▼バックナンバーを読む

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「もし最初の仕事を続けていたら」です。

---------------------

僕が看護師になったのは2011年。
そう、東日本大震災の発生した年。

福島県の実家近くの病院に就職した僕は、千葉の親戚の家に避難していました。
実家はさほど被害がないものの、水が出ないことと、精神的な疲労から避難していました。
そのため入社式にも参加できませんでした。

看護師として働き始めると、それはそれは目の回るような、いや、目が回りすぎて止まっているような感じでした。
本当に「なにをしていいのかわからない」。
いままで何年も社会人として働いてきて、こんなにもわけのわからない世界は初めてでした。
日々やることが変わるし、昨日学んだことも活かせない。
え、昨日メモしたのはなにって感じです。
なんかそれって損をしている感じがしてものすごく嫌でした。
無駄なことをしているような気持ちで、しかも看護師としての仕事なのか、別に他の職種でもできるんじゃないかなと。
なんか自分の存在価値も否定されている感じがしました。
 
結局は3カ月ぐらいで、職場にいけなくなり退職。
なんというか、つらかったというより「看護師なんて続けられないな」と思ったのを覚えています。
 
だから、その仕事を続けている未来は見えないですね。
 
最初の仕事を続けるって、当たり前の話だとは思うんですが、なかなかうまくいかないと思います。
転職回数がとても多い私。
僕の気持ちとしては「1つの会社でずっと働く」ことをしたいのですが、どういう運命なのか、全然長続きしません。
嫌で辞めたことより「新しいことをしたくて辞めた」ことのほうが多いですが、それにしても長続きしなさすぎだろって思います。

まあ、履歴書なんて人に見せて、転職の少なさを競うものでも多さを競うものでもないし、自分の人生、苦しくなく生きることが大切かなと思ってます。
 
この4月から新社会人や、転職で新しい仕事をはじめた皆様へ。
1つのことを続ける大切さもありますが、いろんな世界を知る大切さもあります。
心をなくしてしまう前に、自分が無理せずできる仕事を探しましょうね。

編集部からのお知らせ

フラクタルのお二人に書いてもらいたいテーマを募集しています。
ご希望のテーマをこちら宛にメールをいただくか
#フラクタルのテーマ とハッシュタグをつけてTwitterでご投稿ください。

▼バックナンバーを読む

-----------------------------
fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ12年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/