2023年5月に『マンガと図説で見てわかるICF(国際生活機能分類)の使いかた』(詳しくはこちら)が発売されました。本書は、回復期リハ領域で患者さんの全体像を把握し、多職種チームで情報を共有するための必須のツールとなっているICFの活用実例を、マンガを使ってわかりやすく解説する一冊です。今回は本書に収載されている第1章「ICFのはじまりと変遷~なぜICF?~」を全文公開します。

●執筆
及川惠美子
一般社団法人日本ICF協会 代表理事



近代統計学➡「国際統計会議」へ!

近代統計学については、「ペスト」の度重なる大流行を時代背景に、1660 年ごろからドイツ・イギリス・フランスで、それぞれの流れが起きていました。この3 つの流れを統合したのが、「近代統計学の父」とよばれるケトレーです。このケトレーを近代統計学の源流として、「国際統計」の本流に入ります。

統計「Statistics」…
その語源は「State(国家)」「Status(状態)」
国家がどのような状態かを表すことが、おもな役割

「国際統計会議」…ケトレーとナイチンゲール

ケトレーの提唱によって、 1853 年に「第1 回国際統計会議」が実現します。これに大きな影響を受けたのが、“白衣の天使”とよばれるナイチンゲールです。彼女はクリミア戦争の体験を基に、 1860 年の「第4 回国際統計会議」において、ケトレーとともに衛生統計についての統一基準を実現させ、後の「ICD」(国際疾病分類)の誕生へとつながります。




アドルフ・ケトレー(1796~1874)
ベルギーの天文学者・統計学者。統計データの国際的な共通化、統一化を提唱。BMI 指数やヒストグラム(正規分布)の考案者。国際統計会議を実現。ICD 誕生の基礎を築く。「近代統計学の父」とよばれる。




フローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)
クリミア戦争の野戦病院で、衛生環境の現状を分析するため、レーダーチャートやグラフによる「医療統計学」を生み出し、その分析結果を基に、当時40%を超えていた兵士の死亡率を2%へと大幅に改善。「統計学の母」ともよばれる。

書籍紹介

マンガと図説で見てわかるICF(国際生活機能分類)の使いかた

マンガと図説で見てわかるICF(国際生活機能分類)の使いかた
回復期リハスタッフの“わからない”が“わかる”に変わる!
「生きること」へのリハビリテーションに向けて


アセスメントとプランの視点が身につく!
ICF(国際生活機能分類)は、回復期リハ領域で患者さんの全体像を把握し、多職種チームで情報を共有するための必須のツールとなっている。しかし、完全に使いこなせているかと訊かれるといまひとつ自信が持てない…。そんなICF活用の実例を、マンガを使ってわかりやすく解説する。
▶本書の書評を読む

発行:2023年5月
サイズ:B5判148頁
価格:3.630円(税込)
ISBN:978-4-8404-8176-2
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<プログラム>
■ICFの理念と本質
■リハビリテーションとICFの関係
■現代に求められる「生きること」の意味
■わかったようで分かっていない『参加』の大切さ
■リハビリテーション支援のためのロジカルテクニック

日時:2022年8月29日(月)10時30分~12時
申し込み締切:2022年8月23日(水)
※予定数に達し次第 受付終了となります
対象:医療従事者
受講料:無料

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