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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「転職のタイミング」です。

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今回のテーマは「転職のタイミング」ということですが、みなさんは何回ぐらい人生で転職しているでしょうか。
そして転職してよかったでしょうか、悪かったでしょうか。

転職って非常に肯定的に思われる感じが看護師業界にはあります。
なんだろ、X(旧Twitter)でも「仕事辞めました」ってつぶやくとすごくいいねが付いたりします。
私も転職を繰り返している人間なのですが、私は転職には否定的です。

どうしても転職しないといけないことって人生にはありますよね。
引っ越しとか家族の都合とか。
そういうのを除いたら、できる限り「1つの場所で長く勤めあげたい」と思うのが僕の本音です。
とはいいつつ、最近は転職も考えていますが(笑)。

私は大学卒業後すぐに看護師になったわけではなく、そもそも大学も看護系ではありません。
僕がちょうど大学を卒業したころに日本全体が不況に陥り、とくに大学のあった北海道は壊滅的に就職先がなくなりました。
地元のメインバンクが潰れるほどでしたから。
なので、大学卒業後は正社員ではなく、結構長く派遣や期間従業員として働いていました。
同じ仕事をしていても正社員のように守られていない環境が結構嫌でした。
正社員に憧れを持ちながら若いうちは働いていました。

そして1度だけ看護師じゃない時代に正社員になったのですが、今思えば長くいなくてよかったなと思うような労働環境。
正社員になったものの、長く続けられなかった自分に落ち込んだりしました。

その後看護師になりましたが、看護師になったら普通に正社員で雇用されるじゃないですか。
なんかすごくうれしかった反面、正社員になったからという責任の重大さなんかを考えてしまいました。
だからなんかその重圧から逃れるのも大変で、結局は出勤できなくなるまで精神的に追い詰められました。

看護師になってからは、いろんな転職がありました。
「本当にこれは正しい看護技術なの?」と思い、しっかりとした教育基盤のある病院に行きたくて転職したり、精神的に追い込まれたから転職したとか、Twitterで声をかけられたからそこに行ったとか……。
たくさん転職しましたね。

個人的な考えとして、転職は少ないほうが良いと思います。
それは時代は変われど社会的な「ものさし」として今の企業にどれぐらい在籍しているかって大切な尺度だと思うんです。
事情があって採用する立場にもなったことがありますが、転職ばかり繰り返している人は「きっとうちでも長くいないだろう」とか思ってしまうからです。
また、退職金なども変わってきますからね。

ただ、苦しくても働けとは絶対に思わない。
苦しいならすぐに変わるべき。
苦い水は待っていても甘くはなりません。
選択できるうちはたくさんの選択をしたほうがいいと思うんです。

苦しくなったら転職。
でも、少し苦しいぐらいならがんばろうかなと思ったりします。

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ12年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

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