
【著者】
2025年3月に書籍『Dr.石橋のスーパーミラクルキャッチ☆循環器薬』が刊行されました。循環器、くすり…ちょっと苦手だな、という方にぜひおすすめしたい一冊です。薬の特徴についてイラストを満載でさくっと解説し、「循環器薬」の概要をつかむことができます。楽しく学べる内容にまとめていただいた著者の石橋先生に、循環器薬と本書についておたずねしました。
循環器薬を扱う上で、ズバリどんなことに気をつければいいでしょう?
循環器疾患は命に関わる病態であることが多く、薬物投与においても素早く的確な判断が求められます。投与直後からバイタルサインが変化することもありますが、そんな薬剤はごく一部。必要以上に恐れることはないと思います。
でも、どうしても苦手という話もよく聞きます。
そうですね。「この薬を投与したら、体に何が起こるんだろう?」ということを意識することが大切だと思います。あと、時間軸。
時間軸? 聞きなれない言葉ですが。
薬の効果がどのくらいで現れるのか? これが短い薬が多いのが循環器薬の特徴です。即効性が半端ないですね。例えばニトログリセリンという薬剤、狭心症の治療に用いるのですが、舌下では数分、カテーテルを用いて冠動脈内に投与すれば数秒で血管拡張が得られます。
それは緊張しますね。
ただし、数分で変化が現れるような薬は基本的に医師が投与します。シリンジポンプで用いる薬剤は、血圧や脈拍を大きく変化させますが、それでも数分後ですし、看護師さんにお願いするときは安全域から開始しますから大丈夫。急な変化が予想されるときは必ずベッドサイドにいますしね。投与後の変化もだいたい決まっているので、実は安全な薬だと思っています。
ちょっと安心しました 笑。さて、本書のオススメはどんなところですか?
うちにも循環器薬に苦手意識を持っているスタッフがたくさんいます。それをちょっとでも少なくできるよう、短い説明文やキャッチフレーズ、個性的なイラストを総動員してこの本を書きました。みなさんの生活を彩るものになれればいいのですが。
カラフルな本ですよね。
イラストがたくさんあるところが気に入っています。ほとんどのイラストは原図を自分が描いているんです。それをイラストレーターの方が本当に上手に仕上げてくれて大感謝です。夢は原画展を開くことです!
それはちょっと…笑 上長に伝えておきます。そのほかに気をつけたことは?
看護師さんはみんな真面目で、きちんとした表現が大好きです。投与方法などはがんばって正確に記載しました。ただあくまでも臨床現場での使用を優先したので、泣く泣く割愛した部分もあります。主たる副作用もアセスメントのワンポイントに落とし込めたので、かなり満足しています。皆さんの業務の省力化に貢献できると思うんですけど。
内服薬も多く取り上げられていますね。
はい。最近は個性的な薬も多く扱われるようになっており、外来業務や訪問看護でも役立つよう、内服薬も幅広く取り上げました。降圧薬や抗血栓薬も紹介できてよかったです。凝固系で出てくるうさぎのイラストがとても可愛いくてお気に入り。たとえば看護の現場で、この本を患者さんと一緒に見てもらえるようなことがあれば最高ですね!
それは楽しみですね。最後に、循環器患者さんに関わる医療者への応援メッセージをお願いします。
はい。循環器疾患は、緊急対応の主役である一方、生活習慣病の代表でもあり、幅広く患者さんの健康に関わる病気です。循環器薬は、そんなさまざまなステージにある患者さんの生活を整える手段の一つです。自信をもって、あたたかく患者さんに接してほしいです。人を動かすのはやっぱり人でしかない。患者さんはプロである皆さんを常に見ているし、信頼しています。どんなにひよっ子ナースさんでも、一生懸命な姿があれば大丈夫。がんばってください。自分もがんばります!
2025年3月28日
石橋克彦
書籍の案内

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発行:2025年4月
サイズ:A5判 144頁
価格:2,420円(税込)
ISBN:978-4-8404-8796-2
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