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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「訪問看護の魅力」です。

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前回の病棟看護の魅力に続き、今回は訪問看護の魅力についてです。

僕は現在、常勤として病棟で働き、まったく病院とは関係のない訪問看護ステーションにて非常勤で働いています。
訪問看護ステーションが都内にあるので、緊急事態宣言中などはお休みにしています。
そのためどっぷりと訪問看護にはまっているわけではないんですが、むしろライトな見方で今回は考えたいと思います。

訪問看護の魅力は、やはり「1回の訪問にかける熱意」ではないでしょうか。
特別な指示がない限り、その利用者さんの家に行くのは1週間に1~3回程度。
時間も30分から1時間程度。
その利用者さんの1週間のうち1日、そしてそのなかでもたった1時間程度が訪問でケアをできる時間なんです。
働く側としては、1日のスケジューリングをするときに「ここの利用者さんに行って、そのあとここで」なんて考えますが、利用者さんにとっては「待ちに待った時間」となっているのも確か。
そのわずかな時間にこちらもケアを提供する。
この限られた時間だからこそ、われわれ看護師も最大限に能力を発揮して、いかに良いケアをするかを考えます。

病棟でも、ケアをするときは頭をフル回転にし、どうすれば良いか考えますよね。
けど、ここには訪問と違う点があって、限られた資源と自分の能力で戦うしかないんです。
病棟だとケアが大変な人は複数でいくし、なにか不足した物品があってもすぐに取ってこれる。
けど、訪問は自分の持ち物と自分の能力で利用者さんにケアをしないといけない。

ただこれも、苦しいわけではなく楽しいんですよ。
家族に協力してもらえれば、家族も利用者さんの理解につながるし、物品も工夫次第でなんとかなる。
あと自分の知識にないものは、ステーションの人たちに連絡して相談すればいい。
そしてやり遂げた達成感は、なんとも言えません。

自分の能力、知識をフルに活用するから、看護の考え方の幅が広くなるというより奥が深くなります。
長年訪問看護をしている人の手技をみると、なるほどなと思う工夫点ばかりだし、利用者さんと会話をすると、自分の人生がなんて軽いものなんだと思ってしまいます(笑)。

訪問看護、個人的には病棟看護を経験してからのほうが面白さは増えると思います。

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

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