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【著者】
讃岐 美智義
NHO呉医療センター 臨床研究部長・中央手術部長・麻酔科科長

2025年10月に刊行された書籍『改訂2版 Dr.讃岐のツルっと明解! 周術期でよくつかう薬の必須ちしき』(詳細はこちら)について、イチオシ! のポイントや、どんなナースにオススメか……など、著者の讃岐美智義先生に語っていただきました。



どんな方に読んでほしい本ですか?

麻酔科領域に関わるすべての方々に読んでいただきたいと考えています。特に、看護師のみなさんだけでなく、薬剤師、臨床工学技士、研修医の皆さんをはじめとする周術期にかかわる方々全般に、周術期管理の理解を深めるうえで大変役立つ内容となっています。麻酔薬や使用量、副作用、禁忌だけをまとめた従来の薬品集では得られない、「どういう状況で、どんなふうに使うのか」という実践的な使い方や、ざっくりとした作用の仕組みを理解する助けになります。

初版がロングセラーとなりましたが、今回の改訂2版のイチオシポイントを教えてください。

初版刊行から約9年が経過し、その間に周術期薬を取り巻く環境も大きく変化しました。たとえば新しい静脈麻酔薬レミマゾラムの登場や、エビデンスの更新に伴い各種ガイドラインが改訂されるなど、この9年で現場の常識も様変わりしました。今回の改訂2版では、そうした新薬や最新ガイドラインに基づく内容を盛り込み、新しい知見を反映しました。同時に、初版の最大の魅力である「話し言葉によるライブ感」はそのままに、構成と言い回しをブラッシュアップし、要点がよりクリアに伝わるようにしました。

「読んでみようかな? どうしようかな?」と迷っている方に一言

この本は、麻酔科で使う薬のことが「おもしろい、わかりやすい、すーっと頭に入ってくる」と感じてもらえるように書かれています。麻酔薬や循環作動薬は、単に作用や名前を覚えるのが難しいと思われがちですが、本当に知りたいのは、「周術期管理の背景を理解し、薬の作用を実践的に把握する」ことではないでしょうか。

本書を読むことで、薬の知識と周術期における観察ポイントをセットで学べ、周術期管理の理解が深まります。知識を身につけることが、日々の臨床で直面する疑問やトラブルへの対応力を高め、患者さんの安全と快適な手術後の回復に貢献する第一歩となります。ぜひ手に取って、あなたのスキルアップにお役立てください。

10月11日(土)に書籍改訂記念セミナー(ライブ配信)が開催されます。セミナーの聴きどころも教えてください。

セミナーでは、たいへんご無沙汰しております。最近は1〜2年に1回程度しか開催できず、心苦しく思っています。その分、今回はぎゅっと面白さや楽しさを詰め込んだセミナーにしたいと考えています。改訂2版の内容だけでなく、これまで『オペナーシング』の特集に登場したキャラクターたちも登場予定です。手術室だけでなく、病棟ナースにも役立つテーマを盛り込み、麻酔薬に限らず周術期に使用する薬の実践的な使い方を取り上げます

たとえば、昇圧薬の分類と使い分けとして、ノルアドレナリン(王子様)、ドブタミン(上級貴族)、ドパミン(下級貴族)、アドレナリン(王様)といったユニークなイメージを用いながら、それぞれの薬剤の個性や、敗血症性ショックやアナフィラキシーショックといった特定病態での最適な選択を学べます。

さらに最新のトピックとして、中心静脈ルートが確保できない場合における低濃度ノルアドレナリンの末梢持続投与の安全性と手順についても紹介します。臨床現場ですぐに役立つ具体的な知識を持ち帰っていただけるでしょう。

単なる知識の羅列ではなく、「仕組みがわかるとケッコーおもしろい」と思っていただけるような、そして明日からの臨床が変わる実践的な内容が満載のセミナーにしたいと思います。

書籍のご案内




『改訂2版 Dr.讃岐のツルっと明解! 周術期でよくつかう薬の必須ちしき』

メディカのセミナー濃縮ライブシリーズ
改訂2版 Dr.讃岐のツルっと明解! 周術期でよくつかう薬の必須ちしき
病棟ナースにもさらさら役立つ

麻酔科医の考え方が、楽しく身につく!
メディカ出版の人気セミナー1日分のエッセンスを、話し言葉そのままに読みやすく再現した人気書籍の改訂版。最新の薬剤情報に基づき、麻酔薬や降圧薬などを「なぜそうするのか?」から丁寧に解説。いまのケアや治療の流れがつかめ、患者への理解がいっそう深まることで、知識がしっかり胸に刻まれる。麻酔・周術期に関わる全ナース・研修医必読。

発行:2025年10月
サイズ:A5判 344頁
価格:3,740円(税込)
ISBN:978-4-8404-8849-5
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セミナーのご案内






ライブ配信(アーカイブ配信付):手術室
Dr.讃岐のツルっと明解! 周術期でよくつかう薬の必須ちしき
配信日:10月11日(土)10時~12時10分


▼<プログラム>

*講義内容は多少変更がある場合がございます



1)薬は「使うときの状況」を知らないとダメ!
・「薬を使う状況を理解する」ことの大切さ
・周術期薬を理解した看護師の存在に期待が集まっている

2)全身麻酔とセデーション
・現代の麻酔は、鎮静、鎮痛、筋弛緩の3つで行っている
・マイケル・ジャクソンの死に学ぶ、本当のセデーション
・鎮静薬の作用
・静脈麻酔薬と吸入麻酔薬
・麻酔用鎮痛薬

3)筋弛緩薬
・筋弛緩薬はどのように効くのか?
・スキサメトニウムとロクロニウム
・リバース薬(拮抗薬)を理解する
・筋弛緩モニターを読み取る

4)昇圧薬と降圧薬
・危険な低血圧
・昇圧薬をマスターしよう
・昇圧薬はどの順番で使ったらよいのか
・麻酔ではどうして血圧が下がるの? なぜ術後に血圧は上昇するのか?
・降圧薬をマスターしよう

5)輸液・輸血とイン・アウトバランス
・ボリュームか、末梢血管か、心機能か?
・イン・アウトバランスの考え方
・輸液量と周術期リスクの関係
・代表的な輸液製剤をおさえよう
・術中輸血の考え方

6)質疑応答
皆さまの質問に回答いたします。
※ZoomのQ&Aボタンよりご質問いただけます。