「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回は「人生の最期」を綴っていただきました。
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看護師時代、たくさんの方々の、最期に向かっていく姿をみた。
愛のある空間、残念ながらそうでない空間、どちらもあった。
誰1人、同じように感じるものはなくて、まさにその方の人生そのものを表しているようだった。
看護師になっていなければ、知り得なかった世界だと思う。
同時に、あることに気づいた。
いろんな方の最期をみているうちに、
“自分の行いは自分に返ってくる”って本当なんだなぁ、
と思うようになった。
某人気アニメの某キャラクターが言った有名な台詞、わたしは「そう、そうなんだよ……!」と思いながら見ていた。
いわゆる、因果応報ってやつ。
最期の最期の瞬間に感じられる、その人の生きざま。
もうそろそろ……という時期が近づくと、家族・親戚が集まってくる。
こういうシーンはとくに珍しくはない。
だが、まれに、非常に慕われていただろうと容易に想像のつくベッドサイドをお見受けする。
たくさんの思い出が飾ってあり、頻繁に、多くの人が集まっている。
お別れを惜しむ悲しい気持ちは伝わるのだが、どことなく雰囲気は穏やか。
非常にあたたかく、優しい空間だ。
看護師に対しても、患者さんはもちろん周りの方もとても丁寧かつ親切な印象です。
“感謝”とか“ありがとう”が飛び交っている。
きっと看護師にも丁寧に接してくれているように、身の回りの方々を大切に、丁寧に対応したから、このように慕われて、この瞬間があるのだろう。
残念ながら、その逆もあった。
過去を嘆く患者さん、僻み妬みがとまらない患者さん、あえて1人を選んだ患者さん、など、いろいろなパターンがあったが、多くの場合、リース品以外ほとんど物がなく、閑散としたベッドサイド。
面会者はいなく、心臓がとまったら連絡。たったそれだけ。
こちらまで苦しさが伝わるような、そんな空間。
患者さんのなかには「家族に恵まれなくて……」と嘆く方もいる。
だが、ご家族に恵まれなかった方でも、素敵な最期を迎える方もたくさんいる。
ご友人、お仕事仲間、ご近所さん、施設のスタッフさん、などなど。
愛情を与え合えるのは、家族だけではないはずだ。
身の回りにある、小さな幸せや感謝に気づかなかったからこその結果なんだな、と思ってしまう。
もちろん、全員が全員ではないけど……。
とまあ、今回のテーマに関しては、いろいろと思うところはある。
どのような最期が良いのかは人それぞれだが、わたしは愛する人たちに囲まれて逝きたい。
そのために、日々、誠実に生きていかねば。
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fractale~satomi~
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三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。
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