看護力検定チャレンジテスト|#108

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事例

Aさん(32歳、男性) は、30歳の時に統合失調症(Schizophrenia)と診断され、外来通院しながら抗精神病薬による薬物療法を行っていました。3カ月ほど前から、「病気は治った」と、服薬および通院を無断で中断しました。2週間前より不眠となり、1週間前からは被害関係妄想が出現し、独語や両親に対して怒鳴るといった興奮状態が現れました。心配した両親が病院へ電話相談し、本人を連れて外来を受診をしましたが、精神運動興奮が著しいため、即日医療保護入院となりました。

問題

 Aさんは内服治療により、精神運動興奮が収まり、自分の状況を理解できるようになってきました。隔離処遇を制限解放し、行動制限を徐々に緩和していく時期になりました。行動制限解除に向けて、Aさんへの看護として最も適切なものはどれですか。
<正解88%>

(1)制限解放中は、隔離室の中で過ごすことは避けるように説明する。

(2)調子が悪い時は看護師に相談するように説明する。

(3)退院支援プログラムに参加するように勧める。



… 正解は …











(2)

解説

(1)⇒制限解放時間に隔離室外で過ごすことは患者目標ではありますが、無理をして隔離室外で過ごすことはありません。Aさんが自身の調子に合わせて行動できることが大切です。
(2)⇒隔離室は周囲の刺激から保護された環境であるため、制限解放による刺激の増加はストレスとなります。Aさんが自分の変化に気づき対処行動がとれることが大切です。
(3)⇒制限解放中の精神症状は不安定であり、退院支援プログラムの参加は退院への焦りを助長させる要因となり得ます。

行動制限解除に向けては、焦らず、症状に応じた対応が求められます。隔離室は、閉鎖空間が拘禁反応を生じさせる一方で、周囲の刺激から患者自身を保護する安全な環境でもあります。制限解放は、開かれた環境や対人交流といった刺激に慣れるための時間です。行動制限解除に向けて、患者の小さな変化にも目を向け精神症状の評価を行います。

※2021年7月2日掲載分の再掲載です。