▼バックナンバーを読む

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「仕事で季節を感じるとき」です。

---------------------

今回の「仕事で季節を感じるとき」って、とても精神科に向いたテーマだと思いませんか?
精神科で働いたことがある人ならわかりますが、季節ってとても大切にします。
そして働いていても季節の変化がとてもわかりやすいです。

まず精神科病棟では季節のイベントを大切にします。
まあ、いまは感染症などありまして、なかなか集合してのイベントは難しかったりしますが、それでも病棟を飾り付けたりして、四季を感じてもらうようにしています。
これはやはり病棟内で過ごす時間が多いと、季節感覚を失うんですよね。
毎日エアコンでほぼ同じ気温、ほぼ同じ生活リズムで過ごしているためです。
あとはやはり「楽しみ」があることは大切です。
例えばクリスマスケーキを食べるとか夏祭りをしたらかき氷を食べるとか、そのような季節の食べ物が食べられる患者さんにとって「テンションの上がる」イベントを開催し楽しんでもらいます。

まあ、季節の変わり目って良いことばかりではなくて……。

精神科の患者さんって、いろいろな変化に弱いんです。
だから、こういう季節の変化にも弱い人が多い。

こういう記事を書いている私だって、季節の変わり目って体調がおかしくなったり、不眠で悩まされることがあります。
それと同じく、精神的に不安定になられる患者さんが多くいらっしゃいます。
急に多弁になったり、ふさぎ込みがちになったり、ささいなことでトラブルを作るような患者さんが多くなります。
なんとなくそういう患者さんが増えてくると「あー、季節の変わり目だな」って思いながら仕事をしています。

なんかこればかりはどうしようもないじゃないですか。
自然の摂理というか、人間も自然界に生きているんだなって思います。
だから季節が変わりゆくときは患者さんの様子から感じることが多いですね。
日々観察しているからこそ、ささいな変化をとらえられる精神科看護師の特技かもしれません。

人間はいつも同じコンディションなわけはないし、同じ感情でいられるわけもない。
自然のなかで生きている以上、季節の変化によっても私たちのコンディションも変わると思います。
それは患者さんではなく私たちもまったく同じ。

「ちょっと怒りっぽいな」「なんか患者さんから言われた一言が気にかかる」とか「今日はやたら疲れるな」と思ったら「季節の変わり目なのかも」って思い、すべて季節のせいにしてしまうと気持ちが楽になるかもしれません。

なんだか気がつけばあっという間に冬。そして12月も中旬。
患者さんのことだけではなく、自分自身のコンディションも整えて、また来る季節の変わり目に向けて整えておきたいですね。

編集部からのお知らせ

フラクタルのお二人に書いてもらいたいテーマを募集しています。
ご希望のテーマをこちら宛にメールをいただくか
#フラクタルのテーマ とハッシュタグをつけてTwitterでご投稿ください。

▼バックナンバーを読む

-----------------------------
fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ12年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/