看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。
「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回は「ウソをつかなきゃよかったと思ったこと」を綴っていただきました。
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今回のテーマ、人間性の出る部分かもしれませんね。
なかなか興味深いです。
基本的にウソをつく人を信頼しません。
息を吐くようにウソをつく人がいますが、ほんとあれはどうかと思いますね。
しかも悪びれない。
ウソがすべて悪いとは思いません。
人を傷つけないための優しいウソは必要になることもあると思います。
このあたりの線引きってとても難しいんですが。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回はウソをついてしまったときのお話をします。
新人時代、先輩に「◯◯ってわかる?」とよく聞かれました。
目をつけられてしまった同期は、この質問を受けることもなく先輩から質問攻めにあい、コテンパンにやられていました。
先輩からそこそこ放置されていた組は、この質問に答えるという選択肢が与えられます。
横には質問攻めにあい半泣きの同期。
わたしはというと、正直、ざっくりとしかわからない。
「じゃあ、説明して?」と言われたら一巻の終わり。
だけど、わたしの回答は決まって一択。
「はい、わかります」
また、言ってしまった。
先輩に怒られたくないという気持ちと、早く終わらせてラウンドしたいという気持ちが勝ってしまいました。
新人時代は、よほどわからないことや初めてのことでない限り、このようにすり抜けてきてしまいました。
結果。
2年目となった際、自分の知識がかなり欠損していることに気付きました。
先輩からの指導から逃げてきてしまったので、教え方がわからないだけでなく、後輩への指導もざっくりとしかできなくなってしまいました。
細かく理解していく後輩に追い抜かれるのではないかという恐怖。
見えない何かに追いかけられているようでした。
さすがに焦り、恥ずかしながら一気に勉強し直しました。
不足している知識を埋めるだけとはいえ、数日単位でできるものではなく、かなり焦った記憶があります。
もっと先輩に頼ってきちんと知識を埋めていけば良かった。
先輩によく言われていた「今しか聞けないから」を痛感。
本当に、いまさら聞けない。
やっていることは正しいのに、それの理由づけができない。
ここまで逃げてきた自分を恥じました。
看護の怖いところは、表面のみの暗記でも何とかなった感じに見えてしまうところ。
そして実際に何とかなってしまうことも多い。
でも、いざというとき、深い知識とそれに基づく蓄積された経験に勝るものはない。
今から学ぶ人は、ぜひ一つひとつ学んでいってほしいと思います。
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三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。
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