100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……
Quiz 064
冠攣縮薬物誘発試験は、薬物を投与して冠動脈にわざと攣縮(痙攣)を起こさせるもので、急激な心筋虚血により重症不整脈を誘発することもあります。では、安静時狭心症かどうか診断するためにカテスタッフには3つの必要な仕事がありますが、それは「バイタルサイン監視」「冠攣縮発生の有無の確認」と、もう一つは何でしょうか?
Answer 064
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症状の確認
冠攣縮薬物誘発試験では、誘発剤を投与後、12誘導心電図を注意深く監視し、STの変化など虚血性心疾患を疑わせる変化が起きていないかを確認します。
それとともに患者さんの症状を聞きます。このときに注意することは、まれに薬剤や造影剤投与のあいだのわずかな時間の心筋虚血のために心電図変化や症状が現れる場合があります。投与直後の変化はさらなる急激な変化に注意しながらも静観し、しばらく持続する変化について注目します。
患者さんには胸部の違和感がないかどうかを確認します。ここで大切なことは、ふだん感じている症状についてあらかじめ確認しておくことです。症例前の事前情報として、ふだん感じている症状について電子カルテで確認したり、本人に直接聞いておきましょう。強弱の違いがあったとしても症状が事前情報と一致しているならば診断材料の一つになります。症状に一致して虚血性の心電図の変化が起こっているか、はたまた冠動脈造影にて冠動脈が攣縮しているかを確認して診断を確定していきます。
もちろん確定診断のためのモニタリングも大切ですが、急激な心筋虚血による重症不整脈の発生・血行動態破綻も起こりうる危険な検査です。モニタリングは十分緊張感をもって行いましょう。
図:『心カテのはなしをしましょうか』P148より
野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。
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