新人看護師だけど非常勤 !? まめこのほふく前進|#016|自己肯定感は育っていく

初めての特浴を行うことになり、不安と緊張を感じつつも、新しいことをさせてもらえることにワクワクしながら事前準備をしてきました。そして当日、10人の患者さんをお風呂に入れることを知り、体力のことなど戸惑いを感じながらも、初めてのことに不安になる自分の性質や容量がいっぱいになりやすいことを師長さんが気にかけてくれ、無事に終了しました。そして、新しいことに挑戦させてもらえる環境に心から感謝したのでした……

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自分のことを認めづらい

初めての特浴担当が終わって、無事終えられたことに「よかったー」と思いながら下のフロアに戻りました。

すると私を見つけた助手さんが話しかけてくれました。

助手「お風呂どうだった? たいへんだった?」
私「初めてのことだったのでドキドキしていたんですけど、無事終りました。けっこう体力使うんですね……」
助手「そうよ! 夏なんか汗だくになっちゃうんだから(笑)」

私が無事入浴介助を終えてきたことに、助手さんはなんだか嬉しそうでした。その嬉しそうな顔を見て、私もすごく嬉しい気持ちになりました。

私は小さいころから自己肯定感が低く、何かできたとしても「まだまだ足りないから」と、自分を褒めることができませんでした。いまも正直苦手です。

なので、こうして職場の方が「がんばったねー!」「できること増えたね!」と言ってくれると、私がんばったんだ、できるようになったんだと認識できます。いつも「できるようにならなきゃ」という気持ちで頭がいっぱいなので、できたことに対して一回一回、自分が「できた」っていう認識やイメージをしっかり持てないんですよね。だから、自信がつきにくいのです。

足りないことへの不安

自己肯定感が低いエピソードがあります。

中学生のころは、部活の物品を買ってもらうことも、部活のためにお弁当を作ってもらうことも、親に対してすごく申し訳なかったです。特に低学年のときはほとんど球拾いなのに、1日練習のときにお弁当を作ってもらうことがすごくつらくて。何もない私にお金や時間、手間を割いてもらうのが申し訳なくてたまらなかったのです。だから、必死に自分で価値をつけようと、勉強も部活もがんばってきました。

また、看護学生時代には、自己イメージが揺らぐことがたくさんありました。その一つは精神看護実習のときのエピソードです。私自身が精神疾患を持っているので、精神看護の授業内で観る精神疾患患者さんが出てくる映画はつらくて観られず、教室に1人で残ったり、自分がまだ患者側なのに看護者側に立つのが怖いと泣いたこともありました。

そんななかで行った2週間の精神看護実習では、鼻水を垂らしながらぐしゃぐしゃになっていたことが3回もあり、まだ足りない、まだ足りないと不安に押し潰されそうになりながら実習をしていました。

そんな私に、あるとき先生が言ってくれました。

「あなたは自分で思っているより進めているのよ。精神患者さんの映画が観られなかったあなたが、いま閉鎖病棟で実習ができているの。それだけですごいことなんだから自信を持ちなさい」

それでも当時は不安が止まらなかったのです。ですが、誰かが承認や◯(まる)をくれることで自分への認識が変わり、徐々に健康的な認知の仕方ができるようになりました。

尊敬していた先生からの言葉

エピソードをもう一つ。
5年間の看護学生生活のなかでいちばん単位が取れないといわれている実習でのことです。担当の先生は学校でいちばん厳しい先生でした。

絶対に留年したくない私は、実習の前に自主的に先生にお願いして関連図やアセスメントシートの書き方を見てもらったり、できるだけ不安を払拭するように、これ以上勉強ができないというくらい勉強していました(全授業が必修なので、1単位落としたら即留年のカリキュラムです)。

そのおかげで誰よりもスムーズに実習が行えていました。そして先生は私に言ってくれました。

「まめこさんは、すでに単位をあげられるだけの実習ができている。できているからもっとできるようになってほしくて私は指導する。だけど、もししんどかったら言って」
「私はまめこさんと実習ができて楽しいよ」

私は衝撃すぎて、時が止まりました。
こんなことを言ってもらえるなんて思いもしませんでした。
そしていままでの準備や姿勢が認められたことに安堵し、涙が溢れそうになりました。実習の評価でほとんど「A」は取れないといわれているなか、私はその実習で「A」をもらいました。

でもその評価以上に「いっしょに実習ができて楽しい」と言われたことが、とても光栄でした。すごく怖い先生でしたが、看護者としての考え方や価値観、感覚を尊敬していたから。

こうして私の自己肯定感は少しずつ積み上がっていきました。でも、本当は誰かの評価だけじゃなく、自分自身で「できたね、すごいね」と積み上げていくことが何よりも大切です。それは、評価してくれる人がいなければ自分のメンタルがやられてしまうということだからです。

学生の時はそれができていませんでした。
それにより1年の療養が必要となってしまったのです。いまはやっと徐々にできているかなという状況です。それでもやっぱり下手なほうだと思います。


発達障害を持つ人は自己肯定感が低く、不安障害を併発しやすいといわれています。私もその一人です。

まだまだ生きるのが下手だな、不器用だなと自分で思うけど、周りに支えられてお仕事できています。

不器用だって、発達の凹凸があったって、人生に絶望せず生きられることを多くの人に知ってほしいのです。

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プロフィール:まめこ
5年一貫の看護高校卒業後、林業学校に進学。現在は、病院と皮膚科クリニック のダブルワークをしながら、発達障害を持っていても負担なく働ける方法を模索中。ひなたぼっこが大好きで、天気がいい日はベランダでご飯を食べる。ちょっとした自慢はメリル・ストリープと握手したことがあること。最果タヒ著『君の言い訳は、最高の芸術』が好きな人はソウルメイトだと思ってる。ゴッホとモネが好き。夜中に食べる納豆ごはんは最強。