著者:小野坂益成 (松蔭大学看護学部精神看護学講師)



みなさん

『空気』って、読めますか?

通常、『空気』には文字がかけないので、だいたいはその場の雰囲気や人の表情や態度などから状況を読むという意味になりますよね。
でも、雰囲気などから状況を読み取るということは、なかなか難しいワザなのです。

私が小さなころの恥ずかしい出来事。
自転車で友だちの家に遊びに行った帰り、雨が降ってきました。
自転車が濡れてしまっているので、友だちの家族がタオルを貸してくれて、私はサドルとハンドルを拭きました。
そのときの友だち家族の驚いた顔は忘れられません。
たぶん、『空気』が読めなかったんだと。

そして、よくわからないまま時は過ぎ……。
いろいろな経験(恥ずかしい経験や人にアドバイスをもらう経験)を重ねて大人になって、「あっ、あのとき💦」と、当時の出来事を急に思い出したのです。
もしかしたら、サドルを拭くようにと渡してもらったけど、ハンドルなどそこ以外も拭いていたので、戸惑っていたのかも……💦
恥ずかしさがぶり返した経験があります。

でも最終的には、そんなことは、当時の私にはわからん!わからんもんはわからん!という境地に至りました。

『空気を読む』ことは、表情などのノンバーバルコミュニケーションから読み取ることも重要ですが、それまでその人が経験した出来事もからも培われますし、あとは文化的な背景も影響しますよね。
周りの集団との共通認識・マナーとかルールとか、言語化されていないものも『空気を読む』に影響していると思いませんか?

ほかにもいろいろありますが、結局『空気』は形を変えます。
『空気』が読めるのが良いのかもしれませんが、いつもできるわけじゃないし、得意・不得意は誰しもある。
もし不得意だったり、わからないときは「わからん」と、周りに確認するのが一番ですよ。

だって、相手や周りと経験や歴史が違うんですから💦
思い込みや勘違いを起こすリスクもある。
その人や周りに聞く。それが一番正確です!

※書籍『対人関係が上手い看護師があたりまえにやっている50のこと』(詳しくはこちら)にも、ノンバーバルコミュニケーションについてのワザをPickupして載せています。興味がある方はお読みいただけると幸いです!

【根拠】
ノンバーバルコミュニケーション・場の空気

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