略してアミプラのお二人はYoutubeで最初の「助産師YouTuber」です。
この企画は、2020年3月30日にオンラインで開催されたイベント『4月直前!春から新人ナースのみなさんオンラインで集まろう~決起集会のつもりだけど、エイエイオーとかじゃなくて、楽しくアミプラ先輩がお話します!』をまとめました。
春から新入職となる7人の参加者の抱えている不安や悩みについて、助産師YouTuberとして活躍するアミプラのお二人が、自身の新人体験、先輩体験からバシバシとアドバイスしていきます。入職から2カ月がたち、先輩が自分のことをどう思っているのか、先輩とは毎日どのようにコミュニケーションをとればいいのかなど、気になっていることがあればぜひ読んでみてください。きっと明日から少しだけ肩の力が抜けて仕事に向かえますよ。(編集室)
先輩のタイプもいろいろあるからね
梅ちゃん 新人さんは入職してからも国家試験で勉強していたような状態がずっと続いてるかもしれませんね。例えば、先輩が質問してきてくれて、それに対して勉強して答えていくように。先輩は質問するんですよね。新人さんは「何もできない」というのが前提になってるから。私も先輩から質問されるたびに、学生時代の参考書を使いながら一つひとつ調べてました。
ひろ先輩 でもそれがめっちゃ嫌やったりするねんなあ。さらには点滴とか採血も先輩がそばについてくれてるねんけど、それもね…
梅ちゃん たしかにまあ緊張するよね。
ひろ先輩 でも入職したらプレッシャーに勝たなければならない時期は何回も来るからね。
梅ちゃん そういえば、緊張を和らげるためか、入職前にプリセプターの写真をもらってたけど、あれひろ先輩やったなあ(笑)。
ひろ先輩 そうか(笑)。これだけは絶対なんだけど、先輩はみんな全力で新人さんをサポートしたいと思ってるからね。でも、覚えておいてほしいのは、先輩も人間やから、一人ひとりいろんな表現方法の人がいるってこと。すぐにカチンとくる人もいれば、ゆっくり待ってくれる人もいる。
梅ちゃん たしかに、表面的には優しい人ばかりじゃないかもしれないけど、先輩たちはみんなそれぞれ考えてくれているよね。そのなかで、気づいたらすぐに注意するタイプの先輩もいれば、ちょっと様子を見てから言ってくれる先輩もいる。それも「どうやったらこの子が伸びるかな」って考えてくれている。すぐ怒る先輩とかは怖いかもしれないけど、それでもみんな心配してくれていることは知っておいてほしいなと思いますね。
コミュニケーションの基本はホウレンソウ
梅ちゃん とはいえ、新人さんからもしっかりコミュニケーションを取ることは大事だと思うんですよ。最初は恥ずかしいかもしれないけど。最近はなかなかホウレンソウ(報告・連絡・相談)をしてくれない後輩も多いかな。
ひろ先輩 たしかに、最近はそういう新人さんが多い気はするね。
梅ちゃん 何でこんなことになったの、という状態になってからでは遅いから、困ったときには対処する前に報告する。例えば、「これいま悩んでいて、こっちにしようか、あっちにしようか、迷っているんですけど」とか、「このやりかたちょっと忘れちゃったんですけど、見てもらっていいですか」という感じで、不安に思っていることがあったら一緒にやってもらうとか。とりあえず、思っていることを口に出して伝えてくれたら、先輩もわかりやすいと思うんです。
ひろ先輩 そうやね。そして気を付けてほしいなと思うのが、ある日、あることについて先輩に報告したら、その先輩が「そんなんはもう報告しなくていいから」って言われたとしても、それで「あ、これは報告しなくていいんや」って思わないようにしてほしいねん。その先輩はそう言ったかもしれないけど、他の先輩からしたら「え、その報告は欲しいねんけど…」ってことがあるから。だから、一度先輩から「いらん」って言われた報告でも、報告相手が違ったら報告はしてほしい。それでもし全員が「いらん」って言ったら、それはもう本当にいらなくなったってことだから。
梅ちゃん でもそれ、先輩によって違ってくるって嫌やなあ。
ひろ先輩 そう、それが嫌なところやと思うねん。でも気をつけてほしいと思って。
梅ちゃん いつも見てくれている先輩以外は、自分(新人さん)がどれだけできるようになっているかわかってないから、病棟の先輩たちみんなが「あの子はこれがわかってる」って認めてくれるまでには時間がかかると思っておいたほうがいいよね。
だから、できるところは自分から「これやります」と言ってやっていくいとか、地道やけど、先輩たちみんなにわかってもらうための行動は必要やねん。やってやり過ぎることはないと思う。報告してし過ぎることはないと思う。それで「あ、この子はもう大丈夫」って先輩たちと信頼関係ができたら大丈夫だから。そしたら仕事もしやすくなる。
ひろ先輩 そうそう、そうなったらいちばん嬉しいのは誰か知ってますか? 新人さんも仕事がしやすくなって嬉しいと思うけど、私たち先輩も嬉しいねん! わかります? 新人さんから手が離れることはいちばん嬉しい! 早く任せたいから、早く成長してほしいから、「これ知ってる?」とか質問もするし、いろんな課題とか、「これ勉強しておいで」とか、「これほんまにわかる?」とか、質問ばっかりするの。それは早く成長してほしいから。早くステップアップさせてあげたいから、どこがわからへんのかを把握して、何を教えてあげればいいのかを考えるために、質問してるねん。だから、質問されるからって、問い詰められているとか、試されているとか思わなくていいから。先輩が質問するは、新人さんがどうしたら早く一人前になってくれるかを考えているからだからね。
梅ちゃん 1年目の新人の時は気づきにくいけど、これも2年目、3年目になれば、先輩ががんばって教育プログラムを立ててくれていたことに気づくよね。自分のことを考えてくれていた先輩がこんなにおったんやってことに。
ひろ先輩 そして先輩たちは、新人さんの良い面だったり、こういうところがもっと伸びたらいいということを先輩同士で話したりするんですね。たまにそれが耳に入ってきたりするかもしれへんけど、それで「うわ、陰口を言われてる」と思わなくていいから。それは本当に「どこを伸ばしたらいいか」を話しているだけだから。
梅ちゃん そう、たしかに先輩同士で話されていることはたくさんあるよね。
ひろ先輩 新人対先輩みたいに感じるかもしれんけど、自分を一人前にするプロジェクトが進んでいるんだなと思っておいてもらうといいと思う。そのプロジェクトが早く進んで完了することが、新人さんにとってもいいことだから。ずっと見られているとか、もう嫌やと思うのもよくわかる。緊張するしね。
梅ちゃん 最初に先輩たちと信頼関係を作るのに時間がかかると思うけど、その試行錯誤する時間も絶対にあとで無駄にはならないから、とにかくコミュニケーションをとるようにして欲しい。心配なことも、不安なことも、失敗したことも、とにかく全部先輩に言う。「これ不安なんです。1回しかやったことなくて」とか、「これ、〇〇先輩に前に教えてもらったんですけど、自分でやるのは初めてなんです」とか。そうや、この手技とかはやるのが何回目なんかとかも言ってもらえるといいかも。「このケア〇回目なんです。だから不安なんです」とか言ってもらえたら、「あ、〇回目やったらこれくらいかな」とわかったうえで指導に入れるから、先輩としても指導がしやすいと思う。何も言わずに付いてくるだけの新人さんもいるけど、どこでどれだけ教えてもらってどの段階にいるのかわからへんから、どこまで教えたらいいんかがわからへんようになる。私はもう、めっちゃ言いました(笑)。怖かったから。患者さんの命をいちばんに守らないといけないので、そのためには恥を忍んででも、誰にでもいいから助けを求めてください。
ひろ先輩 プライドは捨てような。プライドは持ってないほうがいいからね!
梅ちゃん 失敗して当たり前。先輩もみんなそう思ってるから。
ひろ先輩 そう、だから大丈夫!私は新人だから何も知らないから教えてもらっているって、開き直るくらいの気持ちでいたほうがいいと思うねん(笑)。
梅ちゃん ちょっとでもできるところ見せなきゃとか思わなくていいからね。できないから教えてくださいの気持ちでいいから。そして言われたこと、教えてもらったことにはちゃんと答える。これでしっかり成長できるから。
つづく