる柔らかい管のことで、「カテ」はその略語です。
「カテ/カテーテル」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「カテーテル」は、ドイツ語の「katheter(カテータ)」が由来です。
英語で「カテーテル」は「catheter」です。ドイツ語と似ていますが、発音がまったく異なります。
英語の発音は、最初の発音が「カ」ではなく「キャ」と発音して「キャスィター(ˈkæθɪtər)」が英語に近い発音です。日本人の苦手な「TH」の発音が真ん中に入っていますね。

ちなみに、「心臓カテーテル検査」は英語で「Cardiac catheterization」です。
略語の「心カテ」に相当する英語は「Cardiac cath」や「Heart cath」です。

みなさんは「フォローアップCAG」という言葉を聞いたことがありますか?
おもに狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患に対して行われるPCI(経皮的冠動脈形成術)から8~12カ月後に行われる心臓カテーテル検査をいいます。
私は当たり前のようにフォローアップCAGの患者さんを看てきた世代なので“まさかこの言葉が死語になるとは…”といった軽いショックを受けています。
フォローアップCAGはだいたい1泊2日入院の心臓カテーテル検査なのですが、時代は変わり現在はMDCT(マルチデクターCT)で造影剤を使用し30分程度で終わってそのまま自宅に帰れます。CTの精度もぐんぐん上がって3mm以下のステントも評価可能になったといいます。
さらに、最近はCTのフォローアップすら不要となりつつあるんだとか……。
医学の進歩は日進月歩と言いますが、現場にいないと本当についていけないとしみじみ感じる今日このごろです。

•You are going to have a cardiac catheterization at noon today.

(今日の正午に心臓カテーテル検査が予定されています)




30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


前回に続いて、「ライオンキング」から印象に残っている名言を紹介します。
父の死の責任を問われ王国を去った主人公のライオン:シンバに、シャーマン的な存在の年老いたヒヒ:ラフィキが過去の痛みをどう受け止めるかについて説く場面のセリフです。
ラフィキはシンバの頭を突然杖で殴ります。シンバはもちろん痛がりますが、もう一度ラフィキが殴ろうとすると、シンバはそれをかわします。
「過去のつらい経験から逃げて暮らすことも、そこから何かを学びとって未来に活かすこともできる。おまえはどっちを選ぶのだ」と説き、シンバがとるべき道を諭すのです。

私自身、「ライオンキング」のなかでこの場面と、傷ついたシンバがミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバァに出会うところがお気に入りで、何度も繰り返し観ているうちにこの言葉は自分の心にも響いてきました。
捨てたい過去は多々ありますが、逃げてばかりでは環境を変えても結局同じ過ちを繰り返すだけで心落ち着くことはありません。過去のつらい経験に蓋をするのではなく、つらくてももう一度振り返って自分の直すべき性格や傾向、未来に活かせる教訓を整理することが、年をとればとるほど大事なことに気づきます。若いうちは先輩や上司が間違っていることを指摘してくれますが、アラサーやアラフォーあたりになってくると、周りは思っていても気を使って言わなくなります。
よく新人さんが「怒られるのがこわい」と嘆いていますが、ある意味「怒られているうちが花」という考えもありますよ。怒られても凹み過ぎず注意してくれたと前向きにとらえられるといいですね。

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佐藤まりこ 

生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。