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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「1番の困難を乗り越えたとき」です。

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今回のテーマは「1番の困難を乗り越えたとき」ですが、ずっと悩みました。
「1番の困難……、もしかして今後もっと困難が起こるかもしれないし、いままでの困難もなんとか乗り越えてきたから1番じゃないかもしれないし……」と。
こんなこと考えているから、いつまでたっても優柔不断な性格が治りません(笑)。

看護師をしていての困難ってなんでしょうか。
たぶん「苦手とするものとの対峙するとき」なのでしょう。
じっと向き合う、逃げられない環境がいちばん困難ですよね。
具体的には夜勤で看護師が少ない時間での緊急入院とか、急変とか。
精神科だと自殺、自傷行為を発見したときなど、「平時ではないことが起きているとき」に対応しないといけないことが困難なことかと思います。

僕が体験した最近の困難は患者さんからの暴力事件でしょうか。
詳細は書けませんが、夜勤中に全身殴られ蹴られたとき。
あれは患者さんを抑え込もうにも勢いがありすぎてどうにもならなかったし、ほかの看護師は偶然にもそれぞれ別の場所にいたから助けを呼ぶのも時間がかかった。
せいぜいほかの患者さんから見えないようにナースステーションに誘導したことぐらいが自分にできたことでしたね。
とはいえ、ナースステーションで起きている出来事なので、いろんな患者さんが目撃することにはなるのですが、その後その事件で不穏になる患者さんはいなくて、むしろ「大丈夫ですか、夜勤明けたら病院で診てもらってくださいね」「大変な仕事なんですね」などいろんな患者さんから励まされまして、それがうれしかったことを覚えています。

まあ、こんな出来事そんなにはないですし、起きてほしくないですけどね(笑)。


あと、私は点滴の留置がすごく苦手。
さすがに12年も看護師やっているとできるようにはなっていますが、それでも苦手。
むしろ自分より経験年数の少ない人から点滴留置を頼まれることも多く、そういうときは嫌な顔ひとつせずにやりますが、内心は「いやだ」の一言。
ちゃんと血管確保できて点滴留置できたときは、もうすべての仕事が終わったぐらいの達成感で、朝イチにそれができると、あとの仕事はほとんど達成感はありません(笑)。

なにか達成したあとは、自分が大きく成長している気がします。
それは年齢に関係なく、経験年数も関係なく成長します。
まあ、いろんな経験ができたからこそ、看護師という仕事をしていてよかったかもしれません。

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

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