この連載は、英語の先生でも医師でもない、看護業務を知り尽くした現役看護師が医療現場で本当に使える英会話を紹介します。
検温、点滴、清拭、おむつ交換など医療現場で頻度の高い看護業務に焦点を当て、使えるフレーズを丁寧に解説します。
【看護師の看護師による看護師のための英会話:Episode4】は、「検温:体温編」です。
今日は外国人患者さんを受け持っています。
日本人の受け持ち患者さんの検温を終え、残るは外国人患者さんの検温です。
こんな普段の会話を英語にしてみましょう。
(血圧を測り終わったあと)
①「体温を測りますね」
②「音が鳴るまで脇でギュッと挟んでください」
③「体温は36.2度で平熱です」
~体温が高いとき~
④「体温は38.3度です。熱がありますね」
⑤「熱っぽさや寒気はないですか」
⑥「アイスノンを持ってきましょうか」
⑦「また1時間後に測ってみますね」
①Let me take your body temperature.
②Please put this thermometer in your armpit and hold your arm down tightly until it beeps.
③Your body temperature is 36.2. It is normal.
~体温が高いとき~
④Your body temperature is 38.3. You have a fever.
⑤Do you have any symptoms like feeling feverish or chills?
⑥Would you like me to get an ice pack for you?
⑦I am going to recheck your body temperature in an hour.
今日は、検温で使えるフレーズ⑤【体温編】「熱っぽさや寒気はないですか」を深掘り解説します。
「熱っぽさや寒気はないですか」は、「do you have any symptoms like feeling feverish or chills?」を使いました。
英語は、大事なことや結論を先に伝えます。
ここで一番知りたいのは、症状があるか、ないかなので、「do you have any symptoms」から始めています。
例えばどんな症状なのかを「like」の後に付け加えました。
では、症状をみていきましょう。
「熱っぽい」は、「feeling feverish」を使いました。
「~っぽい」は、-ish(イッシュ)を使って表現します。
この「-ish」は、色・時間・年齢・特徴など「~っぽい」と言いたいとき使える便利な表現です。
医療現場でよく使う「-ish」を少し紹介しましょう。
● 色+ish
▶ Yellowish 黄色っぽい
▶ Whiteish 白っぽい
▶ Bluish 青っぽい
▶ Purplish 紫っぽい
● 時間+ish
▶ 6ish 6時くらい
▶ 10ish 10時くらい
● 病気・症状+ish
▶ Sickish 病気っぽい=具合が悪い
▶ Fluish インフルっぽい
▶ Covidish コロナっぽい
この「-ish」は、カジュアルな表現ですが、相手に失礼になることはありません。
何にでも使えるので覚えておくと便利です。
「寒気」は、「chills」を使いました。
複数形で使うのが一般的です。
「chill」はあまり教科書には出てきませんが、幅広い意味を持っており英語圏の日常会話でよく耳にします。
医療現場以外で使う「chill」は、「take a break?」で詳しく紹介します。
いかがでしたか?
次回は、アイスノンが必要か聞いてみましょう。
では、Let’s wrap it up for today. Have a good one.(今日はこのへんで、またね~)
一息ついて気楽に読めるコラムです。
本文で使った英語を1つピックアップして、ちょっと賢くなる雑学を紹介します。
今日の英語は、「chill」です。
医療現場で使う「chill」は、「寒」や「冷」を表現するときによく使います。
「chill」は、あまり学校の教科書には出てきませんが、幅広い意味を持っており英語圏の日常会話でよく耳にします。
例えば、こんな感じです。
▶ Let’s chill out. (のんびり休もうよ)
▶ I am chilling at home.(家でのんびりしてる/まったりしてる)
▶ You need to chill out.(落ち着いたほうがいいよ)
普段使いの「chill」は、自分の好きなことに時間を使ってのんびり、まったり、リラックスするといったニュアンスがあります。
イライラしている人に「ちょっと落ち着いて」と言うときにも使えます。
ただし、こうした使い方は、いわゆる俗語(スラング)なので友達や家族同士で使うようにしましょうね。
▼佐藤まりこさんのほかの連載