看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「好きな検査値」です。


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物事に対する執着心があんまりないわたしにとって、とくに好きなデータはない。
強いて言えば、響きが好きなデータならあるので、今回はそのお話。

おそらく仕事に慣れないうちは、看護師同士の会話を聞いたとき、文字なら見て理解できるのに、聞くだけだとまったくわからない検査値ってものすごく多いと思う。

わたしの育った病棟は、化学療法の多い病棟でもあった。
朝、リーダーとの申し送りのときに、これを聞いたときはおったまげた。


「あ、この人、今日ラボデータ確認してね。前回ノイトロ低かったんだよね? サプレッション気を付けてデータ見てね。ワイセとか、プレートとか、ハーベーね」


なんやねん。

ワタシハダレトハナシテルノ。

どこかへ脳内トリップした。まだわたしの行ったことのない国。


先ほどの横文字を日本語変換すると、こうなる。


「あ、この人、今日採血検査結果確認してね。前回、好中球低かったんだよね? 骨髄抑制気を付けて採血結果見てね。白血球とか、血小板とか、血色素(ヘモグロビン)ね」


これでようやく、理解できる。

当時は脳内トリップしたまま戻ってこられなかったけど、今なら戻ってこられる。
けど、よくよく見てみると漢字だらけでこれまた日本語離れしている。

どうやら医療界はグローバルなのだろうか。

ワタシニホンジンナノ。


謎横文字のほかに、謎略語もたくさんある。

例えば、K=カリ。
なぜ、“ウム”のみ略すのでしょう。

カリウム、たったの4文字。
そんなに長くない。

かたや、Ca=カルシウム。
この法則でいけば、“カル”で良いはずじゃないか。
こっちの方が文字数は多いのに略さない。

そういえば、Na=ナトリウム。
“ナト”と略した人もあまり見たことない。
と思いきや、“低ナト”となると、容赦なく略される“リウム”。

なぜだ? 法則もわからないし、謎は深まる、むむむ。


と、妄想に妄想を重ねると人によっては(とくにわたしのような変人は)なかなか楽しくなってくるので、自分なりの楽しみを見いだして、データと格闘していってください。

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#001 はじめての尿道カテーテル


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fractale~satomi~
twitter:自由人ナースさとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

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