経管栄養とは|大事なことはぜんぶ臨床で学んだんだ|satomi|#005

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「経管栄養」です。

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実習やインターンで見る機会の多い、“経管栄養”。
ぽたぽたぽた……と思ったよりも早い速度で投与している。
ボタン型のものから、経鼻のものまで、種類はさまざま。
終わっても、すぐに外しにいかず、わりと緩く管理をされているのが印象的だった。

臨床に出て、やっぱりたくさんの経管栄養を投与されている患者さんがいた。
わたしの時代、シャドウイングは初日の2時間のみ、次の日から患者さん受け持ち、というハイパースパルタ教育だったため(しかも新人2~3人に対しフォロー1人)、見慣れた経管栄養に関してのフォローは薄かった。
わたしは何の気なしに、経管栄養をぽたぽた滴下し、秒で終わらせた(正確には10分くらい)。

そしたらめっちゃ怒ってる先輩。
お腹痛いって言う、患者さん。

そう。
わたしは消化器外科勤務。

多い基礎疾患は、胃がん。
1日1~2件の胃の摘出手術があった。
食道がんの手術も月に数件あった。
胃管再建。
これってつまり、胃のない人が多いんですよ、うちの病棟。

そう、ほぼ全員、経腸栄養。
これこそわが病棟の示す経管栄養でした。

経管栄養=胃だと思いこんでいたわたしはハッとして自分のしたことにゾッとした。

でもね、頭では腸だってわかってた。
なぜなら、刺入部は明らかに腸。記録にも“腸ろう”って書いてあった。
文字では知っていたんです。
でも、経管栄養=胃っていう思いこみが強すぎたのと、病態生理と結びついていなかった。
同じ経管栄養なのに、胃と腸だと、管理方法が違うんですよ。


腸ろうの場合は、直接腸に高栄養のものを注入するため、下痢やダンピング症状を起こしやすいです。
さらに、胃と違い内腔も狭く、食べ物を貯留しておくこともできないため、滴下速度をゆっくりにする必要があります。
さらにさらに、胃よりもチューブが細いため、詰まりやすい。
消化剤のタケプロンⓇを内服している人が多いけど、粒が大きいから、ま・じ・で、詰まる!!!!!
経管栄養が終わっているのに忘れてたら、若干、抵抗のある水分プッシュ。
いつもヒヤヒヤしていました。
水の逆襲にあうこともしばしば。
おそるべし経腸栄養。


なかには3時間くらいかけて投与する人もいるくらい、思ったよりも皆さん下痢をする。
腸って繊細なんですよ。
消化器外科だからこその学べたことかな、なんて思います。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿道カテーテル
#002 なにがなんだかわからないケンサチ
#003 大きいからポケットには到底入らない
#004 家族じゃないからこそできること


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twitter:自由人ナースさとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

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