100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……
Quiz 057
救急室に胸痛を訴える患者さんが運ばれてきました。すぐさま心電図検査したところⅡ・Ⅲ・aVF誘導でST上昇を認め、STEMI(ST上昇型心筋梗塞)の疑いで緊急カテとなりました。どの冠動脈が閉塞していると予測されるでしょうか?
Answer 057
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右冠動脈か回旋枝
ちょっと意地悪な問題でしたが、「右冠動脈!」とか「回旋枝!」って答えた方はよく勉強されていますね! でもあともう一歩! 右冠動脈か回旋枝のどちらの可能性も考えておきましょう。
前回のQ056でもお話ししたとおり、冠動脈の大きさは人によって異なります。Ⅱ・Ⅲ・aVF誘導は心臓の下壁を監視している誘導です。心臓の下壁を栄養している冠動脈は右冠動脈の人もいたり、左冠動脈回旋枝が栄養している人もいます。これは冠動脈造影をしてみないとわかりません。
いずれの可能性も残しつつ、あらゆることに対応できるように固執しないことが大切ですね。これはこの問題のようなことに限らず、臨床現場ではすごく大切なことのように思います。
野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。
CVIT2025
2025年7月17日(木)~19日(土)
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野崎先生がメディカルスタッフプログラム委員、また広報も担当されている「第33回日本心血管インターベンション治療学会 CVIT2025」が大阪府立国際会議場・リーがロイヤルホテル大阪で開催されます。
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