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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回は「信頼できる医療者」を綴っていただきました。

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この時代、SNSの誹謗中傷もそうですけど、何を言っても何かしら言われてしまう時代。
思いもよらぬ方向から。

気分の良いものではない。

ある芸人さんが“芸人にとって生きにくい世界”と言っていた。
あまりに突飛なネタだと炎上してしまう可能性があるので、やりたいことを躊躇せざるを得ないという。
“つまんない人間よ”って、本人が言ってしまう。
お笑い芸人なのに。
意識してなかったけどわたしはどうやらお笑いが好きらしいので、やるせない気持ちになる。

わたしのパートナーも、先日ぼそっと“テレビ見てると、必ずひとつの画面にひとつは何かしらの注釈があるね”と言った。

豆まき用の豆の袋には、“みんながみんな、悪い鬼ではありません”と書いてあった。
きっと鬼滅の全盛期だったし、そんなクレームがきたのかな、と予想した。

物事にはいろいろと例外があるものだけど、それも1つひとつ対応しないと、クレームが来る時代。

しかも、タチが悪いのは、1回悪い情報が流れてしまえば、簡単に拡散されてしまう時代。

本当にやりたいこと、伝えたいことを隠し、無難に無難に。
鬼の注釈なんかは過剰であり、典型例なんじゃないかとわたしは感じる。
けど、そんな例も増えたのではないかと思う。

まあ、前置きが長くなったけど、医療界の中でも同じようなことはもちろんある。

事実のIC(インフォームド・コンセント)をしても、相手にとっては逆鱗に触れてしまうこともある。
言い方が悪いととらえられてしまう場合もある。
有資格者にとってそれは死活問題となる場合もある。

そんな背景があるからか、余命宣告、悪化していること、過度な治療のデメリットなどなど、ネガティブな内容を伝えるのが本当に難しくなっている。

ある先生が“本当に日々怖いよ。裁判になってる医者もいる。いろんな人の話を聞くけど、明日は我が身だと思ってる”と言っていた。

わたし個人の意見にはなるけど、こんな時代だからこそ、事実をありのまま伝えられる人は信頼できると思ってる。
言いにくいことも、予測できないことも踏まえながら伝えてくれる。
厳しいことを言うのも優しさだから。
ただ、これは自身が医療者であり、病態がわかるから、理解できるのかもしれない。

患者さん目線で考えるならば、“本人”や“家族”にとってはどうかの視点を持ち合わせている人……つまり、病気だけでなく、その人自身、その人の周り、その後の人生を踏まえて話をしてくれる人は信頼できると思う。

例えば、

“命は助けられるけど、介護が必要になる”

とか。非常に難しい問題だと思う。

少なくとも、多くの業務に追われ、時間のないなかでも、丁寧に向き合ってくれる人は、何かあっても誠実に対応してくれるだろうし、信じて間違いないんじゃないかな。

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fractale~satomi~
twitter:さとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

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