著者:小野坂益成 (松蔭大学看護学部精神看護学講師)
みなさんは、正直者ですか?
私は、一時期バカ正直な時期がありました。
そこまで言っちゃうの?って状況ですね。
とくに失敗したなと思ったのは、はじめに就職した病院から転職しようと考えていたときです。
当時は長らく消化器外科で働いており、“このままで良いのか”と途中からキャリアに悩んでいました。
(この話は、また後日お話しするかもですが)
気分的にダウンになってしまうくらい、モヤモヤした状態です。
そこで、キャリアを見直しました。元々こころに興味があったこともあり、精神科で働きたいと考えたのです。
では、どこに再就職するのか?
自分は、長いキャリアのこと(健康のことも)を考え、福利厚生を重点に置いて就職先を考えました。そう、それは公務員!
いま思うと短絡的でしたが受験したのです!
一次試験は通ったのですが、二次試験の面接で志望動機を聞かれ、何を思ったのかそれは正直に「福利厚生がしっかりしているところです!」と答えました。そして案の定、落ちました。
2年目もトライ。落ちました……。
1年目も2年目も、それはそれは夢でうなさられるほど失敗した記憶です。
そして恥ずかしかったです。周りの人に言っていたので……。
何がいけなかったのか? そう、正直すぎたのです。
正直なのは良いと思います。
しかし正直すぎると生きにくいかもしれませんし、時に相手を傷つけることもあるかもしれません。
そして、就職希望先には求める人材というものがある!
当たり前のことですね。
では、どうすれば良かったのか? 考えました。
それは、就職希望先がどのようなものを求めているのか、それに自身の想い・考えが合っているのか? であると思うのです。
そして、合わせるために発信する内容を選択する。
思っていることにウソをつくことはいろいろストレスになるし、思っていないことを言うことも、時にストレスになります。
自分は福利厚生の良さを志望動機と考えていましたが、人の想いについても悩んだりかかわりたいと考えていました。そのことが、なかなかうまく表現できませんでした。まぁ、面接時に緊張していたのも一つの要因ですが。
就職は、自分の希望がパズルのピースのようにカチッとハマることはなかなかないけど、就職先と自分がWin Winになれれば、働くときも気持ちが良いですよね。
相手のことを知る(研究するともいうかもしれません)、そして自分自身を知って発信する内容を選択する。
そんなこの当たり前なことを、一つ一つ意識してコミュニケーションするだけで、トラブルやミスコミュニケーションは減るのではないかと考えます。
【根拠】
自己開示
自己開示とは「他者に自分の情報を伝える行動」のことです。
これは、「あなたならば打ち明けても大丈夫」という信頼のあらわれでもあるため、信頼関係を築くために不可欠と思います。
しかし、適切な自己開示であれば信頼関係につながりますが、他者を傷つける内容などであれば、もちろん信頼関係は構築しにくいことが想像できると思います。ですので、ただ思っていることを伝えれば信頼関係が構築できるかといえば、そうではないですね。
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